自分流 Tri-DialNavi 使いこなし術

NEX-7に採用された新しいインターフェース「Tri-Dial Navi(トライダイヤルナビ)」。
このトライダイヤルナビは、セットアップメニューの「カスタムセット」で自分の好きな機能を割り当てたり、使用頻度の低いセットを省いたりすることで、さらに使い勝手が向上する。
ぜひ自分流にカスタマイズして、NEX-7をより快適に使いこなしてほしい。ここでは、トライダイヤルナビ活用法をいくつかご紹介してみたい。

1.刻々と色を変える夕景撮影に

光の強さが刻々と変わる夕暮れの空。最も美しい色に染まる瞬間は、ほんの数秒。こんなときこそトライダイヤルナビを存分に活用したい。従来のカメラではメニュー画面を呼び出し、深い階層をたどって「ホワイトバランス」や「クリエイティブスタイル」を設定する必要がある。しかし、NEX-7なら「ホワイトバランスセット」や「クリエイティブスタイルセット」をファンクションセットの1に割り当てておけば、色温度やカラーフィルター、画像の仕上がりをすばやく変更できる。刻々と変わる光の状態に合わせて設定を変えられるので、自分のイメージ通りの色あいにその場で調整可能だ。

ワンポイントアドバイス

撮影前にファンクションセットを絞り込んでみよう

シャッターチャンスを確実にものにしたい場面では、たとえばファンクションセットのセット数を1〜2個に絞り、自分流のミニマムセットをつくってみてはどうだろうか。撮影前に使用しないセットを省いておくことで、設定に迷うことなくスムーズな撮影が可能になる。自分なりにカスタマイズできる「トライダイヤルナビ」なら、いろんなシーンでNEX-7のポテンシャルを体感できるはずだ。

2.アーティスティックなスナップ写真に

写真家によっては「スナップ写真が上手く撮れれば、他の撮影もこなせる」と言うように、スナップは写真の基本であり、そして難しいもの。こうした普段のスナップにも、「トライダイヤルナビ」は大活躍する。「絞り優先」モードで、状況に応じて即座にダイヤルで露出を変えられるのはもちろん、アーティスティックな表現を加えて、ひと味違ったスナップ写真も楽しめる。ファンクションセットに「ピクチャーエフェクトセット」を入れておけば、エフェクトを選ぶだけで、日常のスナップもアーティスティックに仕上げることが可能だ。細かなカメラ設定が不要なため、速写性にも優れシャッターチャンスの強い味方になる。ぜひ自分なりの視点で、アーティスティックなスナップ写真にチャレンジして欲しい。

ワンポイントアドバイス

RAW撮影への素早い切り替えには

使ってみると「ピクチャーエフェクト」はとても面白い機能だ。いろいろなエフェクトを試したくなるが、注意が必要なのは「ピクチャーエフェクト」に設定してしまうとJPEG+RAWの同時記録ができない点だ。作品にしたい被写体に出会ったときに、いちいちメニューからRAWを設定していると、シャッターチャンスは逃げてしまう。そこでカスタムセットに「画質設定」を入れておくと便利だ。そうすれば画質設定でRAWを選べば、「ピクチャーエフェクト」が自動的解除される。ピクチャーエフェクトで撮りたいときにはJPEGに戻すだけ。トライダイヤルナビを使いこなせば、どちらも手軽に楽しむことができる。

The Roots of Tri-Dial Navi トライダイヤルナビの原点

トライダイヤルナビの「3つのダイヤル」はどこから生まれたのだろうか。NEX-7開発プロデューサーの高橋に話を聞いてみた。

「基本的な一眼カメラは、階層に入っていくのが非常に複雑で、その細かな数値をコントロールすることに美学があるという考え方がありました。ただ、デジタル化して機能がどんどん多様化しているのに、スタイルは銀塩カメラの頃と変わらない。そこに疑問を感じていたんです」。高橋はプロジェクトをはじめる前から、3つのダイヤルでコントロールすることを考えていたという。「これからのインターフェースはどうあるべきか考えていたときに、シャッタースピード、露出、カラーバランスなど、関連するものを3つのキーに割り当て、

今までのアナログ的に設定していくカメラとは全く別の世界を作ろうという思いがありました。しかし、それはアナログの感覚をすべてデジタル化することではなく、とにかく撮影時の即時性を求めました。使ってもらうと分かると思いますが、ファインダーを覗いた状態で、人差し指と親指だけですべてをコントロールできるのが、このトライダイヤルナビの一番のポイントですね」。いままでのカメラにはないその即時性で、ぜひ素敵な瞬間を捉えて欲しい。