商品情報・ストアゲーミングギア INZONE(インゾーン) ソニー発、ゲーミングギア「INZONE」

INZONE ゲーミングヘッドセットー 開発者インタビュー 「音からの情報」をよりリアルに、究極の集中・没入状態を目指した ゲーミングヘッドセット『INZONE H9』/『INZONE H7』/『INZONE H3』

  • twitter
  • facebook

徹底的に遅延を抑え込んだゲームのためのワイヤレス

―続いて、上位2モデルの特長であるワイヤレス接続の説明をお願いします。冒頭で伊勢崎さんが最近はワイヤレスタイプが人気というお話をされていましたが、ワイヤレスタイプにはわずかながら音声の遅延がありますよね。ゲーマーとしてはとても気になるところなのですが、このあたりは大丈夫なのでしょうか?

金子:おっしゃる通り、ゲーミングヘッドセットではゲーム画面を見ながら音を聴くという特性上、プレイに支障をきたさないよう、音の遅延を最小限にする必要があります。そこで、今回の製品では一般的なBluetoothではなく、専用のUSBトランシーバーを介した独自の2.4GHz無線方式を採用することで低遅延化を追求しています。

―それによって遅延量はどれくらい変わってくるのですか?

金子:Bluetoothで繋いだ場合のおよそ5分の1程度の遅延量になります。これによって、スピード感のあるドライビングシミュレーターやFPS、TPSゲームなどでも違和感なく快適にプレイしていただけるようになりました。
付属の専用USBトランシーバーは購入時点でヘッドセットとペアリングがされているため、PCに装着するだけで面倒な設定をする必要無く自動的に接続が完了するというメリットもあります。

斎藤:その上で、実は本機はBluetoothでの接続にも対応しています。2.4GHz無線方式との同時接続も可能で、たとえばPCやPlayStation®5のゲーム音声を低遅延の2.4GHz無線方式でプレイしながら、同時にスマートフォンにBluetoothでつないで仲間とのボイスチャットを楽しむということができます。もちろん、急に電話がかかってきたという場合もヘッドセットのマイクを使って対応できます。

―スマートフォンにしかないコミュニケーションアプリもありますから、Bluetooth同時接続対応は便利ですね。ただ、Bluetoothは2.4GHz無線方式と同じく2.4GHzの電波帯域を使いますよね。干渉で音が悪くなったりはしないのでしょうか?

斎藤:はい、そのままでは電波の干渉があり、音質や接続性が落ちてしまいます。そこでこの製品ではアンテナのアイソレーションをしっかり確保し、互いのアンテナが干渉しないよう設計を工夫しています。まず、板金アンテナを採用しており、互いのアンテナ方向への指向性を調整した物を、カスタムで作成して使用しています。

さらに、主に屋内で使われるゲーミングヘッドホンの特性を考慮し、アンテナの指向性についても天井からの跳ね返り電波など屋内使用を想定した設計を行っています。
その為、Bluetoothと2.4GHz無線方式の同時使用時でも音質の劣化なく、安定した接続が可能となっています。

―ところで、ワイヤレスといえば、バッテリー駆動時間も気になるところです。『INZONE H9』と『INZONE H7』は一度の充電でどれくらい使えるのでしょうか?

金子:『INZONE H9』は最大32時間、『INZONE H7』は最大40時間の駆動が可能になっており、あまりおすすめはできないのですが(笑)、丸一日以上ゲームし続けることも可能です。

―長時間駆動を実現するためにどんな技術的工夫を行いましたか?

金子:2つのポイントがあります。1つはバッテリーサイズですね。もちろん大きくすればするほど長時間使えるようになるのですが、同時に本体重量が重くなってしまいますし、左右の重さのバランスを取るのが難しくなります。本製品では軽さや重量バランスも考慮しコンセプトにあった最適なサイズのバッテリーを選びました。2つ目のポイントは、バッテリーを少しでも効率的に使うために、低消費電力なデバイスを新規に設計検討して、全体の消費電力を抑える工夫をしています。

また、10分の充電で60分利用できるようになる急速充電にも対応させました。さらにバッテリーが完全になくなってしまっても、USB Type-CケーブルでPCやUSB ACアダプターに接続し、充電をしながらヘッドセットが使えるようにもしています。

斎藤:これによってバッテリー切れを気にすることなくプレイし続けることが可能になりました。ゲームプレイヤーとしての自身の経験から、この機能は絶対に外せないところでした。そこまで長時間ゲームしないという人でも、ワイヤレスヘッドホンの充電を忘れるということはよくあることですので、多くの人に役立つ機能だと考えています。

―充電しながらの利用は確かにあまり見かけない機能ですが、そんなに搭載が難しい機能なのですか?

斎藤: はい。USBからの給電ではノイズが大きく、音質を阻害してしまうため、設計時にその対応が必要になります。今回は、充電中の音質を確保するため、ワイヤレス性能に影響を与えないレベルでデジタル部とオーディオ部の回路を分離するといった工夫を行っています。このやり方は私が過去に担当したPCMレコーダー『PCM-D10』で採用したやり方を応用したものなんですよ。

―そんなところに意外なソニー製品の技術が採用されているんですね。ちなみにシリーズ唯一の有線モデル『INZONE H3』についてはいかがでしょうか? 有線モデルに込めたこだわりもお聞きできれば。

篠原:ケーブルが頬や首筋に当たらないよう、ケーブルを出す位置を工夫しています。このあたりはソニーが長年ヘッドホンを作ってきたノウハウが生かされている部分だと思います。また、左側のハウジングにはアナログ方式のボリュームを搭載しており(『INZONE H9』『INZONE H7』はデジタル方式)、PlayStation®5のコントローラーに接続した場合でも耳元からボリューム調整を行なえるようにしています。

―有線接続でも快適に使えるような工夫が多数盛り込まれている、と。

篠原:『INZONE H3』はベーシックモデルですが、本体重量が軽いという特長もあります。軽さを重視する人にはぜひこの選択肢を検討していただきたいです。

最高の音質で仲間とのコミュニケーションをスムーズに

―昨今のゲーム体験では仲間とのネット越しのコミュニケーションも重要な要素です。この点においてINZONEがどのような機能を有しているのかをお話しください。

佐藤:3モデル共通で口元までマイクを近づけることができるブームマイクを搭載しています。そのため、ハウジング部にマイクを内蔵しているような製品と比べ、はっきりと自分の声を相手に届けることが可能です。また、マイクユニットに指向性を持ったものを採用することで、キーボードやコントローラーを操作している手元の音を拾わず、自分の声だけにフォーカスして集音できるようにし、高い通話性能を実現しています。

山本:また、ブームマイクは可動式で、最大130度の範囲で好きな位置にピタッと止めることができます。さらに、使わない時は側面の邪魔にならない位置に収納しておくことが可能です。マイクを収納位置まで回転させるとカチッという音と手応えでちゃんとミュートになったことを確認できるという細かな工夫も施しています。

―マイクのオン/オフを直観的に認識できるのはうれしいですね。ほかにもそういった工夫がありましたら教えてください。

佐藤:仲間とボイスチャットをしながらプレイするという方に役立つ機能として『INZONE H9』『INZONE H7』には、ゲーム音声とチャット音声の音量バランスを耳元から変更できる機能を用意しました。右側のハウジングに搭載されたスイッチの「GAME」側を押すとゲームの音量が上がってチャットの音量が下がり、「CHAT」側を押すとチャットの音量が上がって、ゲームの音量が下がります。ゲームの音よりも仲間との会話をはっきり聞きたい、また逆にゲームの音に集中して敵の位置を把握したいといったシーンで、PCやPlayStation®5の設定画面をいじる手間なく簡単に使える機能となっています。

モチーフにしたのはプロフェッショナルのための道具

―ほかにない目を惹くデザインもINZONEの魅力のひとつです。そこにどのような想いが込められているのかも聞かせていただけますか?

鈴木:まず、この丸みを帯びた形状ですが、モチーフとしたのはヘリコプターのコックピットやF1ピットなどで使われているヘッドセットのオーバルなハウジング造形です。プロフェッショナルが自らの仕事のために妥協せずに選び抜いた遮音性、装着性に優れ、手に馴染みやすい形状を元に、さまざまな機能を瞬時に操作できるよう、ボタンやスイッチの位置を細かく調整しています。

―モチーフとしたプロ向けヘッドセットは無骨な印象ですが、この製品のデザインからはそれをさらに洗練したような印象を受けます。デザイン処理の面ではどのようなことをされているのですか?

鈴木:『INZONE H9』および『INZONE H7』では、ヘッドバンドの軸受面やブームマイク根本の回転面について、最適な角度でハウジングをカットし、デザインの特徴としています。また『INZONE H9』はこの部分に円形のLEDリングを配置してステータスを表示。機器同士の繋がりが可視化されたほか、ゲーミングギアらしい佇まいを醸し出しています。

西原:有線接続の『INZONE H3』についても、上位モデル同様、手に馴染むオーバルなハウジングや、ブームマイク根本のデザイン処理などは継承。その上で、全体のカラーバランスを考え、ブームマイクを黒くするなどしています。また、最大の相違点となっているハウジング部を左右から抱えるハンガー構造とその内側の細かな音響ダクトについては、上位モデルのイメージを踏襲しながら、堅牢かつシンプルでクリーンな印象を持たせるように心がけました。

ゲーマーでもある私たちの想い、パッションを感じてほしい

―INZONEのヘッドセットは、PCゲーマーをターゲットとしつつ、「Perfect for PlayStation®5」も謳っています。具体的にはどういった連携が可能なのでしょうか?

伊勢崎:『INZONE H9』と『INZONE H7』は、PlayStation®5にUSBトランスミッターを接続すると、ヘッドセットの接続・電池残量・ボリュームなどといった各ステータスを画面上の表示で確認できます。また、先ほど説明したゲーム音声とチャット音声のバランス調整機能をPlayStation®5でも使用できます。このように、ゲームを楽しむうえで重要な便利機能が、PlayStation®5でもばっちり利用可能です。

さらに、PlayStation®5で用いられている立体音響技術「Tempest 3Dオーディオ」は、立体音響に特化したINZONEのゲーミングヘッドセットと相性が良く、包み込まれるようなサウンドを高いレベルで楽しめます。

―最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

伊勢崎:INZONEは、ゲームを愛するすべてのプレイヤーの皆さまに、ゲームへの没入、勝利、そして感動といった体験を味わっていただくためのゲーミングギアです。今回同時に発表されたゲーミングモニターも含め、ソニーはゲーミング市場に熱いパッションを持って新商品を展開します。これまで培ってきた映像・音響技術のあるソニーだからこそ、ゲーミングという新しいカテゴリに対しても自信を持って商品をお届けできると思っていますので、まずはぜひ、そのクオリティを店頭などでお確かめください。
よろしくお願いいたします!

TOPページへ戻る

ページの先頭へ