商品情報・ストアゲーミングギア INZONE(インゾーン) ソニー発、ゲーミングギア「INZONE」

INZONE ゲーミングヘッドセットー 開発者インタビュー 「音からの情報」をよりリアルに、究極の集中・没入状態を目指した ゲーミングヘッドセット『INZONE H9』/『INZONE H7』/『INZONE H3』

  • twitter
  • facebook

ソニーがこれまで培ってきた技術とノウハウを凝縮させた、“勝てる”ゲーミングギア「INZONE(インゾーン)」。その第1弾となるゲーミングヘッドセットには、周囲の音を正確に把握する立体音響技術や、ゲームへの集中を高めるノイズキャンセリング機能などが盛りこまれています。もちろん音質や装着性、デザインなどにも妥協なし。「夢のゲーミングヘッドセットを作りたい」というその想いについて、開発を牽引した主要メンバーたちが語ります。

MEMBERS
  • 商品企画担当
    ソニー株式会社

    伊勢崎

  • 設計プロジェクトリーダー
    (『INZONE H9』『INZONE H7』)
    ソニー株式会社

    金子

  • 設計プロジェクトリーダー
    (『INZONE H3』)
    ソニー株式会社

    篠原

  • 商品企画担当
    ソニー株式会社

    伊勢崎

  • 設計プロジェクトリーダー
    (『INZONE H9』『INZONE H7』)
    ソニー株式会社

    金子

  • 設計プロジェクトリーダー
    (『INZONE H3』)
    ソニー株式会社

    篠原

  • 音響設計担当
    ソニー株式会社

    佐藤

  • 音響設計担当(立体音響)
    ソニー株式会社

    江島

  • 電気設計担当
    ソニー株式会社

    斎藤

  • メカ設計担当
    ソニー株式会社

    鈴木

  • メカ設計担当
    ソニー株式会社

    山本

  • メカ設計担当
    ソニー株式会社

    西原

  • ソフトウェア担当
    ソニー株式会社

    椎名

ソニーならでは技術や思想を盛り込んだ“勝てる”ヘッドセット

伊勢崎:「INZONE」は、ゲームをプレイしているユーザーを究極の集中・没入状態、いわゆる「ゾーンに入った」状態に導き、パフォーマンスを向上させ、そしてゲームに勝利させるーーそうした体験を実現したいという願いを込めて立ち上げた、ソニーの新しいゲーミングブランドです。実は、開発チームは私を含めて多くのメンバーが、平日も寝不足になるほどゲームをプレイするような者ばかり。当初から夢のゲーミングヘッドセットを作りたいという強い想いがありました。ゲームを愛し、真剣にプレイしている人の多くが、シビアに勝利や結果を追い求めています。私たちは、真剣に戦ったからこそ、手強い対戦相手やモンスターに勝ったとき、あるいはスコアを更新できたときの喜びに、特別なものがあると信じています。

そのようなプレイヤーの相棒となるようなプロダクトを、「INZONE」シリーズとして作っていきたいと思っています。

―なるほど。「INZONE」にはゲームへの集中や没入をより高めるため、ソニーならではの技術を数多く採用した製品作りを行っていると聞きました。同時に発表されたゲーミングモニターでは液晶テレビ「ブラビア」で培った画作りなどが生かされているそうですが、ゲーミングヘッドセットにはどのような技術が使われているのでしょうか?

伊勢崎:今回発表した『INZONE H9』を始めとするゲーミングヘッドセットには、ソニーがこれまでオーディオ事業で培ってきた技術や思想が活用されております。具体的には、広がりが良く、定位感に優れた音を再現できる360立体音響技術や、音楽リスニング用ヘッドホンで培った、快適な装着性を実現するための機構やマテリアル、そして業界最高クラスのノイズキャンセル性能を誇るヘッドホン「1000X」シリーズから受け継いだデュアルノイズセンサーテクノロジーなどです。これらの技術は、ゲーミングというシーンにおいても非常に有用で、プレイヤーの没入・集中体験に貢献できると考えています。

―昨今のゲーミングヘッドセットの傾向とトレンドについて教えてください。

伊勢崎:ゲーム市場の成長とともにゲーミングヘッドセット市場も年々広がりを見せており、特に最近はワイヤレスタイプのヘッドセットが人気です。今回、ゲーミングヘッドセットを開発するにあたって、改めてさまざまなゲームプレイヤーから意見を聞いたのですが、世界的に人気のジャンルであるFPSゲーム(First-Person Shooter/一人称視点シューティングゲーム)やTPSゲーム(Third-Person Shooter/三人称視点シューティングゲーム)では、後ろから忍び寄ってくる対戦相手の足音など、音で状況を判断できるかどうかが勝敗を大きく左右するため、コアなプレイヤーほど、高性能なヘッドセットを求めていることがわかりました。そこで今回は、プレイヤーの方がこだわる音のニーズに応える新製品を3モデル発売します。

ゲームに特化した新開発バーチャライザーでよりリアルな立体音響を再現

―ここからはINZONEのゲーミングヘッドセットの個別の機能や特長についてお聞きします。まずはヘッドセットということで「音」の体験から。「ゲーミング」を謳う以上、やはり音楽を楽しむためのヘッドホンとはコンセプトから異なっているんですよね?

佐藤:はい。INZONEのゲーミングヘッドセットでは、ゲームのプレイ中に重要となる「音からの情報」を正確に得られる音質を目指しました。その上で、音からの情報を得るためのツールとしてではなく、よりゲームに没入できる、楽しめる音質に仕上げています。

―ゲーミングヘッドセット……と言うか一般的なヘッドホンは物理的にはステレオ再生しかできないわけですが、それでどのようにして周囲の状況を正確に把握できるようにするのでしょうか?

江島:ソニーが長年培ってきた360立体音響技術をベースに、ゲーム向けのバーチャライザーを新規に開発しました。バーチャライザーとは、実際にはヘッドセットの左右のスピーカーから再生される音が、まるで頭の外を取り囲む仮想スピーカーから聞こえるかのようにしてくれるというもの。これによって、ゲームが持っている本来のサウンドをヘッドセットで忠実に再現することが可能となっています。

―立体音響対応を謳うヘッドセットはすでにいくつかのメーカーから発売されていますが、ソニー独自の特長を教えてください。

江島:ソニーの既存のモデルでも採用している、個人最適化機能を搭載しています。実は人間の音の聞こえ方には耳の形状などに起因する個人差がかなりあり、それを加味した処理を行うことが立体音響を忠実に再現するための重要なポイントとなります。そこで、スマートフォン向けアプリ『360 Spatial Sound Personalizer』を使ってユーザーの耳の写真を撮影し、それを元に分析した聴感特性をバーチャライザーの処理に反映させることで、INZONEでも利用できるようになっています。

ただし、INZONEのバーチャライザーはゲーム向けに最適化されたもので、360 Reality Audioのものとは異なります。具体的には音楽体験において重要な音の響き感よりも、音の位置情報を正確に把握できるようなチューニングを施しています。

椎名:これらのバーチャライザーや個人最適化機能はINZONE専用のPCアプリケーション『INZONE Hub』を利用して実現しており、処理の工夫やゲーミングPCならではのマシンパワーを駆使するなどして音の遅延を抑えています。なお、個人最適化については耳の写真の撮影にはスマートフォンを利用し、その分析はクラウド上で行われており、インターネットを通じて『INZONE Hub』に分析結果が共有される仕組みです。また、より多くの方にこの立体音響を体験していただくため、面倒な設定の必要なく簡単に使えるようにすることにもこだわっています。

なお、『INZONE Hub』にはほかにも、多くの機能が用意されており、プレイヤーがゲームのサウンドを自分好みにカスタマイズできる10バンドのイコライザーや、ダイナミックレンジコントロール機能も搭載。これによって、たとえば微細な音の成分を持ち上げて聞き取りやすくするといったことができます。そして、それらの音をゲームタイトルごとにサウンドプロファイルとして保存しておくことが可能。サウンドプロファイルをゲームタイトルに紐付けしておくと、そのゲームが起動すると同時にプロファイルが切り替わるアプリ連動という機能も用意しています。

―なるほど、ソフトウェアにも「勝つ」ための工夫がたくさん詰まっているのですね。

椎名:ちなみにこのサウンドプロファイルですが、アプリから書き出したり、読み込んだりできるようにしています。ですので、たとえばプロプレイヤーがふだんのプレイで使っているプロファイルを書き出してファンに配布するといったことも可能。それを読み込むことでプロプレイヤーと同じ音設定でゲームプレイできるようにもなります。

―憧れのプロプレイヤーと同じ音設定でプレイできるというのはうれしいですね!

音質の良さも“勝つ”ために必要

―続いて、立体音響以外の音質面についても聞かせてください。ソニー製ということで音質の良さに期待している人も多いと思います。そのあたり、INZONEのゲーミングヘッドセットにはどういった技術や工夫が盛り込まれていますか?

佐藤:ここまでのお話にもあったよう、このゲーミングヘッドセットにはこれまでにソニーが培ってきた音響技術を多く採用しています。今回、その中で特にこだわったのがハウジング内部の音響構造です。ヘッドホンの左右で音響特性がずれてしまうと、聴こえてくる音の定位にも影響してしまいます。特に定位感を大事にする本モデルでは、音響構造が左右対称になるように設計しました。

―そこにはどういった難しさがあるのでしょうか?

佐藤:ゲーミングヘッドホンなどワイヤレスヘッドホンではシンプルなワイヤードヘッドホンに比べて本体にバッテリーやスイッチを搭載する為、一般的にハウジング内部が左右対称になりません。特にワイヤレス対応の『INZONE H9』『INZONE H7』はバッテリーやアンテナなどもありますからなおさらです。そこでハウジングの構造を工夫することで解決しました。いたずらに構造物を増やしても本体が重くなってしまいますので、ハウジング上部にダクトを設け、ハウジング内を流れる空気の流れをコントロールすることで内蔵されるバッテリーや基板の影響を受けないようにしています。さらに、ダクトには迫力ある低音の再生を実現するという役割ももたせています。

―そして最上位モデル『INZONE H9』にはノイズキャンセリング機能が搭載されているとのこと。この機能はどちらかというと電車での移動時など、周囲がうるさい場所で必要とされるものというイメージがあります。自室で利用するゲーミングヘッドセットにどうしてこの機能が必要になるのでしょうか?

佐藤:ノイズキャンセリング機能はゲーム中に聞こえてくるPCの音や、エアコンなどの動作音といった屋内での騒音を低減し、よりゲームに集中できるように搭載しました。

―ゲーミングPCは負荷の大きなシーンで空冷ファンがすごい音を立てて回り始めますから、たしかに、ノイズキャンセリング機能は集中するときの助けになりそうですね。

佐藤:はい、そうです。そのほか、自分以外の家族が立てる音や、家の前を自動車が通過したときの音など、家の中にいても思った以上に外部の音は聞こえてきます。そうした周囲の音に気を取られず、集中してゲームをプレイしたいという方にはノイズキャンセリング機能を搭載した『INZONE H9』がおすすめです。

さらに『INZONE H9』にはヘッドセット装着中に周囲の音をきちんと聞き取れるようにする「アンビエントサウンドモード(外音取り込みモード)」も搭載。ゲームプレイ中に家族に話しかけられたり、インターホンが鳴ったりした時にも気がつけるようにしています。

ずっとプレイし続けられる極上の装着感

―ゲーミングヘッドセットでは、長時間プレイしても苦にならない優れた装着感も重要ですが、この点についてはいかがでしょうか?

山本:まず、3モデルで共通のヘッドクッションを、厚く、柔らかい幅広のものにしました。柔らかなヘッドクッションは頭にかかる重量を分散してくれるので、長時間装着していても圧迫感を軽減してくれます。また、幅を広くすることでねじれを抑え、厳選した合皮を使用することでグリップ性を高めています。

鈴木:その上で、耳に直接接触するイヤーパッドについては機種ごとに素材や形状を変えています。最上位の『INZONE H9』には先日発売されたばかりのノイズキャンセリングヘッドホン『WH-1000XM5』に採用された、柔らかくて伸縮性に富んだソフトフィットレザーを採用しました。さらっとした触感なのですが、それでいてグリップ力が高く滑りにくいのが特長で長時間ゲームをプレイしていてもとても快適なんですよ。遮音性も高いため、『INZONE H9』の売りであるノイズキャンセリング機能の効果をより良くする効果もあります。

西原:これに対し『INZONE H7』および『INZONE H3』には快適性の高いナイロン素材を使用しています。こちらも蒸れを感じにくい素材で、同じく長時間のゲームプレイでも快適なまま使い続けられます。細かいところではイヤーパッドの縫い目が肌に触れないよう構造を工夫しました。また、柔らかいイヤーパッドを使用する事で頭部の形状に柔軟に追従し、高い遮音性と快適な装着性を実現しています。

鈴木:さらにイヤーパッド構造の工夫でも快適性を高めています。まずサイズをより大きめにし、内側の空間を充分に取ることでイヤーパッドの中で耳が窮屈にならないゆとりのある装着感を実現しています。ちなみにこのことは快適性だけでなく音質面でも有利に働くんですよ。

―ヘッドクッション、イヤーパッドだけで本当にさまざまな工夫が施されているんですね。

鈴木:それらはユーザーが直接触れる部分なのでとても意識した部分です。苦労しましたが、できあがった製品は狙い通りに装着感が良く、長時間使っても圧迫感や疲れを感じにくくすることができました

ゲームはもちろん、映画鑑賞やビデオ会議などで使用できるプロダクトになっております。

TOPページへ戻る

ページの先頭へ