
ゆきお(RIDDLE456)
プロゲーマー
『Apex Legends』の競技シーンにおける北アジアでトップクラスの実力を誇る。チーム全体の動きを把握しつつ、指示を出すオーダーを担当している。デバイスの設定などは他プレイヤーのものを参考にしつつ、自らに合ったものを模索するタイプ。過去に公式大会Apex Legends Global Series(ALGS)のSummer Circuit #2 APAC North地域で総合1位を獲得している。

へしこ(RIDDLE456)
プロゲーマー
ゆきお氏とはチームメンバーでもあり、同じく北アジアでトップクラスの実力を誇る。デバイスの設定などは自分が気に入ったものを見つけるタイプ。過去に公式大会Apex Legends Global Series(ALGS)のSummer Circuit #2 APAC North地域で総合1位を獲得している。
eスポーツタイトルとして抜群の人気を誇る『Apex Legends』において、もっとも熱い注目を浴びているチームのひとつが「RIDDLE456(リドル・シコロク)」だ。
強さだけでなく、配信での砕けたやり取りが魅力のこのチームでプレイヤーとして活躍するゆきお氏とへしこ氏がゲーミングモニターの「INZONE M3」とゲーミングヘッドセットの「INZONE H9」を実際に使用してくれた。
後編では「INZONE M3」のみにとどまらず「INZONE H9」で音の重要さをプロゲーマーの目線で語り合ってもらった。
『Apex Legends』特有の同化が起こりづらいモニター
へしこ:ゲームをプレイしてみたうえでの感想はどう?
ゆきお:やっぱり色が同化しづらいところが便利。『Apex Legends』って、安全地帯の外側が真っ赤になっちゃったり、洞窟のなかに入ると暗すぎたり、敵が見えなくなっちゃうようなことがけっこうあるんだよね。
へしこ:たしかに。配信のときってカメラでプレイしている自分の顔も出しているだけど、安全地帯の外に行くと、モニターが真っ赤になるから、その照り返しで自分の顔も真っ赤になるし、洞窟に行くと、顔が暗くなる。それくらい画面の明るさや色が場面によって激しく変わると思った。
けど、「INZONE Hub」を使えば、赤色を薄めたり、暗いところだけを明るく表示するようにしたりと色の強弱まで設定できるんで、このゲームとの相性がめちゃくちゃいいなって。
へしこ:そもそも色が鮮やかで、設定を変えなくてもキャラとオブジェクト、エフェクトとそれぞれくっきりと分かれて見えるというか、敵が見やすく感じたね。たとえば背景の色とキャラクターが同じ系統の色でも同化しづらいとか。
『Apex Legends』って、キャラクターの体力が多いから、一瞬だけ素早くエイムをあわせるというよりも、「狙いをあわせ続けて戦う」ことが多い。
ゆきお:だからみんなセンシの設定にあんまり関係なく、デカいマウスパッドを使うんだよね。
へしこ:そうだね。マウスを操作しながら追いエイム(※)をずっと続けるようなときでも、「INZONE M3」なら、キャラクターが背景やエフェクトに同化して見失うようなことがない。これはとても有利だと思う。
※追いエイム:トラッキングエイムとも呼ばれる。移動している敵に対して、追いかけるように照準を合わせる技術。

ゆきお:画面が全体的に明るいうえに、それだけじゃなくて安全地帯の外とかでも「同化せずに見分けやすい」ってスゴいよね。
チームの戦略によっては中盤くらいまでずっと安全地帯の外に居続けるような場合もあるし、使うキャラクターというか、レジェンドによっても視認性が大きく変わってくるから、そういう意味でも「INZONE Hub」は本当に便利だよ。
へしこ:試してないけど、考えてみたら「INZONE Hub」ならあらかじめ用意した設定をかんたんに切り替えられるから、それをもっと活用する余地があるかもね。
ゆきお:そうだね。マップで言うと「キングスキャニオン」とか「ワールズエッジ」みたいな明るい色が強いマップでは、明るさとかを控える設定もい いかもね。あとは、マップとかキャラによって戦術も変わってくるけど、安全地帯付近での戦いが多くなりがちなランクマッチとかだと赤みを抑えた設定とかがよさそう。
へしこ:競技シーンでは使えないけど、ランクマッチだと一定時間リンクダメージを防げるヒートシールドが使えるとかもあるよね。安全地帯外でヒートシールドを使われると何も見えないときとかがあるから、そういうときは赤を抑えた設定が活きそうだね。
「INZONE M3」でエイムの精度が向上!?
ゆきお:へしこは画面の設定をすっごく明るくするけど、目が痛くなったりしないの?
へしこ:なる(笑)。でもやっぱり明るければ明るいほど自分には敵が見つけやすいから明るくしてるね。でもプロ選手でも明るいのが好きな人だけじゃなくて、おさえ気味、標準の設定よりも少し暗くする人もいるんだよね。
ゆきお:たしかにいろいろな設定の人がいる。改めて「INZONE M3」のいいところを考えてみると、明るさの自由度だけじゃなくて、発色が綺麗だったり、リフレッシュレートが高くて応答速度が速かったりするところもいいよね。『Apex Legends』に限らず、どのFPSも快適に戦えるのは間違いないし、残像感もまったくない。
キャラクターの動きがそのまま目に入ってくる感じ。目で追いやすいし、それが『Apex Legends』でいちばん大事な追いエイムにつながってくるわけだけど、その点でほかのモニターより断然いいよね。

へしこ:さっきも言ったけど、たとえば雪山のマップだと白いスキンの敵はかなり同化して見づらくなるんだけど、それが同化しないから、追いエイムが本当にしやすい。この「INZONE M3」って、『Apex Legends』にあってるんじゃないかな。
あと画面サイズが大きいから遠くの敵が見やすい印象もあるし、「INZONE M3」では中距離や近距離でもいいエイムができた。大きさや見え方、その両方がエイムの精度につながっていると思う。
ゆきお:『Apex Legends』って、すごく遠くにいるキャラクターって強調表示されて黒く見えるんだけど、オブジェクトでも似たようなことがあって、オブジェクトなのか、キャラクターなのか、一瞬わからなくなっちゃったりする。でもこのモニターだと「あれは敵じゃない」ってすぐに見分けられるのがいいよね。
体感的なレベルの話になっちゃうけど、画質の良さや画面サイズの大きさのおかげで、このモニターを使っていつもよりエイムがよくなった感じはする。
ただ、画面の大きさがエイムのしやすさにつながっているのは感じるけど、画面端のマップやキルログはそのぶん見づらいのも確か。オーダーもしづらくなるし競技で使ったとしたら、そこがどれだけ影響するかはちょっと未知数な部分があるかも。
上下まできちんと位置を聞き分けられる「INZONE H9」
へしこ:今回はモニターだけでなくて、ヘッドセットも試用させていただいたけど、こっちはどうだった?
ゆきお:何より見た目がシンプルでかっこいい。モニターと同じように近未来感のあるデザインで、やっぱり白ってところがいいよね。
FPSでは『Apex Legends』に限らず定位感って大事だけど、前後だけでなく、上下もしっかり聞き分けられることにちょっと驚いた。特に『Apex Legends』って音が聞き取りにくいところがあるゲームなんで、すごくありがたい。
へしこ:ゆきおは、ふだんイヤフォンだよね。
ゆきお:そう。イヤフォンは位置の聞き分けに関して言うと、上下はまったくダメ。たとえば「ワールズエッジ」みたいなマップだと、敵が建物の上にいるのか下にいるのか、特に相手が2人以上いるときはまったくわからなくて、ほとんど勘で戦ってたんだよね。
でも「INZONE H9」は特に上下がしっかり聞き分けられるから、勘で戦うようなこともなくなって、しっかりと敵の位置を判断したうえで戦えるようになったし、音そのものも聞きやすかった。

へしこ:イヤフォンに比べて音が聞こえる範囲が広いというか、遠くの音まで聞こえるよね。
ゆきお:そう、新マップのブロークンムーンにあるジップレールを使って移動している音に早めに気付けて助かったことが何度かあって、それはめちゃくちゃ強く感じたね。遠くの音まで聞こえれば、それだけ接敵時への準備が早くできるわけだから、ゲームではすごく有利になる。
それに音がしっかり聞こえるから、位置や距離だけじゃなくて、パスファインダーとか特徴あるレジェンドはその違いも足音で聞き分けられたね。足音の違いはイヤフォンだとほとんどわからないんだけど。
「INZONE H9」はノイズキャンセリング機能の効きもいいよ。オフライン大会のときって、イヤフォンで音を聴きながら、それにノイズキャンセリングのヘッドフォンをつけたりするけど、正直言うとめっちゃめんどくさい(笑)。でも「INZONE H9」ならイヤフォンを併用する必要がなさそうで、いいなって思った。
「INZONE H9」は圧迫感がなくフィット感も良好
へしこ:『Apex Legends』って低音が大事だと思ってるんだけど、それがしっかり聞こえてて、すごくいいよね。「INZONE H9」だと足音を聞き分けられたりするのは、そこの違いが大きいと思う。
このゲームの選手って、オーディオインターフェースでけっこう細かく低音と高音のバランスとか、細かく音のバランスをいじる人が多いんだよね。
ゆきお:僕もそうだけど、長時間のプレイで疲れないっていう、ただそれだけの理由でイヤフォンを選んでいる人がけっこういて、でもイヤフォンだとどうしても耳を覆うタイプのヘッドセットよりも音のクオリティが下がる。だから、「仕方なく音の設定をいじる」っていうケースも少なくないよね。
へしこ:そうそう。でも、「INZONE H9」は特に設定をいじらない状態でも低音がしっかり聞こえていて、そのうえでしっかり高音も鳴っているのがすごくよかった。

ゆきお:それと、音質の設定を変えるにしても、モニターと同じ「INZONE Hub」でいじれるのもよかったなぁ。アプリでボタンをひとつクリックするだけで最適化してくれるとか、機械音痴の僕には本当に助かったポイントだね。
へしこ:改めて思ったけど、やっぱり音だけを考えるなら、イヤフォンよりも耳を覆うタイプのヘッドセットのほうがいいよね。
自分の場合、FPSをはじめたばかりの頃は無線のヘッドフォンを使っていて、でもすぐにやめちゃった。理由は単純で、耳がめちゃくちゃ痛くなるから。3個くらい試したんだけど、全部ダメで、けっきょくイヤフォンにしたという過去があって。
でも「INZONE H9」はフィット感がとてもよくて、ゲーム中に長時間着けていたりもしたのに、ぜんぜん痛くならなかった。
ゆきお:そう、「INZONE H9」はフィット感がすごくいいよね。イヤーパッドやアームの設計がうまいんだと思うけど、締め付け感がない。ただ、ワイヤレスなせいもあって、僕は少しだけ重さが気になったかな。

ゆきおとへしこが「INZONE」をプロデュースするなら?
ゆきお:最後に「INZONE」シリーズの新しいモデルを僕らがプロデュースできるとしたら、どんなモデルが欲しいか、っていうお題が出ているんだけど、何かある?
モニターに関していうと、リフレッシュレートや応答速度は文句ないレベルだし、色も綺麗だから、このままの性能で、24インチとか、小さいバージョンが欲しいね。今だと画面が大きいぶんエイムはしやすいんだけど、一覧性は24インチよりは下がっちゃうと思う。僕はオーダーするから、ちょっとやりづらい部分もあるね。やっぱり、人によって使い方が違うので、大きさのバリエーションを増やしてくれたらうれしいな。
へしこ:やっぱり24インチは欲しいよね。FPSの競技シーンではやっぱり24インチでリフレッシュレートが144Hz以上が定番で、24インチに慣れ親しんでいる人も多いしね。
ゆきお:それと、モニタースタンド。今の形状はめちゃくちゃいいんだけど、欲を言うなら真ん中の足をもう少し細くするのと、モニターの奥行サイズが大きくなってでも、マウスパッドをもっと奥に置けるようにしてほしいね。マウスパッドを奥に置ければ、それだけ画面を顔に近づけられるので、特に今後、小さいサイズが出るならより使いやすくなりそう!

へしこ:ヘッドセットについては?
ゆきお:ヘッドセットに関しては、ゲーミングカフェやオフライン環境だと「INZONE H9」のような密閉型でノイズキャンセリング機能があったほうがいいのは絶対なんだけど、配信しているときは自分の声が聞こえなくなっちゃうんだよね。
だから、「INZONE H9」と同等の性能を持ったオープンエア型のモデルが欲しい……。次のモデルはぜひオープンエアで作ってもらいたい(笑)。
へしこ:自分としては「INZONE H9」はほぼ理想型というか、耳が疲れないし、デザインもすごく気に入ってるよ。前に家電量販店で見かけて本当に買おうと思ったくらい。ただ、配信のときはどうしても上のアームの部分が見えちゃうので、イヤホンのほうがいいのかな? とは思うときがあるくらい。
ゆきお:そういう意味では「INZONE H9」レベルでちゃんと低音が聞こえるようなイヤフォンも使ってみたいね。
へしこ:確かにそれはあるかも。あと、「INZONE H9」に関して強いて言うなら、重さかな。今のままでもぜんぜん問題ないレベルでだけど、もう少し軽量化できるなら、さらに装着感はよくなると思う。
ゆきお:僕は偏頭痛持ちってこともあって、超個人的な話として、軽いだけでなくて、もうちょっと締め付けがソフトだと助かるかな。
へしこ:軽さなら有線の「INZONE H3」とかも使い比べてみたいね。
ゆきお:でも、ふつうにゲームで遊ぶには多少重くてもワイヤレスのほうが圧倒的に便利だよね。ボイスチャットをしながらカップ麺を作りに行くこともできるし(笑)。

2人による「INZONE」製品の最終的な感想は……!?
ゆきお:そろそろまとめに入ろうか。まずはモニター、「INZONE M3」から。
僕の意見だけど、リフレッシュレートは240Hzまで出るし、応答速度もGTGで1msとかなり速く、残像感もない。しかもIPSパネルで10.7億色表示と、表示も綺麗。けっこうどんなプレイヤーにも向いていると思う。
強いて言うなら大きさだけは好みがわかれるかもしれないけど、27インチなりのよさもあるし、僕ほど画面に顔を近づけるようなプレイヤーはそんなに多くはいないはず(笑)。画面が大きいぶん、エイムしやすかったから、どちらかと言うと普通にランクマッチやるだけだったら、27インチのほうがいいかも。
24インチを使っている人なら今までより少し遠くに置けばいいだけだし、いろんなゲームを遊ぶことを考えたらむしろ27インチのほうがちょうどいいんじゃないかなって思うくらい。
へしこ:実際に使ってみるまでは、自分も24インチと27インチの違いにはちょっと不安があって、いつもと同じパフォーマンスが出せるか心配だったけど、いざ使ってみたら、むしろ感触がよかったんだよね。残像感もないし、FPSプレイヤーに向いたゲーミングモニターだと思う。
自分は『モンスターハンター』シリーズとか『DARK SOULS』とか、FPS以外のゲームもプレイするんだけど、そういうゲームで遊ぶときは24インチは迫力という意味では物足りなさがあるのは事実。そういう意味ではいろんなゲームを遊ぶ人なら27インチが「ちょうどいい」というのはあるよね。
ゆきお:そうだね。三脚型のモニタースタンドとか、「INZONE Hub」を使った調整の便利さとか、このモニターならではの強みもあるし、とにかく映像の綺麗さという意味での性能がいいんで、かなり魅力的な製品だと僕も思った。
へしこ:白でまとめられたデザインも自分は好きだし、「黒以外のゲーミングモニター」を探している人はけっこういそうだよね。

ゆきお:絶対いると思う。ヘッドセットの「INZONE H9」については、配信をやる人なんかには密閉性が高くて自分の声が聞きづらいとか、見栄えが気になることもあるかもしれないけど、同じタイプのゲーミングヘッドセットのなかで言えば、低音の鳴り方もノイズキャンセリング機能も、自分が過去に使ったことのあるいろんなメーカーの製品と比べても最高レベル。
さっきも言ったけど、ワイヤレスだから通話を切らずに席を離れて別の場所に行ったりすることもできる。これは一般的なユーザーにとってみれば、めちゃくちゃ便利でうれしい部分なんだよね。
ちゃんと上下方向の聞き分けもできるし、多くのFPSプレイヤーにとってすごく向いた製品になっていると思う。
へしこ:自分は今まで本当にどんなヘッドフォンも圧迫感があって長時間使うことができなかったんだけど、「INZONE H9」は長い時間使っていてもまったく耳が痛くならなかったのは本当に驚いたところ。自分と同じように、「このヘッドセットなら長時間聞いていても大丈夫」っていう人はけっこういるはず。
それと、見た目にこだわる人にもけっこう刺さるんじゃないかな。白と黒のモノトーンでまとめられているこのデザインを気に入る人は多いと思うんで、そういう意味でもオススメだね。
ゆきお:ゲーミングモニターもヘッドセットも、ゲーミングデバイスとして完成度高いよね。あとはゲーミングモニターに24インチのものとか、大きさのバリエーションが揃えば……。
へしこ:「INZONE」っていうブランドとしてさら強みが出るよね。
ゆきお:そうだね。今後、どんな製品が出てくるか楽しみだよね。
『Apex Legends』公式サイト:https://www.ea.com/ja-jp/games/apex-legends
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