法人のお客様>メディカル関連機器>評価レポート・事例紹介>がん研有明病院 様

がん研有明病院 様

がん研有明病院様 院内映像管理の一元化により オペレーションの効率化を実現

がん研有明病院
病床数700床、手術室を20室備える日本最大のがん専門病院。 最先端の設備および優秀な医療スタッフを多く有し、がん治療で日本でトップの手術件数8,548件(2016年)を誇る。日本ばかりではなく海外から患者が訪れるなど、世界的にも名高いがん医療を先進的に行っている。

ソニーの医療機関向け4K対応コンテンツマネジメントシステム(CMS)が、日本で初めてがん研有明病院に設置され、現在稼働しています。CMS導入までの経緯やそのシステムの概要を紹介するとともに、運用面での改善点などについて、導入の際のキーパーソンである石沢武彰先生に伺いました。

消化器センター肝胆膵外科 副医長
石沢 武彰 医師

千葉大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院肝胆膵外科に入局。大学病院勤務などを経て、腹腔鏡手術の習得と蛍光ナビゲーション手術の開発のために、パリの医療施設Institut Mutualiste Montsourisに留学。2014年よりがん研有明病院に赴任。医学博士。
蛍光イメージングガイド下手術における世界的トップランナーのひとり。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)とは
CMSは、4Kを含む医療ビデオや静止画、その他の関連文書ファイルなど多様なコンテンツを一元管理できるサーバーシステムです。

CMS 導入の背景
―がん研有明病院が抱える課題とソニーのソリューション

がん研有明病院では、学会発表や教育用途、症例の研究・検証による医療技術の向上、また医療の透明化を目的として、手術映像記録の利活用を積極的に行ってきました。

これまでの運用では、撮影された手術映像は各手術室に設置されたレコーダーに記録され、手術後に担当者がDVDなどの記録メディアにそのデータをコピーし、その後PCを介して診療科別の共用サーバーに保存し直す必要がありました。手術件数が年々増加傾向にある中、この作業にかかる手間と時間は医師のストレスとなり、改善すべき課題と認識されていました。また、情報セキュリティのより一層の向上を図るべく、院内における手術映像の一元管理も強く求められていました。

そんな中、以前よりソニーの医療用モニターを使用し、そのクオリティや画像強調(Image enhance)技術『A.I.M.E』を評価いただいていたことから、ソニーにCMSの提案についてお声掛けいただきました。がん研有明病院では、4K化を含めた将来的な院内アーカイブ環境の拡張を見据えており、提案時に4K対応のコンテンツマネジメントシステムを有していたのはソニーだけだったことが決め手となり、ソニーを採用いただく運びとなりました。

導入システムの概要

がん研有明病院にある20の手術室のうち5室にレコーダーを設置、それらとつながるCMSを導入し、2017年4月より運用がスタートしています。

がん研有明病院 CMS 導入システム概要図

内視鏡などのモダリティや術野カメラの映像信号は、手術室内に設置された3DHDビデオレコーダー「HVO-3300MT」および4K対応レコーダー「HVO-4000MT」への記録と並行し、CMS専用の院内LANを経由して、自動的にCMSサーバーへも保存されます。

CMSサーバーに保存されたデータは、CMS専用の編集室や、手術部内にあるカンファレンスルームで視聴や編集が行われています。さらに、ネットワーク環境がある会議室や講堂などからCMSサーバーにアクセスし、コンテンツを視聴することも可能になり、DVDなどを持ち歩く必要がなくなりました。また、手術室の1室にはルームカメラが設置されており、ライブ映像を通して手術室外から手術の進行状況を確認することもできます。

CMS 導入後の変化について

石沢先生のコメント:
私たちドクターをはじめとした医療スタッフは、手術だけではなく、手術前後の患者さんのケアをはじめ、手術機材の準備や術後の治療方針の決定、またレポートの作成など、多くの仕事に追われています。さらにこれまでは手術映像の録画や管理にも多くの手間がかかり、多忙を極めていました。しかし、CMS導入以降はレコーダーに録画された映像が自動的にCMSサーバーに保存されるので、手術毎に記録メディアを準備したり、記録メディアへの書き込みが完了するのを手術室で待つ必要がなくなりました。手術映像管理に関わる工数の削減は、担当医師のストレスの解消、オペレーションの効率化に大きく寄与していると実感しています。

これまで録画にはSDカードのような小さいメディアを使用することもあり、個人を特定できる情報は削除されているとはいえ、貴重な動画が紛失する可能性がありました。CMSを利用することで、個人情報保護の観点からもリスクが低減すると期待されます。また、記録メディアが増えると、どの手術映像がどのメディアに保存されているのかが分からなくなることがありましたが、CMSでは、手術の日時や診療科などの情報と共にコンテンツを一元管理できるので、欲しい手術映像にすぐアクセスすることができます。術後のカンファレンスや学術発表に向けてコンテンツを簡単に活用ができるようになったのも画期的だと思います。

手術室に設置されているソニー製の4K術野カメラや4Kモニターから見る手術映像のクオリティはとても高く、組織や血管などを鮮明に見ることができます。そのため手術もしやすく、処置も細かいところまで目が行き届くので、術後の感染症防止にもつながっています。また、他の施設から当院を見学に来る医療スタッフからも「こんな映像はこれまで見たことがない」との感想をいただいています。4Kにも対応しているCMSを使ってこのような高画質の手術映像を手術室以外でも活用できることは、研究分野や教育用途などにも極めて有効であると考えています。

今後、当院のドクターをはじめとした医療スタッフがCMSを十分に活用し、さらに病院内の手術映像管理が効率化していくことを期待しています。

2018年3月現在