独立行政法人 労働者健康安全機構 釧路労災病院 様

X線透視内視鏡検査室の
大画面モニターがもたらした
現場の変化
快適かつ集中して検査できる環境を
構築する働き方改革の実践
独立行政法人 労働者健康安全機構
釧路労災病院
中央放射線部 放射線技師
(写真左から)
泉浦 祐子 様 / 木内 陽葉 様 / 主任 寺本 晶 様

釧路労災病院は昭和35年に開設され、地域の医療ニーズに応えながら医療機能の拡充を重ね、発展を続けてきました。現在は391床を有し、急性期医療やがん診療をはじめとした専門性の高い医療を提供しています。広大な北海道道東地域における中核病院として、地域医療を支える重要な役割を担っています。

2025年12月にX線透視装置更新にあわせて、ソニーの医療用55型4K液晶モニター『LMD-XH550MD』を導入しました。これにより検査・治療に関わる医療従事者の身体的負担を軽減し、より正確で効率的な検査・治療を持続的に提供できる環境構築をめざしました。

「快適かつ集中して検査に臨める環境を整備することが、質の高い医療を支える“働き方改革”の実践の一環」として位置づけ、日々の運用現場を担う診療放射線技師の皆さまに、導入の背景や現場での変化について伺いました。

【導入の背景】検査現場が直面していた環境面の課題

私たちが従事するX線透視内視鏡検査室には、釧路近隣だけでなく、根室、さらには羅臼など遠方から、数時間かけて来院される患者さんがいます。胆管や膵管を造影するERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)を中心として、1日当たり約10件の検査や治療を実施しています。難症例や複雑な処置が必要となった場合、1症例で2時間を超えることもあります。

旧装置では長時間にわたり無理な姿勢で、必ずしも鮮明と言えない画像を観察し、ガイドワイヤー操作を行いながら先端位置を繰り返し確認することが、術者にとって集中力を削り、体力の消耗やストレスの原因となり、身体的負担となっていました。これらは検査に従事する看護師やスタッフも同様であり、装置更新の際には、従事者の身体的負荷を軽減し、カテーテル操作に意識を集中できる環境を整備することが求められていました。

当院の検査室面積は決して広いとは言えず、装置更新において大きな制約がありました。
通常、検査台を中心に、内視鏡装置/生体情報モニター/器材台/透視画像を表示する近接操作卓などが配置されますが、術者は限られたスペースの中で内視鏡操作やカテーテル操作を行わなければなりません。術者の視線の動きや身体の位置取りにも制約が多く、さらにサポートするスタッフまでもが、設置機器やケーブルに触れないよう注意しながらの移動が求められていました。

更新前は生体情報/透視画像/撮影画像をそれぞれ別々の小型モニター3台を台車に設置して表示していました。術者は必要な情報を得るため、3台のモニターを頻繁に視線移動する必要がありました。また、これら小型モニターはメーカーや機種が統一されておらず、画像の鮮明度も十分とは言えず、画質にもばらつきがあり、輝度や色味の違いから、見えづらさや判断しづらさにつながる場面も多く、細部を確認する際に従事者が前のめりになり、モニターに体を近づけ、覗き込むような姿勢を取らざるを得ない場面も少なくありませんでした。

【導入後の変化】快適かつ集中して検査できる環境への一歩

天吊りの大画面モニターは小柄な担当者でも力を必要とせず
スムーズな移動がしやすい

大画面モニターの導入により、これまで分散していた小型モニター3台の情報を1画面に集約して分割表示が可能となりました。内視鏡画像、透視画像、生体情報、さらには過去のCT・MRI画像などを同一視野内で確認できるようになったことで、術者の視線移動を抑えることができ、必要な情報を把握しやすくなりました。これまでの課題であった小さなモニターを何度も見返したり、見えづらさを補うために不自然な姿勢を取り続ける必要はなくなり、術者の負担が大幅に軽減され、検査や処置に集中できる環境を整備できたと考えています。

最新X線TV装置が持つ高画質な映像情報は、4K解像度の高精細モニターで余すことなく表示できるようになり、装置と表示系の組み合わせによって全体としての表示画質が大幅に向上しました。細部描写やコントラストは明瞭となり、ガイドワイヤーの先端位置やデバイスの動きをより正確に把握できるようになりました。また、各医療機器から入力される映像信号を均一な条件で表示できるようになったことで、機器ごとの画質差に悩まされることもなくなりました。視認性の大幅な向上は、従事者のストレス軽減に効果が期待されます。

狭い検査室内の空間利用にも大きな変化がありました。従来の床置きの小型モニター台車は設置スペースを必要として、設置場所を移動するたびに電源コードや配線ケーブルの取り回しを気にする必要がありました。今回、大画面モニターを天吊りで設置したことで、床面はすっきりと片付き、準備時に台車を動かす負担や、コードに足を引っ掛けるといったトラブルも解消され、従事者のみならず、検査をサポートするスタッフの心理的負担までもが軽減されました。

モニターの高さや位置を柔軟に調整できるようになったことも大きな改善点です。従来の固定台車ではできなかったポジション調整が可能となり、術者の身長や立ち位置に合わせて最適な視認環境を確保できるようになりました。小柄なスタッフでも軽く手を添えるだけでスムーズに動かすことができ、モニター移動の手間が軽減されました。

このように視認性の向上や限られたスペースでも動線をしっかりと確保することによって従事者の無駄な動きが減り、作業効率が向上しました。より検査に集中できる環境が整い、患者さんにとってより安全で質の高い医療の実践や検査時間の短縮につながればと思います。

【今後に向けて】ストレスが少なく集中して検査できる環境を充実させていく

医療における「タスクシフト・タスクシェア」とは、医師の業務負担を軽減させ、他職種に移管することで、働きやすい環境を構築して、健康確保や労働時間の改善を図り、余裕ある勤務体制から質の高い最適なパフォーマンスを患者に提供することが目的です。

診療放射線技師法の改正により、診療放射線技師が行うことができる業務が拡大されましたが、その行為は限られています。また、全ての病院がシフト・シェアできる人員を十分に確保できているとは言えず、それは当院も同様です。

診療放射線技師が直接的に内視鏡検査の処置そのものに貢献できることは多くはないかもしれませんが、その中で私たち診療放射線技師が貢献できるのは、従事者が無理なく集中して検査に臨める環境を設計し、構築・運用していくことだと考えています。

医療におけるタスクシフト・タスクシェアは、他職種に業務の一部を移管することが中心に注目されていますが、今回の大画面モニター導入のように物理的な環境整備は従事者の検査時間短縮や作業効率化に一定の効果があると考えており、今後も更なる充実を図っていきます。

導入機器の概要

55型4K液晶モニター LMD-XH550MD
HDR信号に対応し、独自のローカルディミング(部分駆動)技術により高輝度・高コントラストを実現した医療用の55型4K液晶モニター

商品情報

※本製品は日本においては医療機器ではありません。

※本ページ内の記事・画像は2026年2月に行った取材を基に作成しています

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