SONY

Vol.1 ずっと思い描いていたカメラ

01 固定概念からの脱却

プロジェクトリーダー 須藤 貴裕
これまでのカメラの常識をすべて疑ってみること

「Eマウントカメラを立ち上げた頃からずっと思い描いてきたのが、このフルサイズです」
須藤の言葉からは、長い構想期間を経てようやく実現したカメラへの自負が伝わってきた。
「ソニーが作るからには中途半端なサイズでは意味がありません。他社に真似できないサイズにすることは必須。しかしフルサイズはシステムそのものが異なり、すべて新規設計しなければなりませんでした。それでも、誰もが驚くサイズに完成させるんだという一心で挑みました」
小型のEマウントに35mmフルサイズの大型イメージセンサーを搭載し、かつ世界最小・最軽量のボディを狙うことは、プロジェクトに関わる者にとって共通の目標だったという。

「世に送り出すからには画質としても最高峰、α99やRX1にも負けないものを目指しました」
と須藤が語るように、今回はより高画素なイメージセンサーや新世代の画像処理エンジンを開発するなど、画質面でも新たなチャレンジをしている。
「やはりお客様がフルサイズの一眼カメラに一番に求めるものは画質です。その期待に応えるためにもα7シリーズは最小のボディで、最高の画質を備えていなければならないのです」

このカメラにかけるソニーの本気度は、5本のFEレンズや専用マウントアダプター、縦位置グリップなど、システムを一気に構築したことからも明らかだ。それを可能にしたのは
「これからのフルサイズ一眼のベースを担えるカメラを作る」という開発者たちの高い志に他ならない。そしてその根底には、カメラの固定概念にとらわれず、A・Eのマウントの枠すら越えて、一眼に新しい価値を生み出そうとするソニーの覚悟がある。この強固な意志なくして、唯一無二のカメラ『α7』は決して生まれなかったといえる。

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02 究極なるリアリズム

画質設計担当 吉田 卓司
これまでのデジタルを超える、新たなデジタル表現は可能なのか

「α7シリーズでは、ソニーの目指す究極のリアリティーに向かって大きく前進しました」
これまでのαからの正統進化という枠に収まらないほど画質は向上したと吉田は語る。大きく貢献しているのは新世代の画像処理エンジン「BIONZ X(ビオンズエックス)」だ。
「αには『目に映るすべてのものをありのままに描写する』という基本理念があります。いかにデジタルを感じさせず、自然に切り取れるかを追求してきました。今回『BIONZ X』を搭載し、回折低減処理やディテールリプロダクション技術などの新技術を導入できたことで、被写体の細部の質感描写を飛躍的に高めることができました」
確かにその緻密(ちみつ)な描写には、画素数だけでは説明できない臨場感がある。さらに回折低減処理については、普段からよく風景を撮るという自らの経験をふまえこう語る。
「風景を撮影していると、もっと絞り込みたいと思うシーンはよくありますが、これまでは回折現象(小絞りぼけ)がネックでした。しかしα7シリーズなら回折低減処理で解像感を損なわず、しっかり絞り込んで撮れる。それだけでも表現の幅はかなり広がるはずです」


解像感を限界まで引き出すために、いまある技術の限界に挑んだ

またα7Rの光学ローパスフィルターレス仕様は最初から決まっていたわけではないという。
「有効約3640万画素という解像度をできるだけ生かしたいという気持ちがある一方で、どこまでモアレや偽色を抑えられるかという課題もあり、簡単には結論がでませんでしたね」
そもそもα7Rの「R」はResolution(解像力)を意味し、限界まで解像感を追求した証である。その名に恥じない画質を本当に提供できるかを開発者は常に問わねばならないのだ。
「最終的にローパスフィルターレスに踏み切れたのは『BIONZ X』とディテールリプロダクション技術の目処が立ったからです。
モアレや偽色を抑えるために信号処理でもチューニングはしていましたが、それでも今回の新技術の導入がなければこの仕様になっていたか分かりません」

さらに、α史上最高の画素数を誇るセンサーについても
「もっと高画素にすることも技術的には可能ですが、ノイズや感度などカメラとしてのトータルなバランスを考慮すると、今の画像処理技術もふまえ現時点では3640万画素がベスト」
と話す吉田は、α7Rはこれまでにない解像感を間違いなく味わえるカメラだと胸をはる。最後に、圧倒的な描写力を誇るα7シリーズならではのもう一つの楽しみ方を教えてくれた。
「この画質の進化は、Aマウントレンズを装着しても実感できると思います。お持ちの方はぜひα7Rやα7で、Aマウントレンズならではの描写をもう一度楽しんでもらいたいですね」

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03 凝縮の美学

メカ設計担当 石川 大輔

「35mmフルサイズセンサーを世界最小・最軽量のボディに収めることに心血を注ぎました」
メカ設計を担当した石川のこの一言は決して大げさではない。イメージセンサーのサイズから最小のボディを逆算し、そこにレリーズ、ダイヤル、バッテリーなどあらゆるパーツが最小の幅、最小の薄さで収まるように設計したという。
「それでも最初にでき上がったボディは現在のものより一回りは大きかったですね。パーツごとにコンマ何ミリという単位で小型化を積み重ね、ようやくこのサイズにたどり着きました」
極限まで研ぎ澄まされたボディは、すべてが当たり前のように収まり品格すら漂う。

しかし、ここまでの小型化を実現していながら、最もこだわったのは操作性だと石川は話す。
「撮る道具である以上、操作性に妥協することはあり得ません。そのため、瞬時に設定変更できる露出ダイヤルや前・後ダイヤルなども一切あきらめることなく搭載しました。ボタンの凸量も従来よりも大きくし、ファインダーをのぞきながらの操作感に配慮しています。前・後ダイヤルは、回しやすいように従来機よりもローレットの溝を少し深くし、トルクに繊細なチューニングを施すなど、その操作性を徹底的に検証し直しました」
メカ設計ならではのこだわりはそれだけに留まらない。
「レリーズも最高級のフィーリングを目指しました。小型化には苦労しましたが、ぎりぎりまで粘った甲斐もあり、これまでのEマウントカメラで採用していた構造を刷新し、Eマウントの最上級機種として相応しいフィーリングに仕上がっています」
ユーザーが触れる部分はとにかく一から徹底的にこだわって作り込んだという。操作性を何ひとつ犠牲にせず、細部の質感にまでこだわった小型化にソニーの凝縮の美学がある。

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04 受け継がれた遺伝子


「本格的な撮影に対応するため、Aマウントで培ってきたノウハウを『α7』にも継承した」
新しいカメラの形を追求して作られた『α7』ではあるが、実際に手に持つとカメラとしての安心感がある。その理由はまさに、石川はこの一言に集約されている。
「たとえば有機ELファインダーや液晶モニターがレンズ光軸のセンターにくるように設計したのも、カメラとして自然な撮影にこだわった仕様のひとつです。やはりファインダーが光軸からずれていると、望遠ズームレンズを装着したときなどに被写体を瞬時にとらえるのが難しい。ファインダーも液晶モニターも光軸センター上にあるのが本来カメラとしては自然です」
実は液晶モニターは、小型最適化と光軸センターへの配置を両立させるのがとても難しいという。だからと言って作り手側の効率を優先せず、あえて困難をいとわない設計をしているのは、レンズ交換式一眼カメラとしての本質をしっかりと見据えてつくられている証ともいえる。

つくり易さで考えてしまえば、選択肢は無限にある

『α7』は縦位置グリップに対応しているが、その実現の裏にもメカ設計らしい気遣いがある。
「縦位置グリップを装着したままでもメディアを交換できるように、メディアスロットの位置をボディ側面に移動させました。しかし単純に側面に移動すると、今度はグリップの厚みが増し、握り心地にも影響してしまう。そこで、極限まで小型化したボディの中で、グリップの最適な凹凸を設計しつつ、グリップと蓋との境界部分の調和にこだわりました」
そうした細やかなこだわりのすべては、あらゆる一眼ユーザーの満足に応えるためだという。
「フルサイズ一眼を望む多くのユーザーは撮影スタイルにもこだわりがあります。そんな一眼ユーザーが違和感なく使えるものでなければ、画質がよくても期待に応えたことになりません」

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05 道具としての価値


細部を作り込まなければ、ステイタスは生み出せない

「α7Rは全身をマグネシウム合金で覆うことで、軽量化と高い剛性の両立に加え、カメラの放熱効果も高めています。またα7は、マグネシウム合金と合わせてフロント部分にエンジニアリングプラスチックを採用していますが、その内部にステンレスのフレームを入れ、強度としてはα7Rと遜色(そんしょく)のないものに仕上げています」
さらにどちらの機種も防塵・防滴設計を採用するなど、Eマウントカメラとしてこれまでにない高い信頼性を実現していると石川は語る。その一方で、細部のパーツにはアルミの削り出しを使うなど高い質感にこだわっているのも特筆すべき点だ。
「持つことのステイタスが感じられるように細部の作り込みをしっかりしているので、ぜひそういった価値を随所に発見しながら使っていただければと思います」
撮る喜びと持つ喜びを同時に満たしてくれることも、このカメラならではの価値だろう。

最後にプロジェクトリーダーの須藤はα7Rとα7の魅力についてこう語った。
「高い機動性を持ったとてもオールマイティーなα7なら、フルサイズ一眼をより気軽に、かつとことん楽しめるはずです。一方でα7Rは徹底的に解像度にこだわったモデルですので、風景を撮る際も自然の美しさにじっくりと向き合えるものに仕上がっています。どちらも、これまで高画質で撮れなかったシチュエーションに、さらに1歩でも2歩でも踏み込んで撮影できるカメラになっています。ぜひα7シリーズならでは、新しい撮影体験を楽しんでください」
圧倒的な高画質と機動性を備えた唯一無二のカメラ。その真の価値をあなたのα7Rとα7で存分に確かめてほしい。

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