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サイバーショットで楽しむ秋

プロがRX1R IIで撮る!
写真家福田健太郎が解説する
紅葉写真の創作風景

もっとキレイに撮りたい、印象的な写真にしたい。そんな気持ちが高まってきたら、作品づくりに挑戦です。でも、いきなり作品づくりと言われても何をすればいいのか分からない…。そんな方のために、風景写真家 福田健太郎さんに普段どのように作品を撮られているか解説してもらいました。

 もちろん撮りかたは人それぞれ。決まった方法はありません。福田さんの撮りかたや発想を参考にしながら、自由な作品づくりを楽しみましょう。(福田さんお聞きした『知っておくとキレイに撮れる紅葉写真の7つのポイント』はこちら!)

風景写真家 福田健太郎 氏

1973年、埼玉県川口市生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、写真家・竹内敏信氏のアシスタントを経てフリーランスの写真家として活動を開始。日本を主なフィールドに、「森は魚を育てる」をキーワードとした生命の循環を見つめ続けている。公益社団法人 日本写真家協会会員

「コンパクトデジタルカメラで、宝探しをするように」

福田:普段から一眼カメラとコンパクトデジタルカメラを使い分けていますが、今回はより身軽に撮れるサイバーショットのRX1R IIで撮影しています。一眼カメラと違ってレンズ交換はできなくても、首からぶら下げながら気軽に素早く撮れるのが魅力。難しく考えるよりも、パッと撮った写真の方が意外と自分の感じたものが素直に出ていることが多いです。フットワークを軽くして、宝探しをするように気になる被写体を探してみるといいと思います。

また、紅葉はやわらかいぼけ表現を生かしやすい被写体です。撮影モードは「A(絞り優先)」モードがおすすめ。表現意図に合わせてF値(絞り)を変更しながら、ピントの合う範囲をコントロールすることが作品づくりのポイントの一つになります。

「テーマは、事前に決めない」

作品づくりをするときに、なにかテーマを決めてから撮るという方もいると思いますが、私の場合はテーマは事前に決めません。フラットな気持ちで出かけ、偶然の出会いや心惹かれるものに出会ったときに、そこからイメージを広げて作品にしています。

そして撮りたいと思ったものに出会ったとき、最初のうちはどこに心が惹かれたのかをじっくり考えてみましょう。ただ「美しい」と思うだけで終わらずに、どんな美しさを感じたのかを突き詰めていく。燃えるような色であったり、美しさの中にひそむ影や寂しさであったり。それを自分なりの言葉や単語に置き換えてみてもいいと思います。そうして、自分のさまざまな感情の動きを写真を通して表現することが作品づくりにつながっていきます。

「少ない色数でより深みを増す紅」

RX1R II シャッター速度1/125秒 F値5.0 -0.3EV ISO250

福田:この写真はお寺の境内で撮ったもので、威厳のあるどこか重々しい世界観を表現してみました。後ろの建物は山門なのですが、三角形の屋根をセンターに持ってくることでバランスをとり、落ち着きのある構図にしています。

実はこの写真のポイントは、カメラに搭載されているピクチャーエフェクトの「トイカメラ」を使っていることです。「トイカメラ」は、画面周辺部の光量を暗く落としてくれるので、その効果を利用して中央の紅葉の色をぐっと強調しました。それにより、お寺の重厚な雰囲気も増しています。

RX1R II シャッター速度1/100秒 F値4.0 -0.3EV ISO200

こちらの写真は、先ほどの場所から一、二歩前に出て撮ったものです。山門を利用して背景全体を暗くすることで、鮮やかなもみじを浮かび上がらせました。白い空をあまり写さず、画面をなるべく少ない色で構成することがこの作品のポイントです。もう一つ、手前の枝があまり主張しないように、絞りをF4にしてぼかしています。そうすると自然と中心のもみじに目がいくようになります。

撮影のポイント

ピクチャーエフェクトの「トイカメラ」で周辺をあえて暗くし、主題を明確に表現

同じ場所でもいろいろなアングルで狙ってみると、全く違うイメージが見つかる

画面を少ない色で構成し、紅葉の赤を際立たせる

「前ぼけでやさしい雰囲気を醸し出す」

RX1R II シャッター速度1/1250秒 F値2.0 ±0EV ISO400

福田:この日はあいにくどんよりとした空模様。しかし空を見上げてみると、キレイに色づいたカエデが空一面に広がっていました。そこで曇り空の「白」と、紅葉の「赤」をシンプルに組み合わせて、華やかさだけではないやさしい雰囲気を表現してみました。写真が醸し出すふんわりとした空気感は、前ぼけによって作り出したものです。

奥の被写体にピントを合わせるときはフレキシブルスポットが便利

前ぼけには、不要なものを隠してくれる効果があります。例えばこの写真では、赤い前ぼけによって黒い枝のシルエットの存在感が緩和されています。前ぼけを取り入れるコツは、F値を小さくして思いっきり明るくすることと、ピントを奥の被写体に合わせること。このピント合わせはカメラ任せのオートフォーカスでは難しく、フォーカスエリアをピンポイントで指定するフレキシブルスポットを使うか、MF(マニュアルフォーカス)で合わせる方法があります。背景ぼけを取り入れた写真はよくありますが、前ぼけも活用できると表現の幅が広がりますよ。

撮影のポイント

やわらかい雰囲気を出すときは、前ぼけを取り入れてみる

前ぼけのコツは、F値をできるだけ小さくして、奥の被写体にピントを合わせる

奥にピントを合わせるときはフレキシブルズポットが便利

「黄金比と玉ぼけで魅せる可憐な椿」

RX1R II シャッター速度1/250秒 F値2.0 -1EV ISO100

福田:街路樹に見つけたのは、秋の終わりから冬にかけて咲く椿。花が乏しくなるこの季節に、ひときわ鮮やかな姿で咲いていました。光が当たっていると可憐な雰囲気を弱まるので、あえて日陰に咲いているものを選んで撮りました。つい花をアップにして写したくなりますが、花の深い色だけで画面を埋めてしまっては少し面白みに欠けるので、きらきらと輝く木漏れ日と組み合わせてみました。

構図は、縦位置でアングルを探りながら、花から光がこぼれ落ちていくイメージを表現しています。さらに全体のバランスをとるため黄金比を意識し、花の向きに合わせて左上に配置しました。

もう一つのポイントは開放F値で、地面にきらめく木漏れ日を玉ぼけで表現していること。明と暗を対比させながら、主役の椿を引き立てています。

撮影のポイント

可憐な雰囲気を損なわないように、あえて日陰に咲いているものを撮影

全体のバランスをとるため黄金比を意識して主題の位置を決定

背景の木漏れ日を玉ぼけで表現し、明と暗を対比

「静謐な渓流の残りもみじ」

RX1R II シャッター速度5秒 F値11 ±0EV ISO100

福田:まだ太陽が上がる前、朝方の弱い光の中で渓流の残りもみじを撮影したものです。全体的に青みを帯びた風景は、どこか物悲しく寂しさを誘います。構図としては、周りに暗い幹を持ってくることで、真ん中の明るい紅葉に自然と視線が集まるように誘導しています。また、距離の異なるものを手前に配置することで、奥行きのある風景を表現できます。

だいぶ薄暗かったので、今回は三脚を使用しています。絞りをF11にすることで、手前から奥まで細密な風景をシャープに切り取りました。さらにポイントとなるのが、川面の表現。5秒のスローシャッターで撮影することで、水面をなめらかにし、水の音を感じさせないイメージを作り上げました。そうすることで、静寂な雰囲気が強調され、紅葉や周囲の木々、苔蒸した岩などが際立ってきます。スローシャッターは、実際の目では見えない世界を表現できるのでぜひ活用してみましょう。また、渓流は湿度が高く、空気が潤っているので紅葉の色がとてもきれいです。作品づくりにはおすすめのシチュエーションです。

撮影のポイント

両サイドの手前に幹を入れることで、中央に視線を集め、奥行き感を演出

F11まで絞り、三脚を使用することで細部までシャープに描写

5秒のスローシャッターで水面をなめらかに表現し、静寂な雰囲気を表現

写真家 福田健太郎さんの作品づくりはいかがだったでしょうか。あなたも参考にしながら、美しい紅葉を作品に残してみませんか。

紅葉撮影におすすめのカメラ&アクセサリー

紅葉の名所は、山の中や広い庭園などが多く、フットワークを軽くして見て回りたいもの。特にハイキングをしながら撮影するとなると、荷物は最小限に抑えたいところです。そこで、コンパクトでありながら紅葉撮影を存分に楽しめるカメラや、忘れずに持っていきたいアクセサリーをご紹介します。

絶景を最高の画質で残すならこちら

有効約4240万画素の35mmフルサイズセンサーを搭載。小型でありながら一眼カメラに負けない描写力を備え、紅葉の作品づくりにこだわりたい人におすすめです。

デジタルスチルカメラ

DSC-RX1RM2

商品情報

遠くの紅葉も美しく撮りたい方におすすめ

広角24mmから超望遠600mmまでカバーしているので、遠くの紅葉を引き寄せたり、ぼけ表現を取り入れたりと、さまざまな紅葉写真をこれ一台で楽しめます。

デジタルスチルカメラ

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ポケットに入れて紅葉散策のお供に最適

できるだけ荷物を軽くしたいけど、写真は高画質で撮りたい方におすすめ。重さは約300gと軽く、ポケットにも入るサイズで美しい紅葉写真を気軽に撮れます。

デジタルスチルカメラ

DSC-RX100M5

商品情報

約30cmまで折りたためて
持ち運びも簡単

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三脚

VCT-P300

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余計な光の反射をおさえて
色鮮やかに写せるPLフィルター

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RX1R II用:VF-49CPAM(49mm径)
RX10 III用:VF-72CPAM(72mm径)

円偏光フィルター

商品情報

高画質で気兼ねなく撮れる大容量 SDカード

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SDカード

SF-32UX2

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バッテリー残量を気にせず楽しむために予備バッテリーも忘れずに

[RX1シリーズ/ RX100シリーズ/
HXシリーズ/WXシリーズ向け]
リチャージャブルバッテリーパック

NP-BX1

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[RX10シリーズ向け]
リチャージャブルバッテリーパック

NP-FW50

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[Wシリーズ向け]
リチャージャブルバッテリーパック

NP-BN1

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