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クリエーターが語る大判カメラで撮るブライダルビデオの魅力

  • 株式会社 ポイントゼロ 田村 洋介 [カメラマン]
  • ブライダルビデオブランド「cEE(シー)」
ブライダルビデオブランド「cEE(シー)」
【サンプルムービー】撮影:ポイントゼロ 田村 洋介/カメラ:NXCAMカムコーダー NEX-FS100J

「記録」として残すための映像資料ではなく、「記憶」に残るような映像作品を提供したい。これがブライダルビデオブランド「cEE」の原点です。


インタビュアー:渡辺博人

渡辺:
「cEE(シー)」というのは、いつ、どんな目的で設立されたブライダルビデオブランドなのでしょう。
田村:
会社ができたのは2005年ですが、設立の主旨は非常にシンプルなもので、それまでのブライダルビデオとは一線を画した、きれいで、魅力的で、楽しいものをお客様に提供したいということで、この主旨に賛同したメンバーが集まってできたブランドです。当初は、式場や披露宴会場とのコネクションもありませんから、知人や友人のブライダルビデオ制作から細々とスタートしました。その後、Webサイトを設けて作品サンプルなどを載せていくと、それを見た新郎新婦からの申し込みや、新規の式場・会場、あるいはウェディングプロデュース会社などからビデオ制作の契約なども入るようになり、現在に至ります。文字通り、商品本位のブランドです。
渡辺:
従来のブライダルビデオとは一線を画した商品の魅力とは、具体的にはどんなものですか。
田村:
まず、画のクオリティーです。ブライダルビデオ業界というのは、現在でもそうなのですが、SDで画角も4:3のカメラを使用しているところがまだあるなど、テクノロジーでは旧態依然としたところがあります。しかし、弊社はつねに最新のテクノロジーによる画質やトーンを追求しました。フルHDであることはもちろん、フレームレートも24pとか30pで記録し、ガンマや色についても細かな設定をして、シネマライクなトーンなど独特の表現を追求しました。こうしたクオリティーとトーンの追求は、現在もHDVカムコーダーHVR-Z5Jなどを使うことで継承しています。弊社のもう一つの特長が、プロのクリエイターにしかできない表現、テクニック、技術をフルに活用することで、その代表的なものが大判カメラを使った映像表現になります。具体的には、当時プロモーションビデオの撮影などに使われ始めていたデジタル一眼カメラの動画機能を使って、よりイメージ性の強い映像を提供することで大変好評を得ました。

渡辺:
大判カメラで撮る映像が好評な理由とは、やはり被写体が主役になれる、被写界深度の浅い画ということでしょうか。
田村:
そうですね。よくブライダルビデオは一度見たら、二度と見る気はしない、とか言われますよね。何故かと考えれば、それは映像がきれいではなく、単調であることが大きな要素になっているのではないかと思います。その点、大判カメラと交換レンズの組み合わせは、多彩なアングルで映像を楽しむことができますし、被写界深度が浅い、周囲の美しいボケ味の映像は、まるで自分が映画の主人公になったような気分にさせてくれます。
大きいのは、レンズ交換ができることで、ブライダルは進行していて、絶対におさえないといけないところもありますけど、ゆっくり撮れるところもあるんですね。メイクの準備をしているところとか、挙式のリハーサルだったり、そういうシーンは単焦点のレンズを使って、きれいに新婦さんを撮ってあげるとか、進行が続く部分はズームレンズを使って、きっちりおさえるとか、ポジションに制限があったとしても画を創ることができるようなものに換えたりですね。そういう使い分けが要は表現の幅になるんです。

田村:
また、「友達に撮ってもらうから」という方に対しての差別化という意味でも、実際、これまでやっていて、大判の画が嫌いだという人は、一人もいませんし「すごいですね。」というサプライズがあるので、現状では確実に喜んでもらえる方法になっていると思います。こういう画はハンディカムでは絶対に撮れませんから。まあデジタル一眼で撮るにしても、普通の人では、まともには撮れないですよね(笑)。
きれいに大判で撮ってあげられるということは、すごい武器になります。弊社のWebサイトを見て申し込まれる方は、ほとんどが大判カメラで撮った映像サンプルを見て、「こういう風に撮ってもらいたいんです。」と希望されます。
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「記録」だけでなく、「高い作品性」も求められている。ユーザーのニーズの変化は確実に起こっている

渡辺:
日本のブライダルビデオは、すべての祝辞・スピーチを収録するといった、いわゆる「記録すること」が主に求められきていましたが、やはり、そうしたニーズに変化は表れているのでしょうか。
田村:
最近の結婚式は主導者が両親ではなく新郎新婦である場合が多く、大きなニーズの変化を見ることができます。弊社のWebサイトを見て申し込まれるお客様のほとんどがそうなのですが、トーンや撮り方にもこだわりがあります。
これはミュージッククリップやプロモーションビデオ、あるいはYouTubeなどを通して映像に触れる機会が圧倒的に増えていて、独特の感性を養っている世代だからこその変化です。つい最近のことですが、カメラは大判で、レンズは何ミリと何ミリの単焦点レンズと、そこまで決めたオーダーが入ったこともあります(笑)。写真よりビデオ、しかも大判カメラのきれいな映像ということで、アメリカなど海外に近いニーズが増えていることは間違いありません。

田村:
また、大判カメラを使うということも一つの手法ではあるのですが、たとえば、スピーチをする人を撮るとき、ずっとその人の画だけを撮り続けるのが記録だとしますと、私たちはスピーチする人の映像から、その人と新郎新婦の画、あるいはスピーチの音声だけを流しつつ列席者の表情を追うといった撮り方をします。これにより、単なる記録で飽きてしまう映像から、何度でも見ることができる作品性を持たせることができます。また、ケーキ入刀、乾杯などイベントごとに、必ずベストポジションがあります。もちろん列席者の邪魔にならないように配慮しつつも、つねにそうしたベストポジションを追求して撮るのも弊社の特長です。
つまり、私たちは決して記録の要素や要望を否定しているわけではなく、必要な映像は記録としてしっかりと残します。しかし、その撮り方にプロフェッショナルならではの工夫やテクニックを施すことにより、記録と作品性を両立するようにしています。
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大判センサーを搭載した"ビデオカメラ"を待っていました。

渡辺:
2011年に、ソニーから大判イメージセンサーを搭載し、レンズ交換が可能なNXCAMカムコーダーNEX-FS100Jが発表になったとき、ポイントゼロあるいは田村さん個人的にはどのように受け止められたのですか。
田村:
大判センサーを搭載したカムコーダーというのは、個人的にも、あるいは弊社にとっても待ち望んでいたカメラでしたので。非常に大きな期待感を持ちました。
渡辺:
NEX-FS100Jを実際のブライダル撮影に使って使い勝手や性能、機能などについてどんな印象を持たれましたか。

田村:
まず、これまで使っていたHVR-Z5Jと比べると、ビューファーとグリップの位置関係など、形状が違うので、当初かなり違和感を感じました。正直に言いますと、これは使う人のことをあまり考えていないのではないか、、、と。しかし、グリップを回転させて縦グリップにすると、ホールド性が良くなり、印象が大きく変わりました。光軸とビューファーがストレートな位置関係にあるのが意外と良くて、パンする際にレンズ、ビューファー、自分の体が一直線に並び、体を中心に回すことができるのは結構気持ちいいです。
また画質については、申し分のないクオリティーの高さを実感します。このクラスのビデオカメラとしてはダントツのクオリティーだと思います。今回Webサイトに上がっているムービーの収録では、24mm-105mm F4LのEFレンズを、メタボーンズ製のEF−Eマウント変換アダプターを使って、使用しましたが、被写界深度の浅い、きれいなボケ味が出ていますし、暗部の階調もよく再現されていると思います。
渡辺:
NEX-FS100Jのデジタル一眼にはない特長として、動画専用のビデオカメラなので、当たり前と言えば当たり前ですが、動画専用センサーによる高感度・高解像度、バックアップ記録、ピクチャープロファイル、スローモーション、キャノン端子などの機能があり、この辺は他のカメラマンの方からも非常に高い評価をお聞きするのですが、ブライダル撮影用としてはいかがでしたか。

田村:
デジタル一眼の使い勝手の限界はご指摘の通りです。おっしゃるように音声が別撮りになってしまうのはもちろんですが、何よりもブライダルではバックアップが取れないのが最大の難点で、進行のある挙式や披露宴のような場所での撮影に1台で使うのは難しいです。したがって時間に余裕があり、ある程度の演出が可能な挙式リハーサル中や待合室などで、新郎新婦を中心とした撮影に使用し、その映像を主にダイジェスト版などに使っています。
高感度・高解像度はブライダル撮影でも非常に有効です。照明をたくと場の雰囲気が完全に壊れますので、まず照明を点けたくないですし、挙式、披露宴ともにキャンドルサービスをはじめ、暗さを利用した演出、イベントが多くあります。こうした場面でも照明無しで撮影できることでその雰囲気を壊すことなく撮影できます。もっと暗いシーンではゲインアップしますが、ISO6400ぐらいでもノイズが非常に少なくきれいな画で撮影することができるのは驚きですね。
また、ピクチャープロファイルについては、HVR-Z5Jで撮っている時もかなりいじっているので、同じように使えることはノウハウも活用できていいですね。撮影時に追い込んでおくと、編集時の後処理が楽になります。
渡辺:
スロー&クイックモーション機能、特にスローモーションは、ただ歩いているシーンであっても、スローだと花嫁さんとか喜ぶといいますよね。刻印効果のある映像ということで、ブライダル撮影では威力を発揮すると思うのですが、どうでしょうか。
田村:
スローモーションはブライダル撮影に極めて有効であることは間違いありません。フラワーシャワーや指輪交換など、スローモーションが生きるシーンやイベントがたくさんあります。ベールアップなんかも、スローで撮ると、表情がすごく良かったりするのでいいですよね。その映像にBGMを加えれば、より感動的で、きれいなシーン、それこそ記憶に残したい映像にすることができます。
あと、スローモーション機能とは別ですが、このカメラは60Pの記録モードがあるので、ノンリニア編集で120コマ/秒まであげても見られる範囲なのかなと思います。そうすると30P完パケで4倍のスローになりますから、その辺りも魅力だと思います。

渡辺:
画のトーンとかはどうでしょうか。
田村:
画のトーンは両者で異なると思います。デジタル一眼がフィルム以上にこってりしているのに対して、FS100Jはどちらかというとフラットな感じですね。これは優劣ではなく、最終的には好みの問題だと思います。私自身はデジタル一眼のこってりしたトーンも好きなのですが、その代わり暗部がつぶれてしまったりするので、編集時に画をさわるのであればFS100Jの方がいいです。 フル35mmならではのボケ味がデジタル一眼にはあります。ただブライダルに関してはボケ過ぎても困る所があるので、Super35mmぐらいがちょうどいいのかなとも思います。あまりピンが難しくなっても意味がないというか、とっさの時にもビシッと撮れた方がいいですからね。まあ、画については本当に好みでしょうね。
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とにかくきれいに撮ってあげたいとか、楽しそうなところを撮ってあげたいという思いに応えられるカメラ

渡辺:
最後にブライダル撮影で田村さんが心がけていることや、その中でのFS100Jについてお聞かせいただけますか。

田村:
これは個人的な意見かもしれませんが、撮影の時に常に心がけているのは、新郎新婦はもちろん、ご両親やご友人といった列席者の方々を表情豊かに撮るということです。人物の喜怒哀楽の表情が豊かで、何気なく見ていると 新郎新婦も気づかない様な、小さな出来事を探し表現できれば、何度見ても飽きない、あるいはいつでも感動の追体験ができると考えるからです。やはり、お二人が、きれいに撮れるのが理想的だと思うんですね。きれいに撮るということは、画質とか画がきれいということにつながっていくと思います。そういった部分でもNEX-FS100J はきれいに、より人の表情に迫った画が撮れます。
イベントが起こっているところはもちろんですが、何気なく人がしゃべっているところとか、単純に笑顔のところなんかも画としてきれいなシーンがすごくあってそこに一番気をつかって撮っているので、その辺を見てもらうとこのカメラの良さを感じ取ってもらえるのではないでしょうか。それと新郎新婦はもちろんですが、とにかく人の感情が出ている画が見ていてもきれいだし、おもしろいと思うんですよ。そのように撮りながら考えていますので、大判カメラだと本当に写真が動いているというか、人の表情も伝わりやすい気がします。
自分が撮影をしている最中は、何年か経った後でも、良い一日だったなと思い返して頂けるきっかけになる様に撮影するという思いですね。

田村:
このような撮り方でこのカメラは一つ一つの画のクオリティーというか、雰囲気が凄く良く撮れると思います。その意味では、登場する人物が楽しそうだったり、感動していたり、嬉し泣きしていたり、そうした表情が豊かに映し出されていると感じていただけたら、それこそが、このカメラの成果と言ってもよいのではないでしょうか。
渡辺:
今日は非常に興味深く、また楽しいお話をありがとうございました。今後のポイントゼロ、そして田村さんのますますのご活躍を期待しています。
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