コミュニケーションは人間の社会生活の根底にあるものです。人間は、知性とともに豊かな心の世界を持っており、お互いに心を通わせながら社会生活を営んでいます。この、心と心の触れあいを支えているのがコミュニケーションです。人と人はコミュニケーションによって、意志や感情を伝えあい、相互に理解を深め、心を通わせることができます。家族・恋人・友人をはじめとする、さまざまな人と人との結びつき（人間関係）も、すべてコミュニケーションあってのものなのです。

　同じことが、人間とロボットの関係にもいえます。家庭の中に入って、人間と暮らすエンターテインメントロボットには、人間が伝えたいことを理解するとともに、自分から人に伝えたいことを表現する、コミュニケーション機能が必要です。AIBOは自律行動をするロボットですが、それに加えて、自分の意志・欲求・感情などを表現し、人に伝えることができるからこそ、人間同士の心の通いあいに近い、自然で豊かなコミュニケーションが可能になります。そして、そこに感動が生まれるのです。このようなコミュニケーションから生まれる感動こそが、AIBOに冠された「エンターテインメント」の意味であり、人間の「相棒」になるようにとの想いを込めて「AIBO」を名づけられた所以（ゆえん）でもあるのです。

　人間とロボットの究極のコミュニケーションは、人間同士のコミュニケーションと同じように、音声による自然な会話が実現されることだといわれています。その実現を目指して、ロボット工学の分野では研究が進んでいます。人間が伝えようとしていることを理解する能力として、AIBOは音声による限られた単語を理解することができます。また、ERS-7ではビジュアルパターン認識により、AIBOカードの内容を理解することが可能になりました。

　しかし、人間は言葉だけでコミュニケーションをしているわけではありません。手で触れたり、しぐさや表情による、ノンバーバル（言語を用いない）な意志の伝達もコミュニケーションの重要な手段のひとつです。実際、AIBOに対しては「触れる」という行為がコミュニケーションの手段のひとつになっています。触れあうこと自体が、AIBOとのコミュニケーションなのです。また、AIBOからは、ボディランゲージや光（LED）を使ってコミュニケーションを行うことができます。言葉ですべてをいい表すのではなく、しぐさや表情を使うことで、自分の意志や感情を伝えることができるのです。

※AIBOの機種やAIBO-wareによって実現できることが異なります。詳しくは、カタログや取扱説明者でご確認ください。