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尾山一文 / 飯島祐子 7.AIBOは人と人をつなぐロボット 開発者インタビュー
話し手 尾山一文 Kazufumi Oyama / 飯島祐子 Yuko Iijima

AIBOアイズとAIBOフォトアルバムの設計・開発を担当

 

――「AIBOアイズ」は2003年の5月にERS-200シリーズ用AIBO-wareとして最初に登場し、今度のERS-7では標準で搭載された機能ですね。そもそも、AIBOアイズが生まれた理由とは?
尾山 AIBOアイズが生まれた背景には、ADSLを中心とするブロードバンドの普及があります。高速なインターネット常時接続環境が家庭に普及したことが第一です。また、ADSLなどのブロードバンドネットワークと家庭内のホームネットワークをつなげるネットワーク機器にワイヤレスLAN対応の製品が増えてきた。それによって、家庭の中にワイヤレスLANのアクセスポイントが出現しインフラが整った。そこで、こうした環境の中でAIBOの新しい楽しみ方を提案できないかと考えました。また、その頃からカメラ付きの携帯電話が普及して、電子メールで写真を送るのが流行しだしたこともあります。そのことをヒントに受けてAIBOアイズを開発しました。個人的には、同じ頃に子供が生まれたので、AIBOが自宅の子供の様子を観察してくれたら楽しいな、ということが大きな動機になりました。

――AIBOアイズは、AIBOとネットワークがつながることで、新しい領域を切り拓いたものですが、開発にあたって配慮したのはどんな点ですか。
尾山 一番に配慮したのは「生活の中で本当に使えるもの」を作るという点です。また、地味なテーマですが、設定も含めてできる限り簡単に使えるようにということも追求しました。AIBOアイズは、写真を撮ってメールで送信する「写真撮影」機能や、メールをチェックしてメッセージを再生してくれる「伝言再生」の機能を備えています。これは、生活のパートナーとしてのAIBOという部分を大事にしたいと思ったところから生まれた、楽しくて便利な機能です。また、一日中動作し続けることを前提に設計された機能はAIBOアイズがはじめてなんです。ERS-7は、エナジーステーションに乗っているときに、モーターに負荷をかけない設計になっています。そういった基本設計の部分の進化もあって、24時間起動に対応したAIBOアイズが実現できたといえます。

AIBOアイズの写真撮影

――家庭でブロードバンドを導入していても、パソコンを24時間起動している人は少ないですから、AIBOがメールチェックをしてくれるのは便利ですね。
尾山 AIBO EYESメール設定画面はい。使用するメールアドレスは自由に設定できますが、オーナーの方が普段使っているメールアドレスを登録することを念頭に置いています。AIBOに「メールチェック」と話しかけるだけで、登録したメールアドレスをチェックして、「メールが届いています」という具合に音声で教えてくれます。メールが来ていたことをAIBOが教えてくれた後で、実際にパソコンを起動してメールを受信すればいいので快適だし、AIBOも頑張って仕事をしているようで、いじらしいじゃないですか(笑)。

――AIBOアイズの他には、何かネットワークを使った機能がありますか?
飯島 「フォトアルバム」という機能がつきました。これはAIBOが撮影した写真を、Webブラウザを使って見ることができる機能です。いままでは、AIBOが撮った写真を見るには、いったんAIBOを終了して、撮影した写真のデータを“メモリーステック”に保存してから、それをパソコンに転送してはじめて見ることができたんですが、ERS-7では家庭に無線LANの環境があれば、Webブラウザを使って、撮ったその場で写真が見られます。

――ワイヤレスLANのネットワーク経由で写真を見るということで、開発で苦労した点などはありますか。
飯島 AIBOフォトアルバム苦労というのは特にないんですが、AIBOアイズと同様に、日常的にAIBOがそばにいて、ふと写真を撮ってくれる。そんな楽しい行為を無理なく実現するために、できる限り簡単に使えるようにと考えました。たとえば、Webブラウザに対応したことで、Windowsパソコンだけでなく、Macintoshでも写真を見ることが可能です。Webブラウザを使ってフォトアルバムの画面にアクセスすると、“メモリーステック”に保存されている20枚と、AIBOのメモリ上にある最新の1枚のどちらかを選択して見ることができます。先ほど話に出ていたようなメールで写真を送る場合は、パケット代が気になるので、データサイズを縮小して送信するようになっているのですが、フォトアルバムではホームネットワークの中で使用するので、オリジナルの画質でそのまま見られるようになっています。

――今回のAIBOアイズで、AIBOとネットワークが融合したことで、いろいろな可能性が見えてきたと思います。将来、こんなことが実現できたら面白いという「夢」などはありますか。
尾山 AIBOにはいろいろなセンサーがついていて、それを使って情報を取得することで自律行動をしています。ワイヤレスLANを経由してインターネットに接続できるようになったことで、その情報取得能力がさらに拡張して、いろいろなサーバーをセンシングする能力を身につけたといえるかも知れません。可能性として考えられるのは、AIBOがWebサーバーにアクセスして、そこにあるコンテンツを取ってきて何かをするというものですね。たとえば、「今日の天気は?」とたずねると、インターネットに情報を取りに行ってAIBOがしゃべって教えてくれたら楽しいですよね。そういう、情報の仲介役というか、音声で入出力できる、エージェントのような存在になって行く可能性はあると思います。他には、ホームネットワークにつながっている情報家電のコントロールをAIBOがやってくれるとか。よく「コクーンの録画をAIBOがやってくれたら便利だね」といわれるんですが、そういう部分でもいろいろな可能性を追及して行きたいと思います。


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