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“ロケフリ Home HD”「LF-W1HD」開発スタッフインタビューロケフリ Home HD”「LF-W1HD」開発スタッフインタビュー
ロケフリ Home HD”「LF-W1HD」開発スタッフインタビューロケフリ Home HD”「LF-W1HD」開発スタッフインタビュー

安定した映像を送受信する
6本のアンテナを搭載した、セクターアンテナ
森   「LF-W1HD」は接続や設定を簡単にすることと同時に、ワイヤレスでのデータ通信の安定性も向上しています。せっかく接続がシンプルで簡単に繋げても、肝心の映像が途切れてしまうと、話になりませんからね。今まで2本だったワイヤレスアンテナを6本に増やし、1本のアンテナが受け持つエリアを細分化しています。その上で使用環境にあわせて、本体が最適な1本のアンテナを自動選択する仕組みを設けています。こうすることでより高品質な映像で通信することができるようになりました。
森   アンテナが2本だったときは、前面のアンテナもしくは背面のアンテナのどちらからかデータを送信していたという感じなのですが、アンテナ1本あたりがほぼ半球面のエリアをカバーしているため妨害を受けてしまうと極端にデータの飛びが悪くなってしまうことがありました。ですが6本のアンテナであれば、妨害を受けていないアンテナの選択のバリエーションが大幅にUPします。これが安定性の向上に繋がっています。

森   ただ電波は目に見えるわけではないので、お客様にしてみれば、その変化を直感しづらいかもしれません。そこでイベントなどの展示場用に、選択されたアンテナの動作が分かるようなLEDを搭載した基盤を特別に作り、お見せしたりもしました(笑)。これを見ていただけた方であれば、妨害を受けたときアンテナがスムーズに切り替わる様子がお分かりいただけたと思います。今まで電子レンジなどを使うと映像が乱れていたという方は、今回の製品をぜひ試していただきたいですね。お使いいただくことでその違いがお分かりいただけると思います。
滝田   いままでの製品では通信エリアがもう少し広くならないの?というご指摘を受けました。そういったご指摘の中で、製品の配置や向きといったものを最適化するだけで通信可能エリアが広がるケースがありました。これは家の中で反射しながら伝わる様々な無線の通り道の中から最適なものを選ぶということなのですが、今回は製品自体がこの最適な通り道を自動的に選択できるようになっています。
森   目に見えない無線を家庭内で高品質に安定化させることは我々エンジニアが常に頭を悩まし、取り組んでいる課題です。いかに妨害を受けずに通信させるか、いかに壁や金属物を避けるような通信を実現させるか。これは単に無線機のパワーを上げればいいという単純な問題でもないのです。そんな中で我々がたどり着いた解は、複数のアンテナを用いることで空間的に通信のマイナス要因を排除してしまうというものなのです。
法月   データの送受信で言うと、ワイヤレスでハイビジョン映像を送るということも、今回のテーマのひとつでした。無線LANの帯域というのは決まっているので、どうやったら有効にデータを送ることができるか、というのも難しかったところですね。

森   今回は「MEPG4 AVC」というデータ圧縮技術を採用しています。最大10Mbpsでデータを送ることができるものなんですが、実はハイビジョン映像だと10Mbpsをワイヤレスで確保しなければならない。そこが一番難しかったですね。今までだったら3〜4Mbpsもあればとりあえず送れていましたから。
滝田   実はこの「LF-W1HD」は、開発がスタートしてから完成するまで約6ヶ月。このスピードは社内でもあまりないのですが(笑)、データの送受信の核となる、センターアンテナのアルゴリズムだけは開発に1年ぐらいかけています。

森   どうやって最適なアンテナを自動で選ばせるかというのは、センターアンテナの中で一番重要であり、特に難しかった部分ですね。このアルゴリズムはうちのスタッフのひとりが、これだけに集中して作ったものなんです。このアルゴリズムがなければ、「LF-W1HD」は完成してない。逆にこれがあるからこそ、ハイビジョン映像を安定したレートで送受信することができているんです。
滝田   6本のセクターアンテナとアルゴリズムが実現したことで、設置環境によりますが家の中であれば約30m、縦方向も1階と2階と階をまたいでも問題なくハイビジョン映像を転送することができます。

森   通信の評価は出来るだけ家屋環境を再現できるようにいつも意識しています。六本木にあるモデルハウスを何日も貸しきり、繰り返し、色々な条件について評価を行っています。2世帯住宅のモデルハウスは欧米の家屋と比較しても遜色のない大きさです。現状、そのモデルハウスのほとんどのエリアで安定した通信を実現しています。
森   評価の方法も多岐にわたっていて、電子レンジを持ち込んだり、メンバーが廊下を歩いたり、それこそいろんなことを仮定して不安定な状態はないかを細かくチェックしています。本製品は全てあわせると7つの周波数チャンネルが使用できるのですが、評価項目は常に7倍になるわけです。でもそこまで評価することで我々も自信を深めることができています。
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