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映画制作「ホノカアボーイ」(真田 敦監督作品)製作:株式会社 フジテレビジョン、株式会社 電通、株式会社 ロボット
デジタルシネマカメラF35で全編24p/S-Log/RGB 4:4:4で撮影された話題作公開
  映画制作「ホノカアボーイ」(真田 敦監督作品)
デジタルシネマカメラF35を使い、全編24p/S-Log/RGB4:4:4で撮影された話題の映画「ホノカアボーイ」(原作・吉田玲雄、監督・真田 敦、撮影・市橋織江、出演・岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、蒼井優、深津絵里、松坂慶子、ほか)が、全国東宝系で公開されました。
この映画の制作に携わった、撮影監督 市橋織江様、株式会社 ロボット プロデューサー 黒木敬士様、ソニーPCL株式会社 クリエイティブ事業部 コンテンツクリエイション部 チーフHDスペシャリスト/D.I.T 高橋善弥様、同社 デジタルプロダクション事業部 ポストプロダクション部 CM技術課担当課長/カラーリスト 石原泰隆様、同社 開発本部 デジタルシネマ事業推進部 営業課 デジタルプロダクツコーディネーター 稲葉正広様に、デジタルシネマカメラF35採用の狙いと、実際の撮影で威力を発揮したF35の性能・機能、また今後の映画制作におけるF35の可能性などを伺いました。

映画『ホノカアボーイ』公式サイトはこちら
http://www.honokaa-boy.jp/
ハワイ島ホノカアという撮影環境を考慮して、デジタルシネマカメラF35を使いS-Log撮影することに決定

市橋映画「ホノカアボーイ」は、ハワイ島の小さな町ホノカアの映画館で働くレオ(岡田将生)が、イタズラと料理が大好きなビー(倍賞千恵子)を中心とした風変わりな町の人々と出会い、人との触れ合いや別れを通じて成長する姿を描いています。

黒木当初、この作品はフィルム撮影する予定でした。全編を通して舞台となるのがハワイ島のホノカアで、その美しい自然と、人と人との触れ合いを描いた叙情的な作品ですから、フィルム撮影の方が合っているだろうと考えたのです。ですが、ハワイの現地にはフィルム現像所がなく、東京やロサンゼルスに送って現像するという方法もありますが、それも現実的ではありません。そこで、デジタルシネマカメラF35によるデジタル撮影に切り換えることにしました。

稲葉F35であればシネレンズがそのまま使えますし、S-Logで撮影することでフィルムと同等のラチチュードを確保でき、フィルム撮影と同様のワークフローが可能です。また、後処理の幅が広いですから、表現については、技術的にも問題なく協力できるだろうと考えました。

黒木撮影スタッフには迷惑をかけたかもしれないですが、結果的にこの選択は正解だったと思っています。真田監督にとっては、現場ですぐにプレビューできるデジタル撮影は非常に有効でしたし、2008年10月に撮影を開始して2009年3月に公開という短期間で仕上げることができたのもデジタル撮影のおかげだと思っています。もちろん、作品としてもフィルム撮影で狙っていたトーンや質感がよく表現できていると思います。

映画「ホノカアボ−イ」より

映画「ホノカアボ−イ」より

F35の高性能とS-Logの広ダイナミックレンジでストレスなく撮影、フィルムカメラと同様のワークフローが可能な点も大きな魅力

市橋 デジタル撮影の経験はありますが、F35を使った撮影は初めての経験でした。テストも1回だけ、しかも簡単にしかできなかったということもあり、正直言って最初は戸惑いや不安がありました。ですが、一緒に現地に行ったスペシャリストの方々の協力を得ながら撮影を開始しました。周囲の仲間からは「F35を使えるなんて幸運だよ」と言われました。

画や色、トーンについては、当初のフィルム撮影を前提としたイメージを基本にしました。真田監督からの注文は、“なんとなく気持ちのいい海外”ということで、とにかく日本ではない、ハワイらしい空気感や表現をしてほしいというものでした。その点F35は、使い慣れたシネレンズをそのまま使えるので、画づくりやボケ味などの表現で苦労することはまったくありませんでした。使い勝手もよかったですね。

S-Logで撮影することで、フィルムとほぼ同等のラチチュード、ワークフローを確保できる点も魅力でした。ホノカアの町は、天気がすぐに変わってしまうようなところで、刻々と変化する海や空の色や風情を、限られた時間の中で撮影する上では非常に有効だったと思います。また、ホノカアの夜景撮影では、F35によるS-Log撮影の魅力を特に感じました。近くの山頂に天文台が設置されていることもあって、夜のホノカアは本当に暗くなります。フィルム撮影だったら、かなり大がかりな照明が必要になったと思いますが、今回はそのまま特に何もせず町の街頭だけでに撮影できました。F35のS-Log撮影は、かなり幅の広い階調表現が可能で、暗部のディティールについても非常に優れていると実感しました。

映画「ホノカアボ−イ」より

F35と使い慣れたシネレンズの活用で、“なんとなく気持ちのいい海外”を意識した、ハワイらしい空気感を表現。

S-Log撮影により、編集やカラーグレーディングなどの後処理・後工程における表現の幅が大きく拡大
  映画「ホノカアボ−イ」より
  撮影は、SRW-1をベース側に置いたセパレートスタイルで運用。

高橋撮影は、SRW-1をベース側に置いたセパレートスタイルが主流でした。撮影チーフ、照明監督、D.I.T.(デジタル・イメージング・テクニシャン)がモニタリングしながらバランスをとっていくスタイルです。S-Logの映像と709変換した映像の両方をモニターに出して、どこまでのレンジが入っているか、通常の階調だとどうなるかなど確認しながら撮影を進めました。撮影チーフ、照明監督ともに、S-Logのラチチュードはフィルムとほぼ同等だと高く評価していましたね。

もう一つ見逃せないのが、F35の基本特性である解像度の高さや階調表現の幅の広さにくわえ、S/Nの良さが挙げられます。S-Logで収録することにより、例えば、後処理で暗部を持ち上げるといった処理を行う場合でもノイズが抑えられ、ストレスなく作業できます。このようにカラーグレーディングするワークフロー時にもとても有効であり、そこがF35の実力がわかるところです。

石原今回の作品では、後処理において特に海や空の青を揃える作業が多く、その点では苦労したわけですが、それはつまり、S-Logのダイナミックレンジの広さを有効に生かした例とも言えます。その他、多用はしていませんが合成作業を行う際には、RGB 4:4:4撮影ならではの豊富な情報量が威力を発揮していました。

高橋ほかにも、カーテンの舞い上がるシーンでは、SR Motionによるハイスピード撮影によって動きをやわらかく見せることができ、情感豊かに表現されていた思います。

F35やS-Logの性能・特長をさらに追求した撮影と後処理することで、デジタルシネマやCM制作の可能性をさらに広げたい

市橋今回の撮影では、最初のイメージを大切にして、フィルムに限りなく近づけるようにしました。それはそれで成果がありましたが、次にF35やS-Logを使って映画を撮影する機会があったら、今度はF35やS-Logならではの高精細な画やトーンを生かして撮影したいと思っています。今回の作品の後、CM撮影でF35を使うことがあり、その特長を肌で感じているので、ぜひチャレンジしてみたいと思います。

高橋F35というデジタルシネマカメラは、単にイメージャーにレンズを付けたカメラではなく、掘り下げていくと非常に多くの機能・使い勝手を内蔵していることが分かります。S-Logを使うことでF35の魅力をさらに発揮できるわけですから、やはり使い込んで、D.I.T.として今後の撮影サポートに活かしていきたいですね。どう撮影していくか、これが今後の課題であり、デジタルシネマの可能性を広げる鍵になると思います。

また、このカメラが出たことで、フィルムサイド、ビデオサイドの双方のスキルやノウハウ、アイデアを生かし、それぞれの力を出せる環境になってきたのではないかと思います。お互いが融合していけるフローを理解し合い、歩み寄ることで作品のプラスになるのではないでしょうか。

映画「ホノカアボーイ」をご覧いただければ分かると思うのですが、デジタルシネマの可能性はますます広がっていくと期待しています。今後もF35によるS-Log撮影のテストや検証を行い、一層充実したノウハウをプロデューサーやクリエーターの方々に提案・提供していきたいと考えています。

撮影監督 市橋織江様撮影監督 市橋織江様

1978年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学中退。フォトグラファーとして広告や雑誌、CDジャケット、映画ポスターなどの撮影を手がける。最近では、ドキュメンタリー映画「40歳問題」や、 「くるり」「GReeeeN」のPV、その他各種CMなどでムービーのカメラマンとしても活躍している。
株式会社 ロボットプロデューサー 黒木敬士様
株式会社 ロボット
プロデューサー
黒木敬士様
ソニーPCL株式会社クリエイティブ事業部コンテンツクリエイション部チーフHDスペシャリスト/D.I.T 高橋善弥様
ソニーPCL株式会社
クリエイティブ事業部
コンテンツクリエイション部 チーフHDスペシャリスト/D.I.T
高橋善弥様
ソニーPCL株式会社デジタルプロダクション事業部ポストプロダクション部 CM技術課担当課長/カラーリスト 石原泰隆様
ソニーPCL株式会社
デジタルプロダクション事業部 ポストプロダクション部 CM技術課
担当課長/カラーリスト
石原泰隆様
ソニーPCL株式会社開発本部 デジタルシネマ事業推進部 営業課デジタルプロダクツコーディネーター 稲葉正広様
ソニーPCL株式会社
開発本部 デジタルシネマ事業推進部 営業課
デジタルプロダクツコーディネーター
稲葉正広様
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