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事例紹介

GyaOオリジナル連続ドラマ「少女には向かない職業」

HDVカムコーダー HVR-Z1Jで全編を撮影したGyaOオリジナル連続ドラマ「少女には向かない職業」全話を配信。

インターネットテレビGyaOのオリジナル連続ドラマ「少女には向かない職業」(原作:桜庭一樹、出演・緑 友利恵、田島有魅香ほか、全10話・各40分)が、2006年5月〜8月まで毎週金曜日に配信され、人気を集めました。
この連続ドラマは、全編をHDVカムコーダーHVR-Z1Jを使って撮影されており、サスペンスドラマとしての質の高さとともに、高品位な画づくりでも視聴者やWebシネマ制作関係者の注目を集めました。
制作を担当された株式会社ウィルコ プロデューサー坂口慎一郎様、エディター山中貴夫様に、HVR-Z1J採用の狙いや成果、そして今後の映像制作における可能性などを伺いました。

HDの高品位な映像で、しかもコンパクトで機動力を発揮できるHVR-Z1Jは今回の連続ドラマ収録に最も適したカムコーダーと判断しました。


株式会社ウィルコ
プロデューサー 坂口慎一郎様

「少女には向かない職業」は、GyaO完全オリジナルドラマとして企画された全10話、各40分のサスペンスドラマです。Webを使って配信されるドラマですから、最終的な納品形態は4:3画角のSDと決まっていましたが、撮影はHDで行いたいと当初の段階から考えていました。HDのハイクオリティな映像を使うことで最終的な配信映像のクオリティを高めることができるだけでなく、HD素材を残すことで将来的なDVD化などマルチユースにも有効であると判断したからです。

しかし、HD撮影を行う上では一つ難問がありました。配信日はすでに決まっていたので制作日数(特に編集から完パケまでのポストプロダクション)に十分な時間がとれるかどうか不安でした。こうした状況の中で全10話分をHD撮影するためには、機動力のあるカムコーダーが必須の条件となります。HDによる高品質化とカットやシーンを効率的に撮影できる機動力という、この相反するテーマを両立してくれたのがHDVカムコーダーHVR-Z1Jでした。


株式会社ウィルコ
エディター 山中貴夫様

最終的に2式のHVR-Z1Jを使って全編を撮影しましたが、当初の期待通りの成果を得ることができたと満足しています。1080/60iというHD映像は、期待通りの高画質で、これには参加してくれたスタッフもみな一様に驚いていましたし、非常に満足してくれていたようです。また、機動力も充分に発揮してくれ、しっかりモニタリングしながらの室内撮影、レールを使った屋外での移動撮影、さらにはオートバイを使った手持ち撮影など、シーンやカットに応じて臨機応変に撮影することができました。

HVR-Z1Jを使ってHDV撮影した全10話分の素材は、テープに換算して100本以上になりました。これらの素材をまずDVで取り込んでオフライン編集を行い、HDV素材に置き換えて本編集という手順で編集作業を行い、最終的にエッジクロップ4:3でダウンコンバートしました。後ほどお話しますが、撮影の段階で質感やトーンなどの大枠を決めていたこともあって、ノンリニア編集機を使った編集ではカットとつなぎ、色見合わせなどを主体としたもので、非常に効率的に行うことができました。HDVの編集環境、周辺機器などが充実してきたこともストレスを感じることが少なかった理由になっているかもしれません。


撮影で威力を発揮したHVR-Z1J

編集を終えダウンコンバートされた映像、あるいは配信された映像を見ても、HDV撮影したメリットが全体の質感やクオリティ、あるいは映像のキメの細かさなどにはっきりと出ていると思いました。視聴者の書き込みにも、作品そのものについての批評に加えて、「画がきれいだった」「映像が美しい」といったコメントも散見できますから、高画質や画づくりの良さが視聴者にも理解してもらえたのではないかと思います。

HVR-Z1Jのシネフレーム、シネマトーンガンマなどの機能を駆使することで、フィルム撮影のような効果や作品に合ったドキュメンタリータッチが表現できたと思います。


さまざまなシチュエーションでの撮影で活躍

今回の撮影にHVR-Z1Jを使うことになった背景には、シネマフォトグラファーとして幅広く活躍し、今回の作品でも1話から4話までの撮影を担当してくれた福本淳さんのアドバイスもありました。作品の内容や表現、制作日数などから撮影について相談すると「HVR-Z1Jがベストチョイスだと思います。これだけ機動力があって、画質的に素晴らしいカメラはほかにありません」と断言してくれただけでなく、このHVR-Z1Jを使った豊富な撮影経験を基に、トーンや質感の表現をする上で貴重な助言をいただきました。

この作品はご覧いただくと分かるのですが、ドキュメンタリータッチで映画のような質感を基調にしていて、この作品の特長であるサスペンス性を盛り上げるのに効果を発揮しています。このトーンもHVR-Z1Jの機能をフルに生かすことで創り上げられています。たとえば、これは福本さんのアイデアでもあるのですが、「シネフレーム」を使って30コマ/秒の雰囲気をつくることができるだけでなく、さらに1/30秒のシャッタースピードで撮影することで、16ミリフィルムで撮影したような独特のフィルム効果を出しています。

さらに標準以外に2タイプの「シネマトーンガンマ」を搭載していますから、シーンによって質感を変えるなど、フィルムに近い表現世界を創り出す上で有効です。ほかにも、通常の照明や録音だけでなく、カムコーダーのゲインアップ機能やマイクの音声だけを使ってドキュメンタリータッチや臨場感を出すといった工夫もうまく使われています。
画づくりや質感を最初に作り込んでおくことで、雨など自然の影響を別にすれば順調に行うことができました。基本的にアングルを決めるだけなので、液晶パネルを使うことで効率的に撮影することができたと思っています。非常にコンパクトなボディで機動力を発揮できるだけでなく、HD画質でさまざまな表現を可能にする機能を豊富に搭載している点もHVR-Z1Jの大きな特長、魅力です。

今回、「少女には向かない職業」というWeb作品を、当初の予定通りに制作し、また配信することができたのも、一つにはHVR-Z1Jを使って撮影した成果といってよいと思っています。

HDV編集環境、周辺機器も充実してきており、Webシネマやミュージッククリップなど、今後の映像制作に威力を発揮するツールとして期待。

近年、Webを使った番組や映像の配信が活発に行われるようになっています。特に、ブロードバンド放送GyaOの登場は、こうした傾向にますます拍車をかける突破口になるのではないかと期待しています。今回の作品のようなWebオリジナルドラマやWebシネマは、今後ますます増えてくると考えられるだけに、制作ツールとしてHDVカムコーダーHVR-Z1Jの活躍の幅も広がってくると思います。そうした番組や映像は配信されるだけでなく、DVD化や劇場での上映などマルチユースを前提に制作されることが多く、より高画質なHDで撮影しておきたいという要望が前提になるからです。

当社でも、Webシネマだけでなく、ミュージッククリップやDVD作品の撮影に本格的に運用していく計画です。すでに数本のイメージDVDの撮影でHVR -Z1Jを使っています。さらに小型・軽量タイプのHDVカムコーダーHVR-A1J、HDVレコーダーHVR-M25J/M15Jなど商品ラインアップや編集環境が充実してきて一層使いやすくなっていることも心強い材料です。

HD 撮影の最上位にはCineAlta(HDW-F900/F900R)があり、当社でも劇場用映画の制作に運用することでノウハウを蓄積してきました。最新作「TWO LOVE〜二つの愛の物語〜」の1編である「キャッチボール」もCineAltaによって制作しています。
このCineAltaに加えてHDVが加わったことで、HD撮影・制作の選択肢が増えました。HDVならではの「取り扱いやすさ」をフルに活かすことで、 HD撮影が難しかった分野や予算の関係で断念していた映像制作でもHDの撮影が可能になるメリットは非常に大きいと思っています。当社でも、今後さらに積極的にHDV制作に取り組んでいきたいと考えています。

GyaO <ギャオ>
株式会社USEN(本社:東京都千代田区)が運営する無料会員制のブロードバンド放送。視聴者登録するだけで映画やテレビ、ニュース、音楽等、多彩なコンテンツを無料で楽しむことができます。視聴登録者数はすでに1000万人を突破しています。
//gyao.yahoo.co.jp/

株式会社ウィルコ
1987年創立。映画、ドラマなどのテレビ番組、ミュージッククリップ、企業用VPなど幅広い映像制作を業務とする制作プロダクション。同社代表取締役・渡辺直樹氏は映画監督(橋本直樹)として活躍されており、近年は劇場用映画の企画・制作・配給などに注力されています。最近の作品に「TWO LOVE〜二つの愛の物語〜」(橋本直樹監督、2006年)、「トニー滝谷」(市川準監督、2005年)、「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」(いずれも三木聡監督、2005年)、「スクールデイズ」(守屋健太郎監督、2005年)、「ニライカナイからの手紙」(熊澤尚人監督、2005年)がある。CineAlta(HDW-F900)によって撮影された「リリィ・シュシュのすべて」(岩井俊二監督、2001年)、「ダンボールハウスガール」(松浦雅子監督、2001年)の制作に参画するなど、デジタルシネマ制作の可能性にもいち早く着目、意欲的に取り組んでいるプロダクションとしても知られる。
//www.wilco-jp.com

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