東京急行電鉄株式会社 様
東京急行電鉄株式会社コンペ形式でスタートした今回のリニューアルプロジェクトですが、ソニーさんからの提案は、「単なるビジョンの改修ではなく、渋谷の街にいらっしゃるお客さまとのコミュニケーションという視点から、未来を見据えて新しいメディアをつくる」というコンセプトに貫かれたものでした。それは、正にわれわれの渋谷駅周辺再開発事業の将来像「エンタテイメントシティしぶや」構想にぴたりと当てはまるものだったのです。渋谷交差点は日本でも有数の交差点であり、通行者は、老若男女様々な人が混在しています。そのなかで、このビジョンにどんなしかけをしていくのか、この大きなテーマに向けたディスカッションが、こうして始まりました。
一番印象的だったのは、いちメーカーとしての視点を超えた、スケールの大きな提案内容でした。ビジョンリニューアルをハードとしてとらえるだけでなく、街に来る人達との双方向コミュニケーションという視点でとらえている点、さらに、新しい時代へ向けて消費者の行動変容を見すえた提案であることもパートナーとしてたいへん魅力的でした。また、お得意の映像表現のノウハウについても、すでに、スタジアム等で「大型ビジョン」を納入されている事例も拝見し、送出も含めた豊富な映像表現のバリエーションに、強く惹かれました。
挑戦その1 短納期
今回の最大の挑戦は、短納期でした。ご覧いただくとわかりますが、「QFRONT」ビル自体が二重ガラスでスケルトンという特殊な構造をしており、屋外広告では珍しくサッシがあり、旧ビジョンの撤去および施工作業は、非常に難易度の高いものだったと思います。ガラス窓から直射日光があたることで、パネル設置環境が高温になりますので、その中で機材を安定稼働させることも厳しい条件でした。また、今回ソニーさんには、プライムコントラクターとして、多くのベンダーさんのとりまとめをお願いしましたが、異なるバックグラウンドをもった混成プロジェクトチームをとりまとめ、納期の迫る緊張感のなか、統率力を発揮していただきました。この短納期を任せられるのはソニーさんしかいないというわれわれの期待に、見事に応えていただきました。
挑戦その2 デジタル花火
リニューアルイベントは、当初からデジタル花火をやりたいと思っていました。花火は、年齢に関係なく人々の心にひびく、日本の夏の風物詩です。まさに、WOW!という驚きをお客さまと共有し、お客さまにも打ち上げに参加してもらおうという企画でした。
ところが、構想はできても、現実はなかなかうまくいかない日が続きました。特に、パソコンからのリアルタイム映像送出の部分に苦労しました。パソコン操作は渋谷で行い、その結果の映像は一旦イッツコム(東急線沿線のケーブルテレビ事業を担うグループ会社)のメディアセンターへ行き、そこから他映像とともに、本体のビジョンに送出という流れです。信号の遅延を最小限に抑えて初めて、スマートフォンと連携した双方向の演出が可能となります。検証に検証を重ねてもなかなか思うような結果が出ず、イベント前には関係者全員、まさに疲労困憊状態でした。そして迎えた7月25日、そういった苦労の甲斐あって、当日のイベントは大成功でした!!!私自身も、本当にホッとしましたし、関係者全員で喜びを分かち合いました。
東急電鉄 佃氏/弊社営業 御手洗
デジタル花火が大成功だったこともあり、「Q’S EYE」を中心としたイベントは、今後もどんどん新たなものをしかけていきたいと思っています。東急電鉄では、渋谷駅周辺地区における都市計画を発表しており、「Q’S EYE」をメディアの観点から、新しい楽しみや驚きを与える場に育てていきたいと思います。たとえば、クリスマスやバレンタインなど季節感を取り入れ、新たな双方向性のあるしかけなどを考えています。そういう観点から、すでに広告のクライアントさんへの提案も始めています。地元の渋谷商店街の皆さんとも協力して、携帯からクーポンを受け取ることができる等のアイデアも、どんどん進めていきたいと思います。
世の中の流れとともに、街に来る人の行動、嗜好、興味はめまぐるしく変わっていきます。お客さまが求めるものは何か?という視点で、常に考え続けなければなりません。ソニーさんは、消費者のニーズを適確にとらえ、それに合ったテクノロジーをスピード感をもって開発提供することができる会社だと思います。私たち鉄道会社とは異なる視点から、われわれの事業にも、どんどんアドバイスしていただきたいと思います。私たちは、毎日家を出て、駅から電車に乗り、オフィスへ向かっています。それらの生活行動の各所に、新たなビジネスチャンスがあるはずです。ぜひ、ソニーさんと一緒に、新たなコミュニケーションの形を作り上げていきたいと思います。