事例紹介

九州フィナンシャルグループ 様

〜 グループ経営の意思決定を支え、社内コミュニケーションを活性化するリモートワークソリューション 〜

九州フィナンシャルグループ様は、肥後銀行、鹿児島銀行、九州FG証券を含む連結子会社18社で構成され、“南九州を基盤に持続可能な地域社会へ貢献する” というグループ経営理念のもと、銀行業務を中心に総合的な金融サービス業務を展開されています。

導入前の課題

グループの母体となった肥後銀行、鹿児島銀行は、同じ九州エリア内に所在しているものの、地理的に離れており、経営統合後は会社の意思決定を行う役員クラスはもちろんのこと、一般社員に至るまで、グループ間のコミュニケーションをいかに活性化するかが課題になっていました。ソニー製のビデオ会議システムはグループ発足時から導入されていましたが、設置会議室の数が限られており、利用したい時に使えないという状況がありました。また、それらの既存システムは運用を重ねる中で課題も出てきており、システムの運用・管理を行うIT部門に問い合わせや、至急の対応を求められるなど、負荷もかかっていました。

システム選定のポイント

どの会議室でもリモートコミュニケーションが図れるよう、ビデオ会議システムの大幅な拡張が実施されることになりましたが、社員の誰もが使える直感的な操作性がまず選定のポイントになりました。また、東京や名古屋といった遠方に在籍の社外取締役の方々の接続用に、先行導入されていたWeb会議システム「Cisco Webex Meetings」とシームレスに接続できることも要件として挙げられました。評価・検討の結果、操作性やWeb会議システムとの親和性の点でシスコシステムズ社製ビデオ会議システムの採用が決定。合計8式の端末を追加でご導入いただきました。特に取締役会会議室への導入にあたっては、リモートで参加する役員の方々も満足できるクオリティーで意思疎通ができ、意思決定が図れる環境を構築するために工夫がこらされました。リモートで会議参加しているメンバーに、誰が発言しているのかが伝わらないと意志疎通が難しいという指摘があったため、当初、シスコシステムズ社製端末の「スピーカートラッキング機能」を用いてカメラを発言者に自動でズームする仕組みの利用を想定していましたが、事前評価の結果、期待された性能が発揮できませんでした。これはコロナウイルス禍の中、各役員の席をアクリル板で仕切っていたために音声が反射してしまうこと、さらに参加者がマスクを着用していることが原因でした。そこで、このような環境下でも機能するよう、会議マイクのボタンを押すことでソニー製のリモートカメラが自動でズームする仕組みを提案。シンプルな仕組みではありましたが、“発言時に必ずマイクのボタンを押す”という運用ルールをご導入いただくことで、確実に発言者を捉えることが可能となりました。

導入後の効果

システム導入後は、従来のシステムと比較してタッチパネルによる直感的な操作となり、社員の方々のユーザビリティーが大幅に向上しました。音声のクリアさと、一緒に導入された4Kテレビ「ブラビア」の高画質、そして会議開催中のトラブルが減ったことも評価をいただいたポイントです。それに伴い、導入前に比べて全社的にリモート会議の利用がグループ内に浸透することとなり、また、システムを管理・運用するIT部門のサポート工数も大きく低減されました。リニューアルされた取締役会会議室は、役員の方々が発言時にマイクのボタンをきちんと押してくれるのか心配もあったそうですが、秘書の方々の会議参加メンバーへの働きかけで役員会議の運用ルールとして定着し、今では役員全員が1か所に集まることがなくなるほどリモート参加で意志決定することがスタンダードになっています。今後も、今回導入されたシステムを積極的に活用し、異なるバックボーンをもつ社員同士のコミュニケーションを一層深め、グループのシナジーを発揮することに貢献できるインフラとして、さらにブラッシュアップを図っていかれるとのことです。