私たちの身の回りには、様々な色の光源があります。
光源の色が変われば、物体から反射して目に届く光の色も変わるので、そのままでは見ている物体の正しい色がわからなくなってしまいます。
しかし、私たちの目には、光源の色に合わせて色の感じ方を調整する機能があるので、光源の色が変わっても同じ物体はだいたい同じ色として見ることができます。
ですが、カメラの撮像素子にはそのような機能がないので、どこかで私たちの目と同じような補正をおこなわないと、撮影時に見た色合いと後で見るときの色合いが合わなくなってしまいます。
Image Data Converterを含めて、そのような機能を広い意味で「ホワイトバランス」と呼びます。

ところで、私たちの身の回りの物体は全て、それが持つ温度に対応した色の光を放っています。
人体や私たちが手で触れられる程度の温度では赤外線なので目に見えませんが、もっと温度が上がるとやがて赤く光り始め、白熱電球くらいではオレンジ色から黄色、太陽の温度では白く、更に上がると青白くなります。
このときの光の色は物体の温度によって決まっているので、温度で色を表すことができます。それが「色温度」で、絶対温度ケルビンで表します。単位は「K」です。

今日私たちが目にする光源の多くは、熱を持って光る物体と同じような色調の光を放つような特性を持っています。
炎や白熱電球などはもちろんのこと、蛍光灯などもそのように作られています。
また、太陽の温度はもちろん一定ですが、空気の影響を受けることで、温度が高くなったり低くなったりするように見えます。
そのため、ホワイトバランスはまず、光源の色温度に合わせて補正をおこないます。

光源からの光に対して、足りない分を補い、多すぎる分を削るので、画像そのものを見ると、低温の赤みがかった光に対しては青っぽく、高温の青みがかった光に対しては黄色っぽく補正されます。
狭い意味で「ホワイトバランス」と言うときには、このような色温度に合わせた補正を指します。

色温度に対する補正は以上の通りですが、人工光源の中には水銀灯のように熱による光とは異なる色調で光るものもあります。
また、色の付いたフィルタを通したり、色の付いた物体からの反射光も、特殊な色調になります。
このような光は、熱による光に対して、緑色を増減することで再現することができ、この調整をImage Data Converterでは「色補正」と呼んでいます。

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