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株式会社イメージディバイス 様

プロダクション

2020年1月掲載

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コンサート収録にHDC-5500
グローバルシャッターとF10の高感度で演出がさらに自由に

株式会社イメージディバイス 様

株式会社イメージディバイス様は、コンサート収録などのマルチカメラ収録に向けて、新たにマルチフォーマットポータブルカメラHDC-5500とオプションのユーザーガンマ/RGB4:4:4対応ソフトウェアHZC-UG50、カメラコントロールユニットHDCU-5500をそれぞれ8式導入され、2019年8月から運用開始されました。

撮影技術
橋本 英司 様

撮影
堀川 伸悟 様

撮影技術
坂元 香穂 様

増備と4K移行を狙いHDC-5500

当社は今年の10月で30周年を迎えました。会社設立以来、音楽関係を中心に撮影しており、特にコンサートなどの「マルチカメラ収録」を主軸とした制作技術業務を行ってきています。システムカメラだけでも、HDC-1600やHDC-2500から4KのHDC-4300など30式ほど保有しています。
さらに需要の高まりに応えるための増備と、10年以上使用してきているHDC-1600の段階的な4Kカメラへの置き換えを兼ねて、マルチフォーマットポータブルカメラHDC-5500を8台導入しました。

グローバルシャッターが決め手


激しいライトの明滅にもグローバルシャッターによりフラッシュバンドのない映像表現が可能

当社では、いち早く4K収録に対応するために、すでにマルチフォーマットポータブルカメラHDC-4300を5台、マルチパーパスカメラHDC- P43を1台導入していました。
中継車についても、大型と中型の2台のうち、大型中継車は4Kに対応しています。今回の増備をHDC-5500に決定した大きなポイントはグローバルシャッターであることです。

コンサートなどのステージ照明は、LEDライトが主流になっています。そのため、調光によるフリッカーが課題でした。ローリングシャッターのカメラだと、どうしてもフラッシュバンドが映像に出てしまいます。1つのステージの中でも、どこかの場面でそれが問題になる傾向がありました。最近はステージ演出でダンスなどが入ることも多く、ダンスの切れ味を良く見せるため、電子シャッターのスピードも上げて撮りたいというニーズがあります。すると、フラッシュバンドも出やすくなり、トレードオフを迫られることになります。
グローバルシャッターのHDC-5500なら、そういったジレンマから解放されるというのが、HDC-5500に決めた一番大きなポイントです。

ユーザーガンマもソニーの魅力

当社では、コンサートなどのステージ収録のほぼすべての案件でユーザーガンマを使用しています。コンサート収録では、ポストプロダクションで色を触りやすい形で収録してほしいというリクエストをよく受けます。ITU-R BT.709などの標準的なガンマとニーなどを組み合わせて撮ると、どうしても硬くハイコントラストの画になりがちです。また、ニーのかかりはじめの部分の変曲点に折れ線が出てしまうため、あとで色を触りづらくなります。また、全体的にしっとりとした画作りが好まれることも多いため、ペイントニューで調整できる範囲を超えた柔らかさを作れるのも、ユーザーガンマの良さです。当社である程度用意しているパターンの他にも、演出の好みに合わせてカーブを作る場合もあります。ソニーのカメラはユーザーガンマを使えるのが大きなアドバンテージです。

担ぎやすくなったHDC-5500


VFのポジションを簡単に調整可能なVF位置固定レバーは位置調整幅も従来より広く好評

実際にカメラを手にしてみると、担ぎやすさを実感しました。本体がスリムになったからかも知れませんが、担いでみた瞬間、HDC-4300に比べて軽くなったような印象を受けました。カメラマンの目線でカメラを見ると、4K時代になってフォーカシングもシビアになってきています。HDC-4300にも備わっていますが、HDC-5500はフォーカスアシストメーターやフォーカスインジケーターなど、カメラマンのフォーカシングをサポートしてくれる機能が充実しているので、撮っている時も安心感があります。これらの機能は、ほかのカメラマンたちにも好評です。

感度がアップ、色も合わせやすく


電子ペーパーで表示されるカメラナンバーは視認性も機能も良好

コンサートなどでは、ゲインアップなしギリギリでの撮影になることが良くあります。いままでは、高倍率のレンズなどで寄るとFドロップにより輝度が足りなくなり、ゲインアップを余儀なくされることがありました。しかし、HDC-5500は実感で1絞りほど明るくなったので、そういう状況でもゲインアップせずに撮れることが多くなりました。

大きなコンサートでは、保有するシステムカメラ30台ほとんど全部を持ち込んで撮影する場合もあります。そういった場合で気になるのがカラーマッチングです。HDC-5500はITU-R BT.2020など、広色域に対応しながらもHDC-1600やHDC-2500などとカラーマッチングがしやすく、違和感なく混在運用することができています。また、4KでなくHD撮影においてもHDC-5500はHDC-1600などに比べ画の綺麗さを感じます。

各社を検討も、最終的にソニー

8月に導入して2カ月ほどの間に、すでに20現場でHDC-5500を使用しましたが、特にトラブルなどもなく、安定して稼働しています。周辺機器に関しては、使い慣れたリモートコントロールパネルRCP-1501も使え、VEのオペレーションも共通化でき、違和感なく運用できています。

最近のコンサート収録では、3〜4本のリターン映像を求められることが普通になっています。HDC-5500では、リターン映像の本数やトランク映像の本数も増えて余裕が生まれました。現場で追加を求められてもすぐに対応でき、数の制約を心配することがなくなりました。

いままで、システムカメラの他、ENGカメラやPLマウントのカメラなどもほとんどすべてソニーを使ってきています。カメラの選定にあたっては、ソニーありきではなく、毎回他社を含めて検討をしています。
その結果として振り返ってみると、いつもソニーになっています。特にシステムカメラやENGカメラに関してはすべてがずっとソニーです。次の計画はまだ決まっていませんが、今後も余裕ができたら、引き続きHDC-5500を増備していきたいと考えています。

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