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法人のお客様システムカメラ事例紹介 有限会社 サウンドオックス 様

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有限会社 サウンドオックス 様

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デジタルマルチコアカメラシステムHXC-D70K/HXCU-D70を3式と、マルチフォーマットコンパクトスイッチャーMCS-8MによるHD撮影システムを導入し、本格運用を開始

有限会社 サウンドオックス 様

京都府長岡京市で卒業・卒園記念のDVD・CD制作や、学校やホールでの合唱コンクール、コンサート収録などで活躍する有限会社サウンドオックス様は、2012年3月にデジタルマルチコアカメラシステムHXC-D70K/HXCU-D70を3台と、マルチフォーマットコンパクトスイッチャーMCS-8MによるHD撮影システムを導入され、本格運用を開始されました。
代表取締役 能勢登志世 様、技術部チーフ 植田誠 様、制作 平手政幸 様に、システム導入の目的・用途、稼働状況と運用の成果、そしてHXC-D70K/HXCU-D70やMCS-8Mの性能・機能・使い勝手についての評価などを伺いました。

家庭用ハイビジョンテレビの普及に伴い、まず16:9の画角に対応すること、同時に今後本格化するHD撮影/Blu-ray Disc納品に向けてシステムのHD化を実現


代表取締役 能勢登志世 様

技術部チーフ 植田誠 様

制作 平手政幸 様

当社の主力業務は、クラシックやバンドなどのホールでの各種ライブ収録や、合唱コンクールなど在校時のイベントを収録した卒業記念DVDの収録、制作です。これらの映像や音声をきれいに、しっかりとした構成、画づくりで制作するために、これまでDXC-Dシリーズのカメラとカメラコントロールユニット(CCU)、そしてスイッチャーを現場に持ち込み、マルチカメラ運用で構成に合わせてスイッチングした画を収録するというスタイルを基本としてきました。事前に、色調整などをきちんと行った複数のカメラを運用することが、結果的に高画質で、より魅力的な映像や音声を残すベストな方法であると考えてきたからです。

一方、地上デジタル放送の開始に伴い、家庭にハイビジョンテレビが普及し、これまでの4:3の画角から16:9の画角に対応することが急務の課題となりました。当初は、NXCAMカムコーダーの導入で対応してきましたが、やはりシステムとしても16:9の画角に対応する必要があること、同時にライブ収録でもHD撮影/Blu-ray Disc納品のニーズが高まっており、HDシステムの導入は不可欠と判断しました。これが、今回のHD化の契機であるとともに、目的ということになります。

基本コンセプトとしたのは、従来のSDシステムと同様にCCU運用できるHD撮影・収録システムです。従来のオペレーションを継承しつつ、蓄積したノウハウを活用することで、より魅力的なHD映像制作が可能になると考えました。こうしたコンセプトを元にシステム選定を開始し、最終的にHDカメラシステムとしてデジタルマルチコアカメラシステムHXC-D70K/HXCU-D70を3台導入。また、スイッチャーには1M/Eスイッチャーとオーディオミキサーをコントロールパネルと一体化したマルチフォーマットコンパクトスイッチャーMCS-8Mを採用することにしました。これにより、事前調整を済ませた後、小さなラックに収納して現場に持ち込むことができるHD撮影・収録システムを構築することができました。

HXC-D70シリーズの高感度・高解像度は暗いホールでのライブ収録で威力を発揮。CCUによる3カメ運用で曲のイメージに合ったカット割や画づくりを実現


小型ラックに組み込まれたHXCU-D70、MCS-8M

HXC-D70を採用したのは、性能・機能・操作性を高く評価した結果ですが、従来のCCUオペレーションをそのまま継承できるだけでなく、26ピンマルチコアケーブルなどインフラをそのまま流用できる点もメリットになると判断しました。また、HDのみならずSD撮影も可能ですから、従来のSDで16:9ワイド画面のDVDを希望するお客様のニーズに応えることもできます。コストパフォーマンスに優れたシステム構築が可能ですから、より幅広いアプリケーションに対応でき、業務の拡大にも貢献してくれると期待しました。CCUのHXCU-D70も非常にコンパクトながら、豊富な入出力、インターフェースを搭載しており、用途に応じた運用が可能になります。

3台のHXC-D70K/HXCU-D70と、コンパクトで多機能、充実した入出力系統が魅力のマルチフォーマットコンパクトスイッチャーMCS-8M、収録デッキにXDCAM EXレコーダーPMW-EX30、そしてインカム系をパッケージすることで、さまざまなライブ収録の現場で、機動力と効率的なオペレーションによるHD撮影・収録が可能になったと思っています。構成に基づいてスイッチングした映像はメモリーカードに、3カメすべての映像をPCのHDDにバックアップすることで、より信頼性の高い撮影・収録を実現している点も、今回のHDシステムの特長の一つになっています。

当社のライブ収録の特長の一つとなっているのが、楽譜が読めるディレクターがフルスコアに合わせて、撮影するパートや切り換えを事前に決めている点です。ただ主旋律や全体を映すのではなく、スコアに合わせて指揮者のアップ、ソロパートから次の楽器パートへの切り換えなどをうまく行うことで、より曲調や主題に合った画と音の組み合わせを実現しています。こうした特長を、HDでも16:9の画角でも実現できるという点でも、今回のシステム選定は良かったのではないかと思っていますし、実際に現場で活用するスタッフの評判も上々です。

1M/Eスイッチャーとオーディオミキサー、コントロールパネルを一体化したMCS-8M。特に高品質の録音が欠かせないライブ演奏などで利便性を実感、使い勝手の良さも好評



ホールでのコンサート収録

今回導入したHDシステムは、すでにライブ収録などに稼働しており、期待した通りの成果をあげていると思っています。HXC-D70シリーズは、申し分のない高画質であるとともに、F12という高感度、そして低ノイズという特長が、暗いホール撮影で威力を発揮しています。特に、スポットが当たったパートの撮影で、周囲の黒の部分に乱れやノイズが少なく、画のクオリティーの高さを実感しました。また、1台を雲台に載せた定点カメラとしてリモート操作で指揮者や聴衆を追い、2台をカメラマンが付いてディレクターの指示で演奏のパートや全景を撮影・収録するといったオペレーションでも当初の期待通りの成果をあげています。懸案だった最大ケーブル長100mという制約も、ホール収録等でのケーブル引き回しでは支障はありませんでした。

ライブ収録では、音声も重要な役割を担います。マルチフォーマットコンパクトスイッチャーMCS-8Mは、会場にセットされた吊りマイクや収録マイクの音をオフラインで取り込み、スイッチャーでエンベデッドして送出するといった運用にも便利です。画と音にディレイのない高品質の音声収録が可能です。また、メニュー等で細かく設定した内容を、USBメモリーを使って設定呼び出しできる機能も、現場で使う立場からすると非常に有り難い機能だと思いました。大勢のスタッフが使用しますので、設定を最初から作り直すのは煩雑であるだけでなく、間違いの元になったりしますので、このUSBメモリーを使って設定呼び出しできる機能は非常に便利だと思います。操作性についても申し分なく、構成やディレクターの指示に基づくスイッチングがスムーズに行えます。

今後も各種のライブ収録はもちろん、卒業記念DVDのメインイベントとも言える合唱コンクールの撮影・収録などに運用していく予定です。また、すでにHD撮影/Blu-ray Disc納品された作品もありますが、その高画質と臨場感で大変好評をいただいています。やはり、HDならではの迫力は一目瞭然ですから、DVD納品からBlu-ray Disc納品へ移行したいというお客様も増えています。さらに、既存の業務だけでなく、スポーツなどの中継や収録といった新しいオファーもいただいており、機材レンタルとスタッフの技術派遣に関するお問い合わせも増えています。こうした新規業務にも、今回のHDシステムを有効に活用していきたいと考えています。

有限会社 サウンドオックス

テレビ局の音声中継などをフリーランサーとして担当していた現社長が、1986年に個人会社として設立、1994年に法人化した映像・音響の制作会社。創業時から開始した卒業・卒園記念のCD・DVD制作や、コンサートホールでのライブ演奏会の収録などを主業務として活躍しています。社名にも端的に示されているように、映像制作のみならず、PA音響業務に卓越した技術とノウハウを有し、また楽譜が読めるスタッフを配置することで「音と映像の美しさ」のみならず、演奏される曲の「イメージに合致した画づくり、構成」で定評を得ています。

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