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浜谷さんが最初にハイビジョンをご覧になったのは、いつごろですか? 浜谷:今から10年ぐらい前です。当時在籍していた会社がハイビジョンカメラを導入することになって、テスト撮影でいろいろなカメラを触りました。そのときハイビジョン映像を見て受けた衝撃は忘れられないですね。フィルムカメラからビデオカメラに移り変わったときに感じたものと同じでした。アナログであるフィルムの少し不鮮明な映像から、ビデオという鮮明でみずみずしい映像になった。それと同じような感動が、ハイビジョン映像にはありました。 ハイビジョンカメラになったことで、お仕事の内容は変化されたのでしょうか。 浜谷:ハイビジョンカメラというより、デジタルビデオカメラが登場したことで劇的に変わりました。テレビは“なにより速報性”が求められる世界。つまり撮影したらそれで終わりではなく、なるべく早く編集を終えて放送局に伝送しなければならない。特に当時は報道にいましたので、撮影して伝送して編集するというのはワンセットなんです。それより前のフィルム時代は撮影してフィルム輸送、そして現像、それからやっと編集するという時間が必要でした。それがビデオになって一気にスピードアップされました。さらに1995年のDV(デジタルビデオカメラ)時代を迎え、災害や事故、戦争などの現場からパソコンに取り込んで編集、そして伝送という流れが、一気に加速しました。ある意味ではアマチュア用ビデオカメラが可能にしたといえます。仕事そのものが変わってきていたという感じでしたね。ただ個人的な趣味を言ってしまえば、フィルムカメラで撮影した映像のほうが好きですなんですが(笑)。 浜谷:基本的にオートで撮ることを前提にしたカメラであり、非常によくできていると思います。メニュー画面がシンプルでわかりやすく、ボタンの数も少なくて使いやすかったです。簡単な設定できれいに撮れるので、機械が苦手な人でも安心して使えるんじゃないかな。手に持ったホールド感も良かったですし、録画ボタンなどを押したりする使い勝手も問題なかったです。ただ僕は手が大きいので気にはならなかったですが、手の小さい女性の方は8cmDVDの飛び出している部分が少し大きく感じるかも。でもUX1は画面も大きく、タッチパネルで使いやすかったですね。 撮影時に気をつけることは何でしょうか。 浜谷:これはすべてのハイビジョンカメラで同じことが言えるのですが、画面の明るさ。露出が適正であるかどうかということですね。ピントをシャープに合わせるのは結構難しいんです。ただ逆光などで撮影する場合は“逆光補正ボタン”を押せば明るくなりますし、7Mbps(デフォルト設定の画質)で昼間はもちろん、夜間でも十分きれいな映像が撮れました。暗いところでもクリアに撮影できるのには驚きましたね。もし、それでも暗さが気になり調整が必要な場合は、逆光補正ボタンの下にあるマニュアルボタンを長押しすると、フォーカスリングをピント合わせやカメラの明るさ調整など、絵作りに欠かせない4つの機能(*)に割り当てて使えるようになっています。HDR-HC3にも同様の機能があって、レンズ部の横の小さいボタンを上下させて調節するようになっていたのが、UX1ではフォーカスリングで調節できるようになって、このあたりはHC3に比べるとずいぶん洗練、かつ使いやすくなっていたのに感心しました。
再生についてはいかがでしたか? 浜谷:非常に使いやすかったです。撮影時、録画スタートからストップまでを1シーン(1ファイル)として記録し、撮影した映像がサムネイルで表示されますから、映像をその場で確認するとき、いちいち巻き戻しや早送りをせず済みます。これはテープレスならではのメリット。映像をパソコンに取り込むときも、ファイルを選んで取り込めますし、DVDメディアなので、そのまま保存していくこともできる。やはりDVテープなどは、その場で確認する際は巻き戻しが必要ですし、パソコンに取り込む際は、テープの長さがそのまま取り込む時間として必要です。それがなくなったのは非常に画期的なことです。もちろんこれはHDR-UX1以外のテープレスな“ハンディカム”にも言えることですけどね。 映像をファイルで手軽に扱えるなら、シーンの入れ替えなどは簡単にできますよね。 浜谷:そうですね。今までノンリニア編集(*)というのは敷居が高く、編集をする人はビデオカメラ人口の1割も満たなかったと思います。でも、映像がファイルになっていればシーンの入れ替えは手軽に行なえますから、お気に入りの映像だけを集めたDVDも簡単に作成できます。これなら初めてビデオカメラを扱う方でも、好きなシーンを選ぶだけだから簡単ですよ。アクセサリーのワイヤレスマイク“ECM-HW1”も良かったです。このカメラは、本体内蔵マイクでドルビーデジタル5.1chサラウンドの音声をDVDに直接記録することができるのですが、ワイヤレスマイクを使えばセンターチャンネルの音として記録できるんです。20〜30m離れた場所でも音を拾えるんです。個人的には魅力を感じました。 9月に8cmDVDのHDR-UX1、10月にHDDのHDR-SR1が発売され、DVテープのHDR-HC3と合わせハイビジョン“ハンディカム”は3種類になりますが、お客様はどれを選べば良いのか、お悩みになるところだと思います。 浜谷:そうですよね。どの機種にもいいところがあり、悩ましいですよね(笑)。まずHC3はボディが小さく女性の方でも簡単に扱えます。DVテープを使うので巻き戻し早送りの必要はありますが、DVDに比べて長時間撮影できる。パソコンなどに取り込むのにはひと手間かかりますが、編集する場合にはパソコン用の市販ソフトウェアも充実しています。UX1はDVDメディアなのでとても扱いやすく、見たいシーン(ファイル)をすぐに見られるというのが大きなメリット。早送り巻き戻しなしで使いやすいのですが、DVテープなどに比べ撮影時間は短く、本体サイズはすこし大きくなります。SR1はUX1と同じように、見たいシーンがすぐに見られます。また大容量なので圧倒的に長時間撮影も可能です。ただHDDを取り外すことができないので、録画した映像を外部に保存しなければならず、ひと手間かかります。どれも一長一短があるんです。選ぶポイントとして、持ちやすさや映像の扱い方、編集をするのかしないのか、再生するときの環境、どうやって映像を残していくのか、などを考慮するといいと思います。 DVテープ、DVD、HDDの3つを比べた場合、映像のクオリティには差はないのでしょうか。 浜谷:まずUX1とSR1は映像の圧縮方式が一緒なので、画質は同じです。HC3はその2機種とは圧縮方法が異なっているので、画質を比べた場合、正確に言えば違いはあります。あとは撮影モードで画質は違ってきますね。HC3の撮影モードは1つ(25Mbps)ですが、UX1とSR1は撮影モードがそれぞれ4種類あります。HC3(25Mbps)とUX1のLPモード(5Mbps)を比べると差はありますが、ただどの機種もハイビジョンですので、映像の美しさは変わりません。さらに言うのならば、ハイビジョンではない従来のDV方式(スタンダード画質)と比べると、LPモードでもハイビジョン映像のほうがきれいです。撮影モードは、動きの速い被写体や暗い場所を撮影するときには画質の高いモードを選ぶなど、撮影シーンによって使い分けるといいと思います。 実際に浜谷さんが撮影された映像を見て画質の印象はいかがでしたか? 浜谷:UX1を使ってみての印象は、“HQモード”(9Mbps)で撮影した場合、HC3の画質(25Mbps)と比べても遜色はないと感じました。“HQ+モード”(12Mbps)ならば、HC3よりUX1の画質のほうが優れているかもしれません。少し難しくなりますが、これはUX1(とSR1)がMPEG-4 AVC/H.264という圧縮技術を採用しているからなんです。この技術は本当に素晴らしく、LPモード(5Mbps)でもハイビジョン画質として見られるんです。もちろん早い動きのあるものをLPモードで撮影するとブロックノイズが出る場合がありますが、報道など速報性が求められる世界であれば、5Mbpsなどで十分。5Mpbsならファイル容量も少なく伝送時間が短いですからね。さらに映像がファイルの状態で記録されるというのは映像の扱いやすさという点でかなりのメリットだと思います。そういう意味では、アマチュアの方はもちろん、プロでも使えるカメラだと思います。 もし浜谷さんがどれかひとつを選ぶとしたら、どれを選びますか? 浜谷:難しいですね。ビデオカメラを買うのが初めてで、編集もあまりしないというのならばUX1ですね。仕事用ならばSR1かな。メディア(DVテープ)の値段が安くて長時間撮影できるHC3も魅力だし・・・・・・。ひとつに決めなくちゃいけないなら、僕だったらやっぱりUX1がいいかな。初心者から報道カメラマンにも使えて、DVDで残していけるし、今後再生できる機器も増えてきそうだし、将来性に関しても非常に魅力的なビデオカメラですからね。 |