MZ-RH1スペシャルインタビュー 音楽の達人たちが語る「MZ-RH1」の魅力 part.1 新しい音楽の楽しみ方 音楽雑誌編集者・鮎沢裕之さん
音楽雑誌の編集者としてつねに音楽と関わり続け、マニアックなレコード&CDコレクターでもある鮎沢裕之さんが「MZ-RH1」をモニター体験。その魅力を語ってくれました。
改めて実感したHi-MDの底力
MDと聞いて一番初めに思い出すのは、据え置き型のMDデッキです。 カセットに代わるものとして、音楽の録音や編集作業に使っていました。 そのころはパソコンで音楽を扱うようになるなんて思ってませんでしたから、レコードやテープなどのアナログ音源をMDに録って聴く、というのがほとんど。 MDはオーディオセットのうちのひとつでした。 その後はCDが主流になり、そしてHDDやメモリタイプのポータブルオーディオ、パソコンでの音楽編集と移行したので、徐々にMDの存在が薄くなっていきました。そういう人は多いんじゃないかなと思います。以前録りためたMDディスクは、そのままになっています。 当時は音楽雑誌の取材でも録音用に結構MDを使っていたんです。 ですが、それも時代の流れと共に、取材機材としてのMDがICレコーダーになり、音楽会社から送られてくるサンプル版もCDになってきました。 もちろん音楽制作の現場では、まだ現役でMDを使っている方もいるかもしれませんが、やはり影は薄いのかなと。 ただ今回この「MZ-RH1」を触らせていただいて、改めてHi-MDの底力を実感しました。
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PCに繋げることで、さらに広がる利便性
まず驚いたのは、その利便性です。 「MZ-RH1」をダイレクトにパソコンに繋げるじゃないですか。 「Net MD」が発売され、技術としてそれができるのは知っていたんですが、昔はMDをパソコンに繋ぐという感覚はなかったですし、正直なところ最近までその使い方にピンときていなかったんです。 でもよくよく考えれば、すごいことなんですよね。 以前は自分でもバンドをやっていて、リハなどを録音していましたが、そのときはDATウォークマンを使っていました。 DATはHi-MDと比べて音がいいというメリットはありますが、「MZ-RH1」は小さくて便利だし、メディアの汎用性もある。 さらにパソコンに繋げて簡単に音源を取り込めるので、ノートPCが1台あればその場でメンバーの人数分のCDも焼けますから。 バンドをやっているアマチュアの人もきっと重宝するはずですね。 あと今までのソニー製品は、Macに非対応なものがほとんどでしたよね。 「SonicStage」もWindowsだけですし。僕は会社ではMacとWinの両方を使っていますけど、家ではMacを使っているんです。 やっぱり音楽をやっている人の中には、Macを使っている方も多いと思うんですよ。 それも「MZ-RH1」にバンドルされる“Hi-MD Music Transfer for Mac ver.1.0”が解消してくれます。 このソフト、「MZ-RH1」で録音した音源(リニアPCM、Hi-SP、Hi-LP)を簡単にWAVファイルにしてくれます。 Macに「MZ-RH1」を繋いで、表示された音源をデスクトップにドラッグ&ドロップするだけ。 本当に簡単。
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アナログ音源を手軽に再利用できるメリット
一番スゴイと思ったのは、アナログ音源の曲タイトルなども自動で見つけてきてくれること。 CDなどの曲ならわかるんですが、なぜアナログ音源も? と、不思議に思ったんです。 これは音源のデータ波形を読み込んでいるからなんですね。 今まで頭の中ではデジタル音源でないとダメだろうっていう思い込みがあったんですが、もう目からウロコです。 初期のMDプレイヤーは、曲の情報を自分で入力しなければいけなくて、かなり面倒でした。 だから今残っているMDディスクも、ほとんどが曲のタイトルさえ入ってない(笑)。 でもそれが一気に解消されるのは助かります。音源にノイズが入りすぎて上手く読めないときは、バイオに入っている「SonicStage Mastering Studio」でマスタリングしてノイズを取ってやれば、問題なくタイトルを付けてくれるし。 「MZ-RH1」はテープやレコードなどのアナログ資産を、高音質で手軽にデジタルに変換でき、「SonicStage」を使って簡単にパソコンに取り込めます。 僕みたいにアナログ盤も好きなコレクターにとって、昔の音源を再利用できるというのは、一番大きなメリットかもしれません。 それこそ大量にある昔のレコードやMDの音楽をパソコンに入れてひとつのミュージックボックスをつくれば、好きな曲だけCDに焼いて、オリジナルのアナログ盤ベストヒットアルバムが簡単に制作できますね。
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録音機材として、ストレージデバイスとして
「MZ-RH1」は仕事でも活用できそうです。アーティストにインタビューをして、それをソースに映像やラジオ番組などのメディアで使う場合、音質がよくなければいけない。 それこそMDが発売された当初は、正直今よりも音質は悪かった気がしますが、Hi-MDになってリニアPCMで録音できる。 CD並みの音質でそのままパソコンに取り込めるとなると、その用途はグッと広がります。 これからポッドキャスティングなどが広がっていけば、いかに便利なのかがわかってくると思います。 録音時間もビットレートを落とせば最大約34時間。リニアPCMでも1時間30分ですから、まったく問題はないですね。 RECボタンも大きくてわかりやすいし、RECレベルメーターあるので、暗いところでも安心して録音できます。 さらに、録音ということで言えば「MZ-RH1」はテーパーの方たちにも喜ばれそう。ライブを高音質で録音できるし、スタミナも十分。 好きなところにトラックマークを付ければ、オリジナルアルバムとして持てるわけですから。 MDの良いところをそのまま引き継いでいますよね。 ストレージデバイスとして利用できるのも便利ですね。 外出先などで突然、大容量のデータ素材の受け渡しが必要になっても、MDディスクに入れてもらえればいいわけですから。 通常のMDディスクに比べてHi-MDのディスク(1GB)は、1枚700円とちょっと割高感はありますけど、ストレージメディアなどはまだ2GBで2万円ぐらいするものもある。 それを考えれば非常にコストパフォーマンスがいい。 昔のMDディスクでもHi-MDにフォーマットすれば、80分ディスク(177MB)が約300MBになるわけですから、いらなくなったMDディスクも再利用できますね。 音楽が聴けるだけでなく、インタビュー機材として使えて、画像などのデータも入れられる。 音楽雑誌編集者としての仕事で必要なことは全部入っている感じですね(笑)。
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音にこだわりたい人、マニアックに楽しみたい人に
再生機としても優秀ですね。 “Dynamic Normalizar”は音量の大きさが違う曲があっても聴きやすい音量に自動で調節してくれて、曲ごとにボリュームを調整しなくてもいい。 また内部で使われているカップリングコンデンサは、今まで以上に低音域をカバーし、クリアで柔らかな音を実現していると思います。 これはあまり参考にならないかもしれないですけど(笑)、プログレをよく聴くんです。 これまではCDからパソコンに取り込み、それをポータブルオーディオに入れて聴いていたんですが、曲と曲との間にブランクができてしまうんです。 もちろんパソコン上で操作をすればいいわけですが、聴きながら感覚的に操作したというときもあるじゃないですか。 そんなとき、自分で好きな場所にトラックマークを付けられる機能はMDの良いところですね。 ディスプレイ部分が少し斜めになっているので、机の上に置いたときにインジゲーターが見やすくなっています。 ピッチレベルも調節できるから、好きなように音楽を編集できるし、カスタマイズもできますね。
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アナログとデジタルを結ぶ架け橋「Hi-MD」
10数年前にお弁当箱みたいなMDのデッキを買ったときに比べれば、こんなに小さくなって音質もいいし、機能も十分。 さらに電池の持ちもいい。正直Hi-MDを見直しました。 「MZ-RH1」は音楽好きの人なら手が伸びる商品だと思います。 MDはメディアとしての耐久性もいいですし、ラベルを貼ってライブラリがつくれます。音楽にはデータではなく、メディアとして残しておきたいものもありますから。 アナログだったものをCD化できるっていうのはスゴイし、嬉しい。 しかも簡単で時間もかからない。アナログ音源を手軽に持ち運べるメディアとして、これからも長く、スタンダードに続いてほしいですね。
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Index
改めて実感したHi-MDの底力
PCに繋げることで、さらに広がる利便性
アナログ音源を手軽に再利用できるメリット
録音機材として、ストレージデバイスとして
音にこだわりたい人、マニアックに楽しみたい人に
アナログとデジタルを結ぶ架け橋「Hi-MD」
Profile
鮎沢裕之
鮎沢裕之 ( あゆさわひろゆき )
編集者。1968年、東京生まれ。幼少より洋楽・邦楽に親しみ、1991年、(株)ソニー・マガジンズに入社。以来、「WHAT's IN?」「GiRL POP」「GB」「WHAT's IN ES?」「uv」など、音楽専門誌の編集に携わってきた。レコード収集歴25年。プログレッシヴ・ロックからブラジル音楽まで、幅広いジャンルの音楽を愛する。
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MZ-RH1体験レポート 音楽プロデューサー 笹路正徳さん
 
録音・再生対応“Hi-MDウォークマン”MZ-RH1