XDCAM
映像制作機材 "XDCAM"

東北放送株式会社 様

放送局

2015年7月掲載

XDSサーバー送出システムの導入に加え、ネットワーク報道制作システムSonapsを採用。
報道・スポーツ番組の制作をより効率的に。

東北放送株式会社 様

東北放送株式会社様は、報道やスポーツ番組の送出用に2014年3月からXDSサーバー送出システムの運用を開始され、2015年2月にはネットワーク報道制作システムMedia Backbone Sonaps(以下、本文中ではSonapsと略します)を導入し、ファイルベース/ネットワーク化による効率的で柔軟なニュース・スポーツ番組の制作、送出を実現されました。

同社 総務局次長 兼 総務部長 荒川弥男様、報道制作局 映像部長 佐竹達雄様、同局 映像部 部次長 石垣智彦様に、今回のシステム更新のコンセプト、選定の理由、運用の成果や評価を伺いました。

なお、記事は2015年4月中旬に取材した内容を、編集部でまとめたものです。

編集・送出システムのファイルベース化を実現


XDSプレイリスト端末(写真・左)とサブのOTC送出システム(写真・中央)。XDSサーバー送出システム(写真・右)には外付けリモートパネルが配備されており、ボタン操作によるクリップチェンジで、柔軟な番組演出にも対応しています。


XDCAM Station XDS-PD1000と、録って出しや持ち込み素材の送出用として導入したXDCAM HD422 レコーダーPDW-HD1500で構築されたXDSサーバー送出システムを2014年3月より稼働中。安定した状態で運用できており、信頼性の高さで好評です。

当社は2007年に、デジタル放送への対応策としてBサイトと名付けた社屋を増設し、その内部に設置した情報センターでベースバンド運用による報道やスポーツ番組の制作、送出を開始しました。この際、素材サーバーを活用した他社製ノンリニア編集システムを導入し運用してきましたが、更新時期が近づいていたため、今回の新しいシステムを検討することにしました。

更新コンセプトの柱の一つが、ファイルベース/ネットワーク化への対応です。最初に検討したのが送出システムで、大規模なサーバー送出システムを含めて各メーカーの提案を詳細に比較、検討しました。その結果、シンプルで分かりやすく、操作しやすい点が魅力だったXDSサーバー送出システムを導入することにしました。万一のトラブル時にはXDCAMデッキで送出することもできるので、社内スタッフによる対応も可能です。大規模なサーバー送出システムではこうした緊急対応は難しく、そういった点でスタッフやオペレーターのストレスも低減できます。ソニーの柔軟かつ適切なオンサイト保守対応も選定の決め手の一つとなっています。

また、当社のワークフローやオペレーションに伴う細かな要望に対して、詳細に解析して具体的なソリューションを提案してくれたことも評価しています。たとえば、クリップチェンジを外付けリモートパネルのボタン操作でできる点もその一つです。当社が放送している「N スタ みやぎ早版」というストレートニュースでは、サブからOTC(ワンタッチコントロール)送出で対応しています。一方、月曜〜金曜の夕方のワイドニュース「Nスタ みやぎ」では、ディレクターとスイッチャーが連携して映像のリプレイを送出するなど、OTCでは対応できない多彩な構成、演出が行われます。こうした場合でも、外付けリモートパネルによるクリップチェンジで柔軟に対応できます。つまり、これまでと同様のワークフロー、オペレーションで送出ができる点も大きなメリットと言えます。


回線収録システム。容量700時間(HD) の素材共有サーバーにインジェスト端末4系統を使ってベースバンド/ファイルでの取り込みが可能になっています。編集ブースのXPRI NS 8式、プロキシ編集機3式との連携で効率的な素材の確認や編集作業が行えるようになっています。

そして、2015年2月にはSonapsを新たに導入することで、MPEG HD422 50Mbpsの共通したファイルフォーマットでより高品質で、効率的なニュース・スポーツ番組の制作、送出が可能になりました。HDで700時間の容量と4系統のインジェスト入力を有した素材共有サーバーとマルチフォーマットノンリニア編集システムXPRI NSの連携による追いかけ再生、追いかけ編集で効率的なファイルベースでの編集、制作、送出を可能にするインフラを構築できたと考えています。

また、素材確認や原稿読みなどに便利に使えるプロキシ編集機のほか、モバイル端末、テープ資産を有効に使えるエディティングコントロールユニットBVE-700を主としたリニア編集システムも魅力的なコンテンツ制作をサポートしています。

安定した稼働状況と運用に伴う各種の成果に満足


編集ブース。8式のXPRI NSを使って追いかけ再生、追いかけ編集を活用することで効率的で柔軟な編集作業が可能。ほかにBVE-700を使ったリニア編集システムを2式装備し、過去のテープ素材の活用時などに運用中。屋外での収録・再生用にXDCAM HD422フィールドステーションPDW-HR1も導入。

XDSサーバー送出システムの運用を開始して1年あまりとなりますが、トラブルが一切なく安定した状態で稼働できている点を高く評価しています。バックアップ用に配備してあるHDCAMデッキを使用するような局面もありませんでした。まもなく報道支援システムのアップデートを行う予定ですが、その際にはキューシート連携を実施する予定です。さらに使い勝手、操作性が向上するものと期待しています。

Sonapsについては稼働して2ヶ月あまりの段階ですが、非常に満足しています。まず、XPRI NSの採用で従来のノンリニア編集システムのワークフロー、オペレーションをそのまま継承してスムーズに移行できました。また、報道やスポーツ番組の制作に適した機能が充実しており、より魅力的なコンテンツ制作をサポートしてくれる点も好評です。たとえば、夕方の「Nスタ みやぎ」や全国ニュースのスポーツコーナーで放送する地元プロ野球チームの試合ダイジェストを制作する際に、追いかけ編集機能を活用することで、収録しながら編集作業が行えます。そのため、試合の進行状況を可能な限り伝えることができるようになりました。細かな点では、完パケにしたニュース素材から音声だけを抜いてラジオ用として活用できるのも便利です。

また、3式採用したプロキシ編集機は、デスクの素材確認や原稿読み用のプレビュー用途で使っています。事前にデスクやディレクターが使用箇所や演出効果などを行う箇所の映像に、目印として直接指示を入力でき、編集作業が効率的に行えるようになりました。さらにモバイル端末は、選抜高校野球で甲子園での映像制作、伝送に威力を発揮しました。XDCAMカムコーダーとドライブだけで収録から編集を行うことができ、本社に伝送することができました。来春の地元プロ野球チームの沖縄キャンプでも便利に使えると大いに期待しています。

制作部門、そして撮影・収録、アーカイブでもファイル化を

明確なロードマップを策定しているわけではありませんが、今後も情報センターのファイルベース/ネットワーク化を進めていきたいと考えています。まずは制作部門が対象になります。ベースバンド運用からいかにファイルベース化していくのが理想的か、社内で検討していきたいと考えています。

また、報道・スポーツ番組制作では、撮影・収録のファイル化が次の課題になります。XDSサーバー送出システムやSonapsとの連携を考慮して、XDCAMカムコーダー/メモリーカムコーダーを含めて考えていこうと思います。これにより、撮影・収録、編集、送出を一貫したファイルベースのトータルワークフローで構築でき、さらに効率的で、魅力的なコンテンツを視聴者に提供できるようになるのではないかと思います。

一方、現在HDCAMテープでの倉庫管理を行っているアーカイブの更新も必要になってきます。アーカイブメディアとして光ディスクかテープといった判断からスタートすることになると思います。同時に、長期に渡って保存する素材と頻繁に再利用する素材の振り分けも必要ではないかと考えています。実際、今回導入した素材共有サーバーには、官公庁や地元の空撮映像など、フィラーとして多用する映像を3TBほど保存しています。こうした二アラインアーカイブとアーカイブを区分けする手段も検討課題になるのではないかと思っています。

ソニーには、今後のこうした要望に対しても、これまでと同様に十分に検討してもらい、的確でコストパフォーマンスに優れたソリューションを提案していただきたいと思います。

東北放送株式会社 総務局次長 兼 総務部長 荒川弥男様

東北放送株式会社
総務局次長 兼
総務部長
荒川弥男様

東北放送株式会社 報道制作局 映像部長 佐竹達雄様

東北放送株式会社
報道制作局 映像部長
佐竹達雄様

東北放送株式会社 報道制作局 映像部 部次長 石垣智彦様

東北放送株式会社
報道制作局 映像部
部次長
石垣智彦様

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