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アトムの夢とAIBOの現実 解説:司田武己

第一回 アトム誕生の年
 2003年4月7日は「鉄腕アトム」の誕生日である。この記念すべき年に合わせて、新作アニメーション『アストロボーイ・鉄腕アトム』の放送が開始された。

 その第1話『パワーアップ!』では、お茶の水博士が“科学が生んだ最高のロボット”としてアトムを目覚めさせるシーンから始まる。原作でアトムを目覚めさせるのは、息子のトビオを交通事故で亡くした科学省長官の天馬博士だ。恐らく、天馬博士がアトムを造った設定は変わっておらず、何らかの理由でお茶の水博士がアトムを目覚めさせる役割を担ったのだろうことが、第2話『ロボットボール』の中で暗に示されている。

 新作のアニメーションでは「メトロシティ」という地球のパラレルワールドの世界が舞台になっており、年代の設定はなされていない。道具としてロボットが普及する世の中に、人間と同じ心を持つロボットが生まれたとしたら‥‥。そのロボットの革命期がアトムを通して描かれているのだ。

 ところで、原作のアトムの世界では、ロボットの開発過程が明確に設定されている。次に年表形式で紹介する。

1974年 超小型電子計算機が発明
1978年 C・ワークッチャア博士が最初の電子頭脳を発明
1982年 猿間博士が初めて人間の形をしたロボットを開発
1987年 ジェームズ・ダルトン博士がプラスチックから人造皮膚を発明

 ロボットは日に日に人間に近づき、話すことも怒ることも笑うことも人間の仕事は何でも手伝うようになる。科学省では年に五千体のロボットを造り出し、東京を中心にロボット人口が増えると、学校でも人間と同じように勉強するようになった。
 そして2003年、科学省長官の天馬博士が自分の息子・トビオを交通事故で死なせたことをきっかけに、科学省の最高技術を集結して自分の息子の代わりになるようにと「アトム」を作り上げた。

 これが、1960年ごろに手塚治虫が考えた『鉄腕アトム』の物語の設定であるが、実際の世界はどうかというと‥‥。

1971年  米インテル社が世界初のマイクロプロセッサ「i4004」を発表
1974年  米インテル社が8ビット汎用マイクロプロセッサ「8080」を発表
1977年  米アップルコンピュータ社がBASICを搭載した世界初のパーソナルコンピュータ『Apple II』を発表
1978年  米テキサス・インスツルメンツ社が初めて人間の声を電子的にチップ上に複製することに成功
1980年  産業用ロボットが工場の生産ラインに初めて投入され、「ロボット元年」と呼ばれる
1982年  綜合警備保障が日本初の「警備ロボット」の研究開発に着手
1986年  本田技研工業が二足歩行のヒューマノイド型ロボット開発に着手
1994年  ソニー、エンターテインメントロボット研究プロジェクト発足
1996年  本田技研工業、二足歩行ヒューマノイド型ロボット「P2」発表
1997年  『Autonomous Agent'97』にてAIBOの試作機公開
1999年  AIBO初号機「ERS-110」発表
2000年   本田技研工業が「ASIMO(アシモ)」を発表
ソニー、二足歩行ロボット「SDR-3X」を発表
2002年   産業技術綜合研究所が世界初の起き上がり動作を実現したロボット「HRP-2」を発表
ソニー、二足歩行ロボット「SDR-4X」を発表

 いやはや、手塚治虫は予言者なのだろうか!? 現実にロボット開発路線のポイントを結構押さえているではないか。もちろん、2003年の今年、アトムが生まれることはなかったが、AIBOという人工知能を持つ“ロボット”はすでに生まれており、しかも、それが“販売”される時代が到来した。

 日本が“ロボット王国”と呼ばれるほどロボット産業が盛んになったのは、「日本には鉄腕アトムがいたからだ」と言っても間違いではない。なぜなら、AIBOなどのロボットを開発した者が口々に「アトムを造ることを目指しました」と述べているからだ。

 アトムにあこがれ、アトムが住む未来を夢見た子供たちが大人になって、高速道路や人工衛星、テレビ電話などを実現し、ヒューマノイド(人型)ロボットの開発も着々と進んでいる。今、もし手塚治虫がこの世にいて、AIBOに触れたとしたら、さらに我々の想像を絶する未来を予想してくれたに違いない。

 今年はアトム生誕の年。偉大なる故・手塚治虫のことを想いながら、現実となったロボット・AIBOにも接してみてはいかがだろうか。

アトム豆知識

アトムのツノはもともと髪の毛だった?
アトムのシンボルマークである“ツノ”は実は髪の毛である。手塚治虫の髪の毛は天然パーマで、風呂上がりに鏡で見ると、耳の上の両側が犬の耳みたいに逆立っていた。これがアトムのモデルになったのだ。だから、原作の初期のころはツノが小さく、走ると風になびくように描かれている。アトムの皮膚はプラスチック製の人工皮膚なので、本当はツノの中はカラッポなのだ。1980年のカラー版アトムでは、第一話でツルツル坊主の頭に人工皮膚の顔を被せるシーンも描かれている。また、アトムのツノがどこから見ても2本に見えるのはミッキーマウスの影響だと手塚治虫は述べている。



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第二回 電光という純粋な心

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