XDCAM
映像制作機材 "XDCAM"

日本テレビ放送網株式会社 様

放送局

2016年3月掲載

日本テレビタワー内CVセンターをリニューアル。ニュース系生番組の収録・編集・送出、アーカイブまでを完全ファイルベース化して本格運用を開始。

株式会社 サガテレビ 様

日本テレビ放送網株式会社様は、日本テレビ地上波およびBS/CS放送のニュース系生番組の収録・編集・送出業務を行っているCVセンターのリニューアルと同時に、ニアラインアーカイブシステムを導入されました。ファイルベース/ネットワーク化による効率的で柔軟な収録・編集・送出、そしてアーカイブまでのトータルワークフローを実現、2015年6月より本格運用を開始されました。

同社 技術統括局 コンテンツ技術運用部 担当部長 窪川直毅様、同局 コンテンツ技術運用部 主任 小倉 徹様、平野 実様に、CVセンターリニューアルの目的、システム構築のコンセプト、運用の成果や評価などを伺いました。

なお、記事は2015年9月下旬に取材した内容を、編集部でまとめたものです。

ファイルベースワークフローのメリットを総合的に評価


収録端末5台(最大25系統同時収録)、ファイルインポート端末4台(複数同時処理可能)、ダビング(ファイル)エクスポート端末5台で対応。外部搬入のテープ素材のファイル化にも柔軟に対応でき、素材共有サーバー(HD容量:約2,000時間)に転送しています。

当社は2004年2月に、地上デジタル放送に向け全館HD対応の新社屋「日本テレビタワー」を汐留にオープンしました。この時、CVセンターには当時世界初とも言える大規模HD ノンリニア編集システムを採用しました。HD容量約300時間の素材共有サーバーに15式のXPRIを接続し、その他にMVS-8000SFやBVE-700採用のリニア編集室を30室を設けることで、効率的な収録・編集・送出を実現しました。その後も2008年にXDCAM HD422シリーズを導入、2012年にはアーカイブのファイル化に着手するなど、ステップ・バイ・ステップで更新を行ってきました。運用開始から11年が経ち、サポート体制を含めてシステムの更新時期が近づいていたことが今回のCVセンターリニューアルの背景にあります。


編集ブース。45ブースすべてにノンリニア編集システムXPRI NS Ver.5.4を採用。編集データ/素材データ/ユーザー設定データを共有できるTeam機能などにより、複数のエディターが協力して同じコンテンツ編集に取り組むことができ、時間に追われる報道制作で有効に活用されています。

リニューアルコンセプトの柱の一つとしたのが、完全ファイルベース/ネットワーク化です。これは時代の要請であるとともに、これまでの運用経験からメリットが大きいと判断した結果でもあります。CV センターの主力業務である報道制作は、365日24時間体制で視聴者に日々のニュースを伝えています。突発的な事故や事件が発生すれば、限られた時間で収録・編集・送出を行う必要があり、スタッフが一体となって取り組める環境が必須要件となります。ファイルベース/ネットワーク化により、素材や情報を共有化することで効率的なワークフローを構築し、スタッフやオペレーターの作業負担が軽減できると考えました。


送出サーバー(HD容量:約180時間)からサブコンへ送出する送出端末(写真・左)。オンエアに不可欠の項目表(写真・右)もすべてデータ化され、画面を通して状況を確認できるだけでなく、緊急時の項目差し替えなどもスムーズかつ一元管理ができるようになっています。

その結果、システムフォーマットにXDCAMのMPEGHD422 50Mbps、ファイルフォーマットにMXFを採用。2015年2月に収録・編集・送出システム、4月にファイルインポート、外部インターフェース、ニアラインアーカイブシステムを導入、6 月から一貫したファイルベースでの運用を開始しました。45系統の編集ブースもすべてノンリニア編集システムXPRI NS Ver.5.4で統一、同一の操作環境で作業できるようになりました。

もちろん、外部持ち込みの素材などテープ素材にも柔軟に対応できる体制を整えており、必要に応じてファイル化して登録したり、HD-SDIで送出することも可能です。

今回、ソニーのシステムインテグレーションを採用したのは、これまでの実績・評価に加え、当社のワークフローやオペレーションに伴う細かい要望に対して、詳細に検討して具体的なソリューションを提案してくれたことや、柔軟かつ適切なオンサイト保守対応も決め手の一つとなっています。

ファイル化のメリットを運用スタッフ、記者、デスクが実感


ニアラインアーカイブ用サーバー(HD容量:約50,000時間、写真・左)とアーカイブセンターの管理端末(写真・中央)。ユーザーが依頼したニアライン/ディープアーカイブの素材の転送状況が確認できます。写真・右は、ファイル化/プロキシ生成などのエンコーダーとして稼働中のXDS-PD2000。

運用を開始して間もない段階ですが、新しいシステムの有効性やメリットを実感しています。たとえば、特にトレーニング期間を設けることなく、スムーズに運用移行できた点もその一つです。XPRI NSなど、従来と同じオペレーションをそのまま継承できたことが大きかったと思います。素材共有サーバーと送出サーバーの連携もファイル化で一層強化され、編集完了からオンエアまでの時間も短縮できました。ぎりぎりまで編集作業に集中でき、またXPRI NS のTeam機能により複数のエディターが一体となって編集できる点もニュース制作では大きなメリットと言えます。

さらに、社内のネットワークとの連携で、報道デスクや記者が、自席のPCのWebブラウザー上で素材のプレビューができるようになりました。内容をスピーディーに確認できるだけでなく、素材の注意事項などをメタデータに追記することで、より安全で信頼性の高いニュースの提供に貢献しています。CVセンターの素材を系列局にIP 伝送することも可能となっており、今後、社外とのファイルベース運用も広がっていくと思います。

なお、オンエア項目表示は、従来のホワイトボードに手書きの運行表から、電子化して情報共有できるようにしました。いちいちホワイトボードの前に行く必要がなく、項目の差し替えなどにも柔軟に対応でき、サブコンや報道フロアにいるスタッフが画面を通してオンエア状況を共有化できる点も安定したオンエアに対してのメリットだと思っています。

直近の収録素材を保存するニアラインアーカイブシステムの構築も、素材の有効活用に寄与しています。ファイル化により、必要な素材にすぐにアクセスして必要な部分を簡単に取り出し、素材共有サーバーに転送することも容易に行えます。また、2012年にスタートした、永久保存素材を管理するディープアーカイブのファイル化は、すでに12万本のD-2テープの作業が完了しており、貴重な過去素材も素材共有サーバーに転送して有効活用できるようになっています。

より多彩な番組制作に対応可能

今回のCVセンターのリニューアルにより、使用者にとって分かりやすいシステムを構築できたと考えています。しかし、最も大切なのはシステムそのものではなく、そのシステムを現場で運用するスタッフ、オペレーターの存在であり、いかにして能力・手腕を番組制作に発揮してもらうかにかかってきます。

そのためにも新しいシステム、機器のパフォーマンスを十分に理解し、オペレーションの習熟度を上げていくことが重要になります。そこで、対応策として操作方法や有効な編集作業、局面ごとのオペレーション法などについて、メールを通して共有できる仕組みを作りました。これにより、各スタッフ、オペレーターの柔軟かつ適切なオペレーションが可能になるものと期待しています。

今回の一貫したファイルベースシステムの導入で、より多彩な番組制作に対応するポテンシャルとキャパシティーを実現できました。新しいCVセンターの魅力として、これからもアピールしていきたいと考えています。

ソニーには、今後もサポート体制を維持するとともに、実際にオペレーションを行っている現場の要望に対応したソリューションを提案してもらいたいと思います。

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局 コンテンツ技術運用 担当部長 窪川直毅様

日本テレビ放送網株式会社
技術統括局
コンテンツ技術運用部
担当部長

窪川直毅様

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局 コンテンツ技術運用 主任 小倉徹様

日本テレビ放送網株式会社
技術統括局
コンテンツ技術運用部
主任

小倉徹様

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局 コンテンツ技術運用 主任 平野実様

日本テレビ放送網株式会社
技術統括局
コンテンツ技術運用部
主任

平野実様

Sony Business Solutions Corporation ソニービジネスソリューション株式会社