XDCAM
映像制作機材 "XDCAM"

山陰中央テレビジョン放送株式会社 様

放送局

報道取材のHDフォーマットにXDCAM HDを採用、本社と支社で本格運用を開始。従来のワークフローにオーバーラップする形でスムーズに移行。

山陰中央テレビジョン放送株式会社 様

山陰中央テレビジョン放送株式会社(TSK)様は、報道取材のHDフォーマットにXDCAM HDを採用、XDCAM HD422シリーズとXDCAM HDシリーズ合計21台を本社・支社の報道部門に配備され、本格運用を開始しました。

同社 報道制作局 報道部 部長 野津富士男様、放送技術局 放送部 部長 高尾忍様、同部 副部長 浅野良治様に、XDCAM HDフォーマット採用の決め手や運用状況、現段階での成果、評価などを伺いました。

http://www.tsk-tv.com/

信頼性に優れ、合理的な移行が可能な次世代メディアと評価

当社は、2005年にマスターを更新し、併せてニューススタジオ/サブのカメラやVTRをHD化することで、予定通り2006年10月から地上デジタル放送を開始しました。以降、制作系ではHDCAMを取材・収録フォーマットとして運用し、報道系ではHDCAMとベータカムSXのHD/SD混在運用を続けてきました。

今回のXDCAM HD導入に至るまで、報道系のHDフォーマットについて、報道部・放送部で時間をかけて慎重に議論を重ねてきました。次世代ということを踏まえてテープレスに絞り、MXFファイルに対応し、且つ取材からアーカイブに至るトータルワークフローを構築できるフォーマットにしようと他社製も含めて比較・検討しました。その結果、XDCAM HDを採用することに決定し、今回、本社及び支社の取材・伝送・編集にXDCAM HD422シリーズとXDCAM HDシリーズ合計21台を導入し、本格運用を開始しました。

報道取材の場合、オンエアまでにスピーディーに対応できることと、信頼性が重要と考えています。もちろん、画質、音質、それから操作性も同じく重要です。加えて、これまでのワークフローを踏襲し、テープに近い感覚でオペレーションできること、またVTRやリニア編集機など、既存の設備やワークフローを継承できることなども考慮し、XDCAM HD採用に至りました。


*各支社の写真提供  山陰中央テレビジョン放送(株)様

従来のワークフローにオーバーラップする形でスムーズに移行

取材カメラには、XDCAM HD422カムコーダーPDW-700を3台と、XDCAM HDカムコーダーPDW-F355Lを4台導入しています。PDW-700は、本社に1台配備し、鳥取支社と米子支社に各1台配備しました。鳥取や米子は日本海に面していることもあり、現場に近寄れず、望遠を使った撮影も少なくありません。沿岸での事件・事故において、PDW-700に搭載されたデジタルエクステンダーは、そういった時に有効に使えると判断しました。併せて、キャッシュREC機能もアサインして使えるようにしています。

また、XDCAM HD422レコーダーPDW-HD1500は10台を導入しました。本社ニュースサブの回線収録デッキとして運用し、中継車とSNG車にも1台ずつ搭載したほか、鳥取・米子・浜田・出雲の各支社では編集用・伝送用として稼動しています。4台のXDCAMドライブPDW-U1は本社の編集チェーンにつないで素材取り込み用として運用していますが、NASの素材共有サーバーと連携することで、効率的な編集環境を構築しています。

本社と各支社間の素材伝送は、デジタルFPUやIPネットワークを使ってベースバンドで送っています。これは受け手側が内容を確認しながら素材受けをするという、従来のワークフローを継承するためです。また編集後の書き出しもHDCAMに行い、これまで同様HDCAMで送出しています。このように、これまでのワークフローや既存の設備にオーバーラップする形でスムーズに新しいフォーマットに移行することができたのも、XDCAM HDならではの成果だと思っています。

スポーツ中継などでファイルオペレーションの利便性を実感

運用を開始してまだ間もない段階ですが、基本的に上書きの不安がないことに加え、液晶パネルを使って撮影した素材のプレビューを簡単にできること、伝送の際に必要な素材クリップだけを任意に選んで簡単に伝送できることなど、XDCAM HDによるファイルオペレーションは、スタッフに大変好評です。

報道ではありませんが、マラソン中継でXDCAMを有効に活用したことがあります。中継時に、有力選手のインタビューを挿入することがありますが、従来ですと選手ごとに何本ものテープを用意し、頭出しをして送出するというオペレーションになります。それをすべてXDCAMのディスク1枚に一本化しておくことで対応しました。頭出しが容易ですからディレクターの指示で必要な時にインタビュー映像を挿入し、スムーズにしかも容易に送出することができました。この特性をうまく生かしたインターフェースを使うことで、簡易的な送出システムとしても有効なのではないかと思いました。

導入の成果を踏まえ、ファイル転送の活用など次のフェーズへ

XDCAM HDは、操作性。使い勝手の面で基本的にHDCAMシリーズを踏襲している点もスムーズな移行に寄与しています。本社・支社でのトレーニングはわずか1日ほどでしたが、戸惑いや混乱もなく日々のニュース制作に活躍しています。支社によっては、毎日の素材、編集後の素材をディスクに残す、アーカイブ的な運用を始めているところもあります。

また、各機器、ディスクともにトラブルもなく、非常に安定した状態で稼動できている点も期待通りでした。ファイルオペレーションの利便性・効率性を実感しながら、スムーズかつ合理的に移行できたことが最大の成果ではないかと思っています。

今回の導入の成果を、当社では第一フェーズと考えており、次のフェーズではXDCAMの特長でもあるファイル転送を使って送出までの一貫したワークフローの構築で、より迅速・確実なニュース送出を目指したいと思います。また、メタデータの活用で検索性に優れたアーカイブの可能性も併せて検討していきたいと考えています。

報道制作局 報道部 部長 野津富士男様

報道制作局 報道部 部長
野津富士男様

報道では、スピードへの対応が重要な要素となりますが、同時に毎日の取材・編集・送出を確実に行うための安定性・信頼性も欠かせません。XDCAM HDフォーマットは、こうした条件を満たしつつ、現状のワークフローや設備を合理的に継承できるものと判断しました。実際、フォーマット変更による混乱や戸惑いもなく、スムーズに移行することができたと評価しています。

放送技術局 放送部 部長 高尾 忍様

放送技術局 放送部 部長
高尾 忍様

フォーマット選定では、取材からアーカイブに至るトータルワークフローの構築が大きな論点の一つになりました。XDCAM HD採用の決め手の一つがディスクというメディアで取り扱うことができ、アーカイブまでの一貫したワークフローが可能であったことです。アーカイブをどうするかは今後の課題検討ですが、ディスクによる棚管理は有力候補だと思っています。

放送技術局 放送部 副部長 浅野 良治様

放送技術局 放送部 副部長
浅野 良治様

XDCAM HDの各機器は、メディアがテープからディスクになっただけで、基本的にHDCAM機器の操作性・使い勝手を踏襲しています。ですから本社や支社でのトレーニングもわずか1日で済むなど、スムーズに移行することができました。現状の設備やワークフローとオーバーラップする形で新しいフォーマットを導入できたことは、非常に大きな成果だったと思います。

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