過去最多の全13,095点(プリント部門4,961点、デジタル部門8,134点)の応募の中から
厳正な審査の上、各賞受賞作品が決定いたしました。
その中からいくつかの受賞作品をご紹介いたします。
液晶テレビ/有機ELテレビ ブラビア内アプリ「My BRAVIA※」にて公開中です。
例年行われている表彰式が今年は実施できなくなったため、写真家の福田健太郎さんが審査委員のひとりとして、
一部の作品*について表彰のコメントをご用意させていただきました。
受賞者の皆さま、おめでとうございます。
地球の鼓動を感じる。阿蘇山の噴煙を、無風の絶妙なタイミングで撮っている。好機と努力が合わさった作品。
手前の池には、星も映り込み、草千里の馬の姿や垂直に上がる噴煙がとても印象深い。
美しい構図に、はっとする。同時に、自然の脅威や怖さも、見る人たちに伝える一枚だ。
日本の豊かな四季と、自然とともにある生き物の姿を一枚で見せてくれる。
エゾリスの動きをよく観察し、周辺の風景を見つめ、構図を計算しながら、絶妙のタイミングを捉えた。
冬に備えて動き回るエゾリスの前脚の指が、くっきりと開いている。
カメラ目線でキャッチライトが入った完璧な写真だ。
深い山に囲まれ、雪化粧した渓谷の町の静寂な情景が、よく表現されている。
冬の透き通った光と空気を通して見える町並みや木々のディテールが際立つ。
奥行きのある、繊細でリアリティーを感じさせる作品になっている。
二組のイルカの親子がほほえましい。このようにそろった写真はなかなか撮れない。仲間たちが、後ろに写り込んでいて、奥行きが感じられる。海の雄大さが伝わってくる。水面は波立ち、潜ったり、船上に上がったりの繰り返しで、重労働の撮影だと思われるが、爽やかな雰囲気がある。明るめの露出も適当だ。
有明海の養殖のりの種付け風景。カラフルな網が、印象深く、とても写真映えする。光の加減、撮影位置も良く、広々としたスケール感をうまく捉えている。自然とともに生きる人間の姿も、この風景から見えてくる。
トキとカラスのドラマチックな一瞬に遭遇した。露出が絶妙で、光線の状態がとても美しい。カラスが溶け込んでいるような黒や、背景にぼやけて見える赤の色合いもバランスが良く、写真全体を引き立たせている。
アルビノのエゾリスが、妖精のように雪の上を走り回っている。可愛らしい様子を追いかけて一瞬を撮った。色彩的に見て、とてもきれいな作品。差し込む光がきらめき、背景はすっきりとしている。動きのある姿を捉えたところが良い。
富士山の周辺に咲くフジアザミの存在感にひかれる。背景には、霧に包まれた森と岩が見えており、独特の生息環境を、ローアングルからうまく表現した。純粋な自然写真で、色合いもシンプル。見た自然を自然のままに表現したところに、好感がもてる。
つららから垂れる水を、シマエナガがなめている。シーンの面白さと、一生懸命羽ばたく姿が、とても魅力的だ。ありふれたシマエナガの写真とは違い、鳥の形が目をひき、躍動感が伝わってくる。撮影者の歓声が聞こえてくるようだ。
稲を天日干ししている杭が倒れ、崩れ、田んぼには水もたまっている。整然としていないのに、ひかれる風景だ。台風一過の朝、霧の中に朝日が柔らかく差し込んで、新しい一日が始まっている。古代からの人々の営みがここにある。