商品情報・ストアコンポーネントオーディオSTR-DN1040特長 : 音質

コンポーネントオーディオ

STR-DN1040
マルチチャンネルインテグレートアンプ

STR-DN1040

商品の特長 | 音質

「アドバンスト D.C.A.C.」(=自動音場補正+A.P.M.)

自動音場補正機能「アドバンストD.C.A.C.」は、付属の測定用マイクロフォンを使い、リスニング環境の音響測定を測定します。測定結果から、スピーカーの距離、スピーカーレベル、ラージ/スモールの設定を自動で行います。また周波数特性補正も行うことができ、周波数特性をフラットにする「フルフラット」、サラウンドスピーカーの特性をフロントL/Rに合わせる「フロントリファレンス」、バランスの整ったリスニングルームの音を再現する「エンジニアリファレンス」の三種類の特性に補正できます。

「アドバンストD.C.A.C.」の大きな特長は、ソニー独自の高速精密測定信号を使うことで、測定が30秒で行えます。これはインパルス信号(バルス音)を時間方向に引き延ばしたもので、そこから周波数特性補正カーブを生成すると同時に、部屋の形が原因の不要な反射音も同時に除去してしまいます。このため開放的でクセのない再生環境を作り出します。また、「フルフラット」、「エンジニアリファレンス」のモードでは、フロントL/Rの壁の反射音を低減し、部屋のクセなどに影響されない、開放的なステレオイメージを再現します。アドバンストD.C.A.C.の特長は、精度の高いインパルス応答測定を元にした、「A.P.M.」です。サラウンド、サラウンドバック、センターの位相の周波数特性をフロントL/Rの特性に合わせることで、全てのチャンネルに同じスピーカを使った時と同等のつながりの良いサラウンド空間を得ることができます。

マルチチャンネル再生は、フロント、サラウンド、センターの全てのチャンネルに同じスピーカーを用いて音圧と位相の両方の周波数特性を一致させておくことが理想です。しかし家庭では、異なるスピーカーを使うケースがほとんどです。

自動位相マッチング機能「A.P.M.(Automatic Phase Matching)」(*)は、フロントスピーカーと異なるスピーカーをサラウンドやセンターに使った場合でも、位相特性をフロントの特性に合わせて揃えることでチャンネル間の音のつながりを向上させる技術です。すべてのスピーカーをフロントスピーカーで構築したかのような、気持ちのよいつながりのあるサラウンド空間を再現します。フロントスピーカーの特性は変更せず、他のスピーカーの位相特性だけを補正するので、フロントの音質への影響なく、壁反射による位相の乱れ、ホーン型/コーン型/ドーム型といったスピーカーの形式の違いに起因する位相特性のズレも正確に補正します。

  • * 「A.P.M.」は自動音場補正機能に組み込まれているので、動作させるには自動音場補正を実行してください

「サウンド・オプティマイザー」は、映画制作時の音量と再生時の音量の違いが原因で発生する聴感上の周波数特性の違いを補正する世界初の機能です。音量の変化により、低音や高音が聴こえにくくなる人間の聴感特性に対して、聴感補正フィルタをリニアに変化させて補正することで、正確で高性能な聴感コントロールを行います。これまで、こうした聴感補正は、フロントやサラウンドスピーカーの能率(出力音圧レベル)の差が大きすぎるため、十分な補正ができず効果も得られにくいものでした。しかし、STR-DN1040では、自動音場補正機能「アドバンスドD.C.A.C.」 での測定時に各スピーカーの能率を測定することで、あらゆる音量に対して、位相の変化にも対応した最適な聴感補正カーブを発生させる仕組みを開発・搭載しました。

たとえば小音量での再生では、低音不足や音の響きなどの微細な情報が聴こえにくくなり、スケール感や空間の広がりが失われがちですが、「サウンド・オプティマイザー」(*)が最適な聴感補正を行うことにより、小音量再生時でも、作り手が意図したバランスで映画特有の臨場感や音場感などを損なうことなく楽しむことができます。 「サウンド・オプティマイザー」(*)は「A.P.M.」とあわせて、ホームシアターが抱える問題点を解決する機能です。

  • * 「サウンド・オプティマイザー」は自動音場補正機能の測定値を基準に補正を実行しますので、動作させるには自動音場補正を実行した上で、アンプ本体のフロントパネルかリモコンのボタンで「サウンドオプティマイザー」を「LOW」または「NORMAL」にしてください

フロントハイ・スピーカーを利用して、センタースピーカーの音像位置を好みの高さまで引き上げる機能です。一般的に画面の下に配置されることが多いセンタースピーカーは、映画のセリフなどのセンターの音が画面の下から聴こえがちです。「センタースピーカーリフトアップ」は、これを0(off)、1-10のステップで調整ができ、ほとんどのケースで画面の中心付近までセンター音像位置を引き上げ、映像と音像を一致させることができます。

映画館の臨場感豊かな響きを再現する「HD-D.C.S.」

ホームシアターではサラウンド側の高さ感は比較的再現しやすいですが、画面側の高さ感の再現はとても難しいものでした。ソニーは、映画館の臨場感豊かな響きを再現する「HD-D.C.S.」に、フロントハイスピーカーを利用し、画面内の高さ感を再現する「フロントハイ」モードに対応。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)の協力でおこなったダビングシアター「ケリーグラントシアター」の測定データを詳細に解析し、スクリーン内の高さ感を表現している反射音成分を改めて抽出・再現したことで、まさに映画館が持つ高さ感を表現することが可能です。

  • ※ 「HD-D.C.S. フロントハイ」は、フロントハイ・スピーカー接続時のみ対応

ピュアダイレクト・ホールモードなどコンテンツに合わせた臨場感をお楽しみいただける、さまざまなサウンドフィールド機能を搭載

アナログ音声入力ソースの選択時、信号経路をアナログ出力回路に直結して最短距離での信号伝送を行い、デジタル信号に対しては、イコライザーやDSP処理をかけず、データをそのまま再生するピュアダイレクトモードを新採用。信号経路の短縮に加えて、本体の表示窓を消灯し、デジタル系ノイズの干渉を受けない、より純度の高い再生品質を実現しました。

Pure Directを選んだ場合
●アナログ入力の場合
Pure Direct = 2ch Analog Directと本体の表示窓を消灯。
●デジタル入力の場合
1:サウンドフィールドをAFDにする。
2:EQ,Sound Optimizer, AAVがOFF。本体の表示窓を消灯(*)。
2ch Analog Directはアナログ入力の時にしか働きませんが、Pure Directではアナログ/デジタル両方の入力のケースで機能します。
デジタルの処理をしないのは素の音を聞けるメリットに加えて、DSPエンジンの仕事が減るのでデジタルノイズの発生が減るメリットがあります。
本体の表示窓を消灯するのは、表示窓を点灯させるときの電流がなくなるメリットがあります。

  • * DCAC (PEQ and APM)とDLLは保持される

ホームオーディオ機器にポータブルオーディオ機器を繋いだ場合に、音の広がりが失われたように聴こえることがあります。これは、ポータブルオーディオ機器に音源を記録する際の圧縮時に、高域信号が失われるためです。そこで、高域を補正することにより、そのような音楽データでも豊かな音質で再生することができるようになります。

新開発の「リニア広帯域パワーアンプ」を開発、搭載しました。従来のモデルより約20%以上高い200kHzの広帯域を実現。これまで以上に音場のフォーカス感を向上し、抜けのよい高音質を楽しめます。

高音質を支える回路設計

7.1chパワーアンプ回路とオーディオ入出力基板には、ESシリーズでも採用される高強度なガラスエポキシ基板を採用。基板の強度を高めることにより振動の影響にも強くなったほか、電源ノイズの影響も従来の約1/10以下となり、ボーカルの定位の向上や、広々とした空間表現、濁りのない美しい音色の再現ができます。

ヒートシンクは、一枚のアルミ版にアーチ形状を持たせるように折り曲げ加工をほどこしてから、厚み4ミリのアルミベースに装置した、高音質「ラウンドコルゲート」ヒートシンクを採用しました。フィンにラウンドアーチを持たせ、フィンの枚数を共鳴しにくい適性な数にすることや圧着部分を改善するなど、不要振動を低減します。スピーカーの音圧に起因するフィンの分割振動が少ないので、音の色付けが少なく、きわめて良好なフォーカス感、エア感を再現します。

パワーアンプ回路は、TA-DA5800ESと同じくガラスエポキシ基板にフルディスクリート構成の回路を実装しています。これにより、信号経路やグラウンド経路の最短化を達成し、ノイズの影響をさらに低減し、純度の高い信号増幅を可能にしました。

厳選した高音質パーツ

新開発の大型ブロックコンデンサーをアンプ用電源供給回路に採用しました。大容量に加え、音質まで吟味して開発されています。また、抵抗器も新規に開発。塗料の材質など生産工程も改善することで、極めて音質に優れた特性を備えています。こうした音質に優れた専用部品を贅沢に使用することで、より優れた音質を追求しています。

クラス最大級の容量の大型電源トランスは、巻線にムラなく均一にワニスを塗布するため、真空含浸処理を行いました。トランスから発生する電磁ノイズが回路ブロックへ悪影響を及ぼすことを防ぐため、銅板のショートリングを珪素鋼板のハムプルーブベルトでラッピングしました。これらにより、豊かな低音と繊細な高音を両立。広がりの豊かなステージ空間に、楽器とボーカルが鮮明に浮かび上がる立体感のある音場再生が楽しめます。

オーディオ製品の製造において、最も重要なパーツがはんだです。何千箇所にも及ぶ信号経路上の部品を接続するのがはんだであるため、その品質がアンプの性能に大きな影響を与えます。ソニーでは、2005年モデルからソニーで独自開発した音質専用はんだを採用してきましたが、さらなる高音質を追求し、TA-DA5800ESで開発した「高純度無鉛高音質はんだ」を採用しました。はんだの母材となるすずに純度99.99%以上の超高純度材を採用し、高純度無酸素度や微量元素を高音質化を考慮して配合することで、より自然で豊かな音質を実現しました。

左…旧世代:有鉛はんだ 中央…第一世代:オーディオ用無鉛はんだ(2003年以降) 右…“ES”無鉛はんだ(2012年から)
左…旧世代:有鉛はんだ 中央…第一世代:オーディオ用無鉛はんだ(2003年以降) 右…“ES”無鉛はんだ(2012年から)

耐震性に優れたシャーシ

従来からのFB(Frame and Beam)シャーシのコンセプトをより理想形に近づけた新設計のシャーシを採用。エンボス加工によって設けられたビーム(梁)はシャーシの左右両端まで伸び、トランスの重量を強固に支えるとともに、アンプ回路への不要な振動の伝播を遮断するように最適な配置としています。トップケースも鋼板の厚みを増やし、従来モデル比で約30%重いものを使って筐体の構造を強化しました。高剛性化と厳重な振動対策により、豊かな量感と歯切れ良い音の再現を両立しています。

インシュレータも新規に開発。スピーカーの音圧による振動を減少させ、シャーシに伝わりにくくする効果を高めました。シャーシに取り付けるための穴は円の中心からずれた位置におかれており、円周と、構造強化用に設けられたリブの厚みも各部で同じにならないように考慮されています。

従来HDMI系とDAC系の二枚の基板で構成していたデジタル系基板を、一枚の4層基板に集約することで、信号経路長を極限まで短縮しました。特に音質上重要なD/Aコンバーター部のグランドには、太さφ1.6ミリのOFC銅の導体線を基板上にマウント。グラウンドとDAC IC、DAC ICとオーディオ用DSPの電気的距離を限りなくゼロとすることで高音質を実現しています。また通常DAC基板上に配置するアナログローパスフィルタをオーディオ基板上に配置したセパレートD/Aサーキット構成を新たに採用。繊細なアナログ回路をデジタルノイズから徹底的に保護することで、高音質を獲得しています。