「映像のもつ無限の可能性を追求し続ける」ことをモットーに、ウエディングを中心としたムービー撮影を請け負ってきた映像制作会社・株式会社ムーブ。今や多くの結婚式で見られるようになったエンドロール動画も早くから手掛けており、現在は名古屋・大阪を中心に事業を展開しています。そんなムーブが、新郎新婦にとって2度とない瞬間を美しく確実に記録するために選んだカメラはもちろんα。ここでは、その導入に至る背景から、大量の機材をどのように管理・運用しているのかまでを、同社ウエディング事業部取締役本部長の石野 浩一 様に語っていただきます。
目次
―まずはムーブがαを選ばれた理由を教えてください。
取締役本部長
石野 浩一 様
石野:ムーブでは2002年の創業当時からソニーのカメラを使っています。もちろん、当時はまだαはありませんでしたからビデオカメラなのですが、今から6年ほど前に「シネマエンドロール」というサービスを始めるに際してデジタル一眼カメラの導入を決断し、他社一眼レフも比較検討したうえで、αを選択しました。
αが他の選択肢と比べて優れているのは何と言っても機動性。披露宴会場ではエンドロール制作のための場所を確保するのが難しく、作業用の小さなデスクの上に編集用のノートPCを置くと、それだけで一杯になってしまうんです。そこで我々の場合、カメラを固定した一脚をそのまま脚で挟んで抱え込むような姿勢で作業を行うのですが、一般的な一眼レフカメラではボディが大きすぎて操作の邪魔になってしまいます。さりとていちいち一脚から取り外して床置きすると今度はフットワークが損なわれてしまい……。
また、ブライダル動画撮影の現場では、カメラジンバルや外部レコーダー、マイク、『DSC-RX0』のようなサブカメラを装着することも多く、ただでさえセットのサイズが大きくなりがち。ムーブには女性カメラマンも多いので、小さく軽いということはそれだけで大きなメリットになります。
―現在、ムーブではどれくらいの台数のαを、どのようにして運用しているのですか?
石野:契約している全ての結婚式場がフル稼働したことを想定したセット数を保有しています。1つのセットはボディが2台と標準ズーム、望遠ズームの組み合わせ。それが38セットあるので、ボディは76台あるということになりますね。もちろん、現実的に全てが稼働するようなことはないのですが、余剰分が故障時などを見据えたバッファとなっています。
なお、ボディはその都度、新しいものを選択しているため、『α7 II』『α7S II』『α7 III』が混在するかたちとなっています。管理のしやすさやバッテリーなどの周辺機器のとりまわしを考えれば、最初に購入した『α7 II』に統一した方が良いのでしょうが、社の方針として機材がアップデートされることによって生まれる可能性を追求していきたいと考え新旧機材を混在させています。『α7 II』に『α7 III』を加える際に一番悩んだのはバッテリーの形状が変わり共有できない事でした。ここはメーカーさんになるべく変えないようにしていただきたい。(笑)。
―これらの機材をどのように追加していったかも教えてください。
石野:取引先の結婚式場が増えるタイミングで必要となるボディとレンズをソニーストアから購入しています。商売道具としてのカメラをメーカーと直接話し購入できる機会があるのはありがたいです。
支払いに関しては毎回、それなりに大きな金額にりますがリースバックという少し特殊な仕組み(顧客が購入した機材を信販会社に売却し、リース料を支払う形で使用可能にする方法。不動産や自動車などで使われることが多い)を使って経費化しています。この際、リース期間が60回(5年)となるのが少々悩ましいところです。
製品がどんどん進化していくことも考えると、現在ソニーストアでBtoC向けに提供している「残価設定クレジット」のような形態で3年程度の期間でリース購入ができればメリットは大きいと考えています。
―故障時の修理対応はどのようにされていますか?
―ムーブにおける今後のαの活用についても聞かせていただけますか?
石野:実は今年、ムーブの関連会社、株式会社Vibrantが沖縄本島読谷村に「スタジオ シエロ・イ・マーレ」、宮古島に「シエロ・イ・マーレ MIYAKO」をオープンし、フォトウェディングという新しいサービスを提供開始しています。こちらは、ムーブの蓄積したムービーのノウハウを軸に、海辺のリゾートというロケーションを活かし、ドローンを使った空撮、美しい自然をバックにしたスチル撮影も行い、式場でのウエディングムービーとは一味違った感動をお客様に提供していこうと考えています。もちろんそこで使われるカメラはα。屋外で機動性を活かし、静止画もムービーもということであれば、やはりαが良いだろう、と。ムーブの蓄積したムービーのノウハウを横展開するかたちで、さらにαを活用していく予定です。
使用機材紹介
株式会社ムーブ
スタジオ シエロ・イ・マーレ
シエロ・イ・マーレ MIYAKO
※本ページ内の記事・画像は2020年3月に行った取材を基に作成しています。
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