法人のお客様[法人向け] カメラ 事例紹介 日産自動車株式会社 様

事例紹介

日産自動車株式会社 様

デザインから
開発プロセスの
記録まで
αの
プロフェッショナル
モデルが
一貫して支える、
日産自動車の
ものづくり

「アリア」や「リーフ」、「サクラ」といった100%電気自動車から、「フェアレディZ」のようなスポーツ&スペシャリティカーまで、先進的かつ先鋭的なラインアップで多くの自動車ファンを魅了する日産自動車。その車体デザインから顧客とのタッチポイントの創造までを手がけるグローバルデザイン本部では、2018年以降、αをメインのカメラとして活用しています。デザインモデルの撮影からその開発過程の記録までを担うカメラにαが選ばれた理由を、同本部のリーダーの一人である五十嵐 孝行 様と、フォトグラファー 井町 静夫 様に伺いました。

一眼レフからミラーレスに
一新したことで叶えられた
サイレント撮影や
手ブレの低減。
フラグシップモデル
『α1』『α9 II』が
プロフェッショナルな現場で
求められた理由

―まずはαをどういった用途でお使いになられているのかを聞かせてください。

インタビュー風景の写真

日産自動車株式会社
グローバルデザイン本部
デザインリアライゼーション部 主担
五十嵐 孝行 様

五十嵐:主に、デザイン制作のために行われる、モックアップと呼ばれるデザインモデルの撮影と、デザインを選定する会議やプレゼンテーション、実際の開発現場といった開発の裏側を伝えるための記録などに使用しています。これらは極めて秘匿性の高い情報のため、グローバルデザイン本部内の井町ら専任フォトグラファーによる撮影チームで対応しています。

―デザインモデルの撮影や開発過程の記録という大役にαを選んでいただけた理由を教えてください。

日産自動車株式会社
グローバルデザイン本部
デザインリアライゼーション部
井町 静夫 様

井町:我々がαを初めて手にしたのは2018年で、当時の『α9』に衝撃を受けました。それまでは他社の一眼レフを使っていたのですが、ソニーのミラーレスカメラが先行して実現していたサイレント撮影やブラックアウトフリー連続撮影、リアルタイムトラッキング、瞳AFといった機能が我々の用途に合致すると考えて導入しました。

また、デザインモデルの撮影では撮った写真を大きく拡大して細部を確認することが多く、1ドットのブレも許されません。従来の一眼レフはミラーアップ時の振動(ミラーショック)によるブレを防ぐのが大変だったのですが、ミラーレスカメラならその心配は不要です。そして、サイレント撮影が可能になったことで、イベント時に動画と静止画を両方同時に撮影することができるようになりました。インタビュー動画の撮影中などにシャッター音が入らず、便利です。そのほか、一眼レフと比べてミラーレスカメラは、本体サイズが小型軽量なため扱いやすいです。

―現在はどのαをご利用いただいていますか?

インタビュー風景の写真

井町:いままで『α7R III』と『α9』を使っていましたが、2022年4月に『α1』を2台、『α9 II』を3台導入しました。レンズは今回導入分と以前から所有している分を含め、幅広いバリエーションを所有しています。デザインのエクステリア撮影には望遠ズームレンズの『FE 70-200mm F2.8 GM OSS II』、インテリア撮影には広角ズームレンズ『FE 16-35mm F2.8 GM』の使用が多いです。また、イベント撮影には標準ズームレンズ『FE 24-70mm F2.8 OSS』と望遠ズームレンズを主に使用しています。加えて最近、マクロレンズや単焦点レンズも追加で導入し、撮影の表現の幅を増やしています。このようにレンズラインアップが豊富なこともαの強みだと感じています。

解像度の高さや
ダイナミックレンジの広さが
こだわったデザイン設計に
活かされる

―まずは、デザインモデルの撮影においてαのどのような点が役立っているのか聞かせていただけますか?

井町:まずは、ダイナミックレンジの広さが挙げられると思います。エクステリアの撮影時に、車体に太陽光が当たると人間の目では形が見えても、画像では飛んで消えてしまうことがあります。太陽光が当たったときのハイライトの入り方やグラデーションなど、微妙な色合いなどを正確に再現するために、RAWで複数枚撮影してから編集ソフトで加工し、デザインモデルを制作しています。そのため、ダイナミックレンジの広さがデザインする上でとても重要です。

インテリア撮影についても、純正レンズの解像感の高さもあって、質感や線を細かく表現できるので、表面素材の検討などに適していると感じています。たとえば、足元のマットやシート部分など素材自体が黒く、黒つぶれがしやすいパーツでも一本一本の表皮やラインなどを表現できます。

そのほか、細かいところでは『α9』から『α1』になり、ファインダーの解像度が上がったことで、マニュアルフォーカスでのピント合わせがさらにしやすくなりました。
そして、何より大きかったのが『α1』でいよいよ8K 30pのビデオ撮影が可能になったことです。

―8K 30pビデオ撮影はどういった用途に使われているのですか?

五十嵐:オフィスには、自動車を実寸サイズで表示できる大きなスクリーンを備えた会議室があり、開発中のモデルを撮影した動画を重要な意思決定を行う役員会議などで使用することがあります。
この際、それに耐えうる高精細なビデオソースが必要で、8K30pビデオ撮影機能がマッチしました。

―従来と比較して8K 30pは体感に変化はありましたか?

五十嵐:没入感が素晴らしく、開発中のモデルが実際にそこに存在するかのように映し出すことができ、デザイン確認や評価に効果をあげています。

ブラックアウトフリーや
AF性能が失敗できない
一度きりの撮影で活躍

―次に、開発過程の記録において役に立っている機能について具体的に聞かせていただけますか?

井町:会議やプレゼンテーションなどの撮影で発言者のベストな1枚を確実に捉えるためには、高速連写での撮影が欠かせません。デザインを説明する際に、大きな身振りや手振りが発生することがあります。そのため、連写中でも被写体を捉えられるブラックアウトフリー連続撮影機能は重要です。それに付随して、被写体を自動で追い続けるリアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AFなどの優れたAF機能も役立ちます。瞳AFの機能は他社製品にもありますが、ソニーはとても高精度で確実にピントを合わせてくれるところが気に入っています。

さらに、カシャカシャとシャッター音が鳴り響くと、発言者はどうしてもカメラに気が取られてしまいますから、冒頭で述べたようにサイレント撮影は必須の機能です。

―最新αの導入によって、これまでのワークフローにどういった変革がありましたか?

井町:AFなどの基本機能が最新世代にアップデートされたことで、多くの撮影が快適になりました。特に、フリッカーレス撮影機能が大きく進化しており、屋内撮影などで発生しがちなチラつきを、これまで以上に抑えてくれるようになりました。そして、『α1』に関しては加えて、電子シャッター使用時でもフラッシュ撮影が可能になったことで、作業現場でクリップオンストロボを使いながらサイレント撮影するなど、被写体を意識させない自然な撮影ができるようになりました。

―最後に、今後、日産自動車がソニーやαに期待する事を聞かせてください。

井町:一眼レフは、フィルム時代の延長線で作られているイメージが強く、我々の使い方においては物足りなさを感じることが少なくありませんでした。その点、αは、ここまででお話ししたように実際の利用シーンを想定した便利な機能がたくさん盛り込まれていて、技術者の想いやこだわりを強く感じています。今後も、いろいろな面白い、役立つ機能を提供していただきたいです。

五十嵐:今、日産自動車のものづくりは、最新のデジタル技術を活用し、フィジカルとデジタルの融合による開発を推進しています。その結果、スチルの撮影方法も大きく変わってきました。たとえば、これまでは実車を屋外に持ち出して撮影していましたが、今は屋内の大きなスクリーンの前に実車を置き、背景を自在に変えながら撮影することも増加しています。今後はそうしたデジタル時代ならではのさまざまなデバイス、ソフトとが統合されたソリューションについてソニーさんと連携しながら探求していけることを期待しています。

使用機材紹介

ILCE-1

デジタル一眼カメラ
α1

商品情報 別ウィンドウで開きます

※デジタル一眼カメラ αサイトにリンクします

ILCE-9M2

デジタル一眼カメラ
α9 II

商品情報 別ウィンドウで開きます

※デジタル一眼カメラ αサイトにリンクします

日産自動車株式会社

https://www.nissan.co.jp/別ウィンドウで開きます

※本ページ内の記事・画像は2022年12月に行った取材を基に作成しています。

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