法人のお客様[法人向け] カメラ Camera Remote Toolkit Camera Remote SDK 導入事例 双葉電子工業株式会社 様

導入事例CASESTUDY

事例紹介

双葉電子工業株式会社 様

αとCamera Remote SDKを搭載したドローンを屋外で操作する様子

国産の産業用ドローンに
『ILX-LR1』を搭載
高解像度を保ちながら、
飛行時間と運動性能の向上を実現

ホビーラジコン用の送受信機メーカー「ラジコンのFutaba」として、国内外に広く知られる双葉電子工業株式会社。近年、産業用ドローン市場に参入し、ドローン機体や送受信機の開発・販売、OEMを手掛けています。今回、自社開発ドローンにレンズ交換式フルサイズ業務用カメラ『ILX-LR1』を対応させました。開発経緯やカメラ選定などについて、システムソリューション事業センター ロボティクス開発部 部長の植村 千尋 様、同部の鈴木 貴之 様、石井 剛 様にお話を伺いました。

『Camera Remote SDK』で
開発スピードの向上とコストの削減

ー国産機への要望が高まり、ドローン機体の開発に参入

双葉電子工業株式会社 社員

双葉電子工業株式会社

システムソリューション事業センター

ロボティクス開発部

(左から)石井 剛 様、鈴木 貴之 様、植村 千尋 様

植村さん:当社のホビーラジコン用の送受信機は、ドローンにもそのまま使われている商品で、当初は送受信機メーカーとしてドローン市場との関わりがありました。機体への参入は2016年頃から始まり、市場やお客様から国産のドローンへのご要望が高まったことがきっかけです。現在は、主に産業用ドローンの開発、販売およびカスタム対応を事業化し、当社の次代を担う新規事業の柱のひとつに位置づけています。

産業用ドローンのイメージ

産業用ドローンは、点検・測量・監視や、消防・防災系の用途に向けてペイロード(最大積載量)4kg〜10kg程度の機体を展開しています。点検用途では橋や道路などのインフラ関連、ビルやプラント、送電・発電設備などが挙げられます。防災系では災害発生時の状況のモニタリング、緊急時の物資輸送、被災状況のチェックなどに使われています。

ーαシリーズのカメラは共通のソフトウェアで運用できる

ドローンとαシリーズの組み合わせのイメージ

植村さん:当社は従来、点検用途など高画質が要求されるドローンに『α7R IV』を採用していました。αシリーズは、画像・映像面でのスペックの高さが大きな魅力になっています。ソニーとは定期的な意見交換を以前からしており、その中で同じαシリーズの『ILX-LR1』を知りました。

石井さん:『ILX-LR1』は『α7R IV』用のソフトウェアをほぼそのまま使えますので、容易に開発を進めることができます。シチュエーションに合わせてカメラを付け替えて運用する際にも、αなら共通のソフトで対応できます。納期の短縮やコストの抑制をしながら、お客様のニーズに合わせたカスタマイズのご要望にも柔軟に対応できます。

ーLinux公式対応で自由度の高い『Camera Remote SDK』

双葉電子工業株式会社 社員

石井さん:ソニーの『Camera Remote SDK』はカメラをコントロールできる自由度がとても高いため、ドローンに搭載するカメラ選定の重要な要素になっています。シャッタースピード、絞り値、ISO感度など、SDKを使って制御できる項目が多いのもいいですね。メーカーが公開している利点です。
また、Linux OSに公式対応していることも魅力です。私の知る限り、Linuxに対応したSDKを公開しているカメラメーカーはほとんどありません。他社でも一部使えるSDKはあるのですが、公式にLinuxの対応を謳っているのは貴重な存在です。

ー同じ機体でカメラやレンズを選択し、用途幅を増やす

ドローンのイメージ

植村さん:当社では、お客様の用途や、どのような画像が必要になるのか、離隔距離、画角などのご要望を伺って、目的に合ったものをご提案しています。
『ILX-LR1』はEマウント用の交換レンズを使うことができます。撮影シーンに合わせて、レンズを付け替えられるのは大きなメリットです。

石井さん:αシリーズ以外では、『Camera Remote SDK』対応のデジタルスチルカメラ『RX0 II』も採用しています。同じ機体でカメラやレンズを選択できることはご要望に応えるための大きな強みにもなっています。

『ILX-LR1』の採用により、
飛行時間の延長と運用の効率化へ貢献

ー大幅な小型軽量化で飛行時間の延長に貢献

ドローンを操作している写真

植村さん:『ILX-LR1』は、必要不可欠な部分をしっかりと残しながら、モニターやビューファインダー、グリップ部などをそぎ落とし、バッテリーを省いて外部給電を採用したことにより、大幅な小型・軽量化が図られています。その形状も影響していると思いますが、カタログスペック以上に小さく感じました。

ドローンのイメージ

カメラの重量は、特に飛行時間に大きく影響します。わずか数十グラム軽くなるだけで、数分の飛行時間が延長され、飛行距離にすると数百メートルの差が生じます。結果、トータルの飛行回数を減らせるなど、効率を大幅に向上させることができます。

鈴木さん:操縦時の機体の運動性能もアップしました。慣性モーメントが大きく軽減され、実際の数値以上に軽量化のメリットを感じています。また、電源や画像出力などのコネクタが左側背面にまとめられており、配線の取り回しがとてもしやすいです。機体との接続時の作業性も良くなりました。

ドローンに乗せたILX-LR1のイメージ

石井さん:お客様の声として、カメラのバッテリーを入れたまま保管してしまい、いざ飛ばす際にドローンは飛行できても、カメラのバッテリーが充電不足になるケースをよく耳にします。また、ジンバル部分に載せたままだと、脱着がしづらいため、バッテリーが入れ替えしにくいこともあるようです。『ILX-LR1』なら、ドローン本体のバッテリーからの給電が可能なため、人為的なミスの発生も抑えられます。本体のバッテリーだけをチェックすれば、飛行と撮影が可能になりました。

αシリーズならではの
高解像度・高画質性能

ー従来機を踏襲した高画質撮影

植村さん:画像、映像については、小型軽量でもデータ上での違いは全くありませんでした。『α7R IV』と同じ有効画素数約6100万画素フルサイズイメージセンサーにより、高画質を求めるお客様のニーズにもしっかり対応しています。

ILX-LR1とα7R IVの撮影比較イメージ
双葉電子工業株式会社 社員

鈴木さん:画素数が多いこととフルサイズセンサーのおかげで、撮影対象からの距離を十分に取ることができ、オペレーターにも大きなメリットになっています。点検用途では、壁面のひび割れをチェックしたいというご要望が多くありますが、0.5ミリ幅のひび割れを確認する場合、従来はドローンを1m〜2mまで近づかせる必要がありました。これが3m〜5m離れても撮影できるようになることで、安全性は大きく向上します。測量用途では上空から地面をなめるように真俯瞰で撮影し、つなぎ合わせて使用するケースがあります。高画素であるほど撮影枚数を減らすことができ、加工処理も容易になります。画質とコントロール性能は産業用ドローンの絶対条件で、『ILX-LR1』はその要望に応えてくれました。

ー『ILX-LR1』がもたらす今後の産業用ドローンの可能性

双葉電子工業株式会社 社員

植村さん:カメラに限らず、これまでは、従来あった手動用や据え置きのデバイスをドローンにそのまま積んで飛ばす、といった運用が多かったと思います。ドローンやロボット用に特化したデバイスが開発されることで、機体の開発や運用の効率が高まることは間違いありません。特に撮影、測定等の電子デバイスを必要とする用途では、その恩恵が大きいと考えられます。
『ILX-LR1』は、ソニーがドローンでの使用を念頭に開発したカメラと聞いています。カメラメーカーが産業用にリリースした、という事実は、大きなインパクトがあります。

ドローンを操縦する双葉電子工業株式会社 社員

実際のところ、発売が発表された当日に、お客様から『ILX-LR1』を搭載したドローンの発売予定や、ドローンの機種を問わないのでこのカメラ搭載時の見積がほしいという問い合わせがいくつかありました。お客様の注目と期待も、とても大きいですね。
ドローン市場全体に対する他のデバイスの戦略、さらに言えば産業用ドローンそのものに対する市場の期待度にも、大きな影響を与えると感じています。
ドローンは、今後さらに生活や生命にも密接に関わる重要な位置づけにあり、やりがいのある分野です。当社は今後、国産のドローンメーカーを牽引しつつ成長し、事業を通じて社会に大きく貢献したいと考えています。

使用機材紹介

レンズ交換式フルサイズ業務用カメラ
ILX-LR1

商品情報

※インテグレーション専用カメラ サイトにリンクします

双葉電子工業株式会社

双葉電子工業株式会社

企業 HP:https://www.futaba.co.jp
ドローン専用サイト:https://skybuddy.futaba.co.jp/

※本ページ内の記事・画像は2024年1月に行った取材を基に作成しています。

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