導入事例CASESTUDY

事例紹介

国際航業株式会社 様

エアロセンス株式会社 様

火山災害対策ソリューションに貢献
高速飛行するVTOL型固定翼ドローンに『ILX-LR1』を搭載

浅間山は日本有数の活火山であり、その噴火による被害を防ぐための様々な事業が国土交通省をはじめとした行政機関により行われています。国際航業株式会社は、噴火時の防災対応において重要となる『立入規制区域内の降灰の厚さ』と『安全かつ迅速に把握する手法』を検討する業務を国土交通省利根川水系砂防事務所より令和6年度に受託し、その後エアロセンス株式会社とタッグを組み、この難しい課題に取り組んでいます。現場で活躍するのは『ILX-LR1』を搭載したエアロセンスのVTOL型固定翼ドローン「エアロボウイング(AS-VT01K)」です。今回は『ILX-LR1』の導入理由や魅力について、国際航業株式会社国土保全部の金井 啓通 様と皆川 淳 様、エアロセンス株式会社 代表取締役社長 の佐部 浩太郎 様、VTOLプロダクトマネジャーの今井 清貴 様、オペレーターの小畑 すみれ 様に伺いました。

VTOL型固定翼ドローンを活用した火山防災

ー土木インフラ系コンサルと、VTOL型固定翼ドローンメーカーが協業

国際航業株式会社 事業統括本部

国土保全部 総合防災グループ 火山担当部長 皆川 淳様

国際航業 金井:当社はもともと航空測量を行っている企業で、測量関係の事業を幅広く手がけています。その中で私たちの部署では測量分野の技術力を活かした土木インフラ系のコンサルティング、なかでも特に火山や噴火などの防災関係の業務を担当しています。

国際航業 皆川:火山以外には砂防関係の調査、設計などの部門もあります。火山関係では現在8名で業務に取り組んでいます。

エアロセンス株式会社 代表取締役社長 佐部 浩太郎様

エアロセンス 佐部:当社はドローンに関連するソリューションを技術開発し、ドローンの販売やこれに付随するサービスを提供しています。今回使用したエアロボウイング『AS-VT01K』は、滑走路不要の垂直離発着と1フライト約50km、巡航速度約65km/hの高速飛行が可能なVTOL型固定翼ドローンです。

エアロセンス 今井:当社はメーカーとしてドローンの販売をしていますが、当社のパイロットによる運用ソリューションも提供しています。

エアロセンス 小畑:社長の佐部と私は、飛行機型無人機のパイロット資格を持っています。社内には他にも数名のパイロット資格保有者がいます。

ー防災コンサルとドローンメーカーの熱意が合致

エアロセンス株式会社

事業統括部 セールスユニット VTOLプロダクトマネジャー 今井 清貴様

エアロセンス 佐部:当社は国際航業様からの依頼を受けて、VTOL型固定翼ドローンを活用した浅間山の火山砂防に関するUAV調査を支援しています。そして、エアロボウイングのカメラとして2025年から『ILX-LR1』を搭載し、主に小畑の操縦で飛行しています。

エアロセンス 今井:3年ほど前、国際航業の金井さんから、火山の立入規制区域内の調査にエアロボウイングが活用できないか、打診をいただいたのがきっかけです。とても熱心に取り組まれていたのを今も覚えています。

フルサイズの『ILX-LR1』がもたらした鮮明画像

ーより高精細に撮影するために『ILX-LR1』を導入

エアロセンス 今井:クライアント様からのニーズにより高い次元で応えていくためにも、さらに高精細に撮影できないだろうかという思いを抱いていました。そんな中で『ILX-LR1』が発売され、期待に応えてくれるカメラだと実感し、社内に提案し導入しました。

エアロセンス 小畑:『ILX-LR1』は有効画素数約6,100万画素のフルサイズイメージセンサーを搭載しているため、従来搭載していたカメラよりも格段に解像度が高く高精細に撮影できるところが大きな魅力です。ぜひ試してみたいと導入を決断しました。

国際航業 金井:浅間山では、対地高度100m以上を飛行しながら、直径30cmの板に乗った直径10cmほどの物体の色や形を見る必要があったのですが、『ILX-LR1』で撮影したところ、既往のカメラに比べて明瞭に捉えていて目的を達成することができました。

(画像提供:国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所)

GPS高度:2164.1m(絶対高度)

国土地理院:2047.1m(海抜)

撮影高度:約117m

レンズ焦点距離:35mm

F値2.8、ISO100、SS1/800

エアロセンス 小畑:連続撮影速度が3.0コマ/秒というのもうれしいですね。(※3コマ/秒での定速連写機能を持っており、連続撮影枚数を気にすることなく撮影が可能)エアロボウイングは時速約60~80kmほどの高速で飛行しているのですが、くっきりと撮影できています。対地高度が高いところから広範囲に撮影したカットでも、被写体が潰れることなく鮮明に撮影できました。

ー『ILX-LR1』のさまざまなメリット

エアロセンス 小畑:フルサイズならではの高解像度と、3.0コマ/秒のドライブ性能以外にも、『ILX-LR1』のメリットはあります。レンズが交換できるのもそのひとつです。
通常は『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA』という単焦点レンズを使っています。フルサイズなので、レンズの種類が豊富にラインアップされているのがうれしいですね。明るめのレンズが欲しいときや、高い高度や低空など、飛行の状況に合わせ、適したレンズに柔軟に変えて撮影しています。撮影方法に選択肢がいくつもあるところが、『ILX-LR1』の良さだと思います。

エアロセンス株式会社

セールスオペレーションユニット オペレーター 小畑 すみれ様

エアロセンス 佐部:ドローンの高速飛行中でも、『ILX-LR1』はフルサイズで高感度耐性が高いため、シャッタースピードを上げてもきれいに撮影できます。感度を高くした状態で、シャッタースピードをものすごく速くしても、しっかりときれいに写ると分かっていますから、とても安心感がありますね。
また、このドローンは1kgまで搭載できます。『ILX-LR1』が約243g(※ボディのみ)と軽量なのも大きなメリットです。

ー浅間山の撮影現場に求められるドローンとカメラ

国際航業 金井:万が一、噴火した際に山頂周辺の火山灰の厚さを把握する手法を検討するのが今回の目的でした。既存の回転翼のドローンでは規制のため立ち入れなくなるのですが、エアロボウイングなら遠隔地から火口周辺まで長い航行距離を飛行可能です。
また、国土交通省が開発した降灰厚計測指標を確実に撮影するため、『ILX-LR1』が大きな役割を果たしてくれました。「長く飛べて、よく撮れる」という、今回の業務に求められていた要件に合致しました。

日本の火山防災で信頼されるソニー製カメラ『ILX-LR1』

ーソニー製カメラへの信頼

国際航業株式会社

事業統括本部 国土保全部

総合防災グループ 火山担当チームリーダー 金井 啓通様

国際航業 金井:私が入社した当時の空撮機材にもαシリーズが採用されていたのですが、今回のカメラ機材もソニーと聞いて、なるほど、やはりカメラはソニーなのだなと思いました。

国際航業 皆川:カメラの性能が上がることは、業務に大きく貢献しますから、当社としても受注が増加し、よい循環になります。また、日本の火山防災という面でも、大いに役立てられます。

『ILX-LR1』を搭載したVTOL型固定翼ドローンの未来

ー『ILX-LR1』とエアロボウイングで広がる可能性

国際航業 金井:火山防災以外にもさまざまな用途が考えられます。例えば、登山道の案内標識には定期点検が必要となることが想定されます。地上を歩いて点検するのは大変ですが、ドローンを活用して上空から点検すると省力化が図れると思います。

国際航業 皆川:さまざまな災害対応や、防災にも有効だと思います。実証を積み重ねていくことで、災害時にできることが広がっていくでしょう。また、施設点検などにも利用できます。

エアロセンス 佐部:定期的に撮影をし、その結果を積み重ねていくことで、万が一、噴火があった際に、そのビフォー・アフターを比較できるようになります。平常時から何度も飛行することで、住民の皆様にも防災や減災のためにドローンが飛行していることをご理解いただけると思います。

使用機材紹介

レンズ交換式フルサイズ業務用カメラ
ILX-LR1

商品情報

※インテグレーション専用カメラ サイトにリンクします

国際航業株式会社

国際航業株式会社

https://www.kkc.co.jp
エアロセンス株式会社

エアロセンス株式会社

https://aerosense.co.jp

※本ページ内の記事・画像は2025年4月に行った取材を基に作成しています。

導入事例 資料請求
使用機材はこちら