SONY

BE MOVED RX cyber-shot

Photographer's interview 写真家インタビュー

対談 Photographer × 開発者

写真家 福田健太郎

ソニー株式会社 RX100 IVプロジェクトリーダー 皆見利行

ファインダー、オートフォーカス、使い心地など細部にもこだわりました(皆見)

もうひとつ、多くのRX100ファンに喜ばれたのが、ファインダーの向上ですね。

作例5

福田 今回の撮影のような山の上だと明るい空が反射してしまうので、背面モニターではつらい時があります。そこでファインダーを引き出して、電子ビューファインダーできちんとフレームを決めることができます。被写体に対応しやすくなっています。

皆見 RX100 IVはファインダーの画質も向上させました。解像度を144万ドットから235ドットに進化させたので、より立体感を得られるようになったのではないでしょうか。われわれは、どのような明るさでもフレーミングでき、撮影するときは画質設定を反映した結果を見ながら撮影できるというところが電子ビューファインダーの一番良いところだと思っているのですが、電子ということで目が疲れたり、使いにくいと言われることのないよう、特にこだわって開発しています。その考えをRX100 IVでも大切にし、ファインダーを進化させています。

福田 カメラを振ったときにもすごく自然な感じですね。明るくてクリアだし、見やすくて長時間でものぞきやすくなっています。

皆見 福田さんが撮られたこの山の写真も、たぶん背面モニターだと、影になっている山の部分は真っ黒で見えないと思います。フレーミングはできても、ここに何が写っているかはPCで再生するまでわからない。このファインダーなら撮るときも撮った後もすぐに確認できます。

福田 これは強い光にカメラを向けていますが、そのまぶしさも電子ビューファインダーだから防げます。光学ファインダーだと明る過ぎて見ていられない、背面モニターだと全く見えない。そういうところまで見ることができるということです。風景のなかの霧の状態とか、細部をしっかりと確認しながらきちんと完成形を生み出せるというのは心強いですよね。

オートフォーカスの速度も向上しています。

作例6

福田 このトンボなんかも、ピント合わせに時間がかかると逃げてしまったかも知れません。低照度、暗い日陰の写真ですけど、小さな凹凸もキャッチしてくれて素早くピントが合いました。

作例7

福田 月夜の写真でもオートフォーカスを使っています。こういったのっぺりとしたシーンではオートフォーカスがうまく合わずイライラしてしまうところですが、RX100 IVはしっかりピントを拾ってくれました。マニュアルフォーカスにする必要性はほとんどないぐらいです。このオートフォーカス機能は新しいものなのですか?

皆見 今回、ファストインテリジェントAFをRX100 IVにも搭載することができました。RX100 IIIと比べて体感的に速くなったと感じていただけると思います。

福田 それは動いている被写体に対して有効な機能なのですか?

皆見 動いている被写体だけでなく、止まっている被写体に対しても 速くなっています。あらかじめ狙おうとしている被写体のピント位置をカメラが自動的に推定します。ユーザーの方がここを撮りにいくだろうというところを予め推定してフォーカスレンズを一気に動かしています。その推定アルゴリズムにも我々のノウハウがつまっています。また、今回はフォーカス追従連写の性能も飛躍的に向上しています。それはシステム制御の改善とイメージセンサーの進化が合わさって実現したものです。さらに、これも気づいて頂けるとうれしいのですが、連続撮影をしたとき、以前はモニタリング画面のアイコン表示部分もブラックアウトしていました。それが気になるというお客様のご意見がありましたので、追従連写の性能アップと合わせて改善し、ずっと表示し続けるように改善しました。EVFをのぞいて連写撮影しても目が疲れにくいと思います。こういった細かい工夫をすることでさまざまな撮影機能を違和感なく使っていただけたら、嬉しいです。

今回、連写はピントを固定した場合で16コマ/秒と進化しましたね。

皆見 これはイメージセンサーの進化そのものです。これまでは1秒当たり10枚だったのですが16枚に増えました。モニタリング画面は動画を見ているような感覚で連写撮影できますので被写体を見失わずに捉えられます。

使い勝手の良いレンズ、フラッシュ。そして何よりも圧倒的な描写力(福田)

RX100シリーズの特長に触れながら、もう少し写真を見ていきたいと思います。

作例8

福田 RX100 IIIから広角側が24mmになりましたが、24mmはスケール感や大きさも出てくるので、こうした山の撮影では使うことが多いですね。この夜明けの写真も24mmで撮りました。
焦点距離は一番使う頻度の高いところを、きちんとカバーしてくれていると思います。

皆見 レンズ一体型カメラの開発はレンズの倍率だけがすべてではないと思います。絞り設定のフレキシブル性やMTFなどの解像性能にRXシリーズはとくにこだわっています。提供している焦点距離においては安心して使って頂けると思います。

作例9

福田 これも24mmで遠近感を出したものです。花に寄りながら、広角レンズなので広い範囲の風景を写すことができます。けっこう陰っていたので、内蔵フラッシュを使って手前の花に当てています。小さいフラッシュですが、光がちゃんと広がる設計になっていますね。

皆見 シャドウ部をちょっと持ち上げるなど補助的にも使えるように、フラッシュを内蔵するということはRX100 IIIの段階で特にこだわったところです。RX100 IIIではEVFを載せるから、ではフラッシュはどうするかという議論はありましたがあきらめるのではなく、あくまでオールインワンのパッケージを目指して搭載しました。福田さんにこういうシーンでフラッシュが役に立ったとおっしゃっていただくと、とても嬉しいです。がんばって良かった。

作例10

福田 RX100 IIIから搭載されているNDフィルターも使い勝手がいいですね。このスローシャッターの沢の写真もNDフィルターを使っています。高速シャッターもできるし、スローな描写もできる。この写真も1.6秒というスローシャッターで、この滑らかな描写に変わっています。この切り替えは、ファンクションボタンに置いておけば、バッと切り替えることができます。

画質という点でも、RX100シリーズは一貫して品質を保っていますね。

作例11

福田 花や葉っぱの写真を撮ると、1インチのセンサー、レンズと画像エンジン、全てが組み合わさって生み出されてくる、圧倒的な描写力がよくわかります。目に飛び込んで来るような写真です。

作例12

これは(写真下)日没直後の劒岳方向で、だんだん夜の空へと変わってくるころです。ISO3200でここまできれいに写りました。許容範囲は人それぞれだと思いますけども、ノイズも目立たないし、ISO3200でこのクオリティだったら十分だと思います。この感度だと普通に夜も撮影できてしまいます。これはさすがに三脚を使っていますが、スマートフォンだと即座に撮影をあきらめる暗さですね。