写真家の想いと作品

広田尚敬/一枚一枚、丁寧に撮りたくなる。RX1は、そんなカメラですね。

Profile:1935年東京生まれ。1960年よりフリーランスの写真家として活動。1968年の初個展「蒸気機関車たち」で独自の表現世界を展開して評判となる。1988年に設立された日本鉄道写真作家協会の初代会長をつとめるなど「鉄道写真の神様」として日本の鉄道写真界を牽引してきた。著書に『永遠の蒸気機関車』(JTBパブリッシング)、『電車大集合1616』(講談社)、『Fの時代』(小学館)など多数。

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ビューファインダーを使い分けるのも面白い。

撮影地:古町

今回の伊予鉄道の旅では、電子式と光学式の2種類のビューファインダーを使って撮影しました。電子ビューファインダー(EVF)はピント位置やぼけ方、色味などを高精度なファインダー表示によって正確につかめるので、複雑な画面構成にしたい時にすごく重宝しましたね。特に、カメラの液晶が見えにくくなる明るい屋外では、EVFは必需品です。また、鉄道写真の撮影ではレリーズタイムラグが気になりますが、このEVFでは全く気にならず、狙った瞬間を撮影できました。一方、光学ビューファインダー(OVF)は遠くの列車を撮る時や、流し撮りの時に役立ちました。これは個人的な考えですが、昔から、OVFで列車の姿写真(列車中心の走行写真)を撮ると面白い写真になるんです。

OVFの視野率は100%ではありませんから、画面いっぱいに列車を撮っているつもりでも、周りが写ってしまいます。この周りに、その土地や時代の空気感が偶然写り込んでくるので面白いのです。この旅ではEVFとOVFを使い分けながら撮影できて楽しかったですね。

写真も、旅も、RX1なら両方楽しめるね。

RX1のコンパクトさのおかげで、レール脇の商店街や横町も軽快に巡れて、歩きながら撮影を満喫できました。

一眼カメラの場合、交換レンズなどが詰まった大きいリュックを背負いながらの移動となるので、行動半径も狭くなりがちですから。さらに、それ以上に荷物に余裕ができて、趣味の物を一緒に持ち歩けることがうれしかったです。今回、私は、好みのコーヒーカップやマイ箸などを持ち歩いて、撮影の合間や旅先のひとときを楽しんでいました。写真ばかりに集中する旅も良いですが、旅自体を楽しむことも大切。現地の方々と"今日はいい天気ですね"などと会話して撮影すると、いい写真が撮れるものです。ここの写真は全て道後温泉駅周辺で撮影したもので、右上の集合写真はまさに偶然の出会いから話が弾み、撮らせてもらいました。これもRX1の身軽さゆえ、心の余裕があったからこそ。と言いながらも、この後、SLがどうしても撮りたくなり、道後温泉には入湯せず、そっちに急行してしまいましたが…(笑)。RX1は写真も、旅も、両方楽しめるカメラでした。

撮影地:道後温泉

いつも持ち歩いて、日常に埋もれていたシャッターチャンスに出会おう。

当たり前ですが、写真はカメラを持っていないと撮れません。
しかし、大きくて重い一眼カメラだと、今日はカメラを置いていこうかなという時もありますよね。
RX1なら、いつでも持って行けます。
いつもカメラを持っているからこそ、例えば鉄道写真であれば、試運転電車に遭遇したときにすぐに撮影できるのです。
日常に埋もれていたシャッターチャンスに出会い、今までにない解像感で、いい作品に仕上げる。
さあ、RX1を持って街に出よう。

広田尚敬

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