写真家 高橋良典

写真家 高橋良典

1970年、奈良県生まれ。2000年よりフリーの写真家として独立、写真事務所「フォト春日」を設立。カレンダー・ポスター等へ作品を提供。また、写真雑誌や出版物への写真提供及び原稿執筆を行う。自分が生まれ育った奈良県の撮影と並行して自然の織りなす旋律をテーマに撮影を続ける。2018年、2019年CP+ソニーブースにてセミナー登壇。
(公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・ソニーイメージングプロサポート会員・αアカデミー講師

レンズの表現力で、
撮る楽しさが

さらに深まる

私はG Masterに出会ってから、撮ることがさらに楽しくなりました。絞り開放からの高い解像感と、ぼけの美しさはもちろんですが、AF性能にも優れているので、風に揺れる花びらのような、以前なら撮れないとあきらめていた被写体にも、あきらめずに挑戦できるようになりました。G Masterが表現の幅を広げてくれることで、被写体を積極的に見つけようとする意欲も湧いてきます。この春はぜひ、レンズの力を活用して写真表現をさらに高め、撮る楽しさをさらに深めてほしいと思います。

FE 16-35mm F2.8 GM

広角ズームレンズ

FE 16-35mm F2.8 GM

風景撮影では定番の広角ズームレンズですが、目線の高さを変えることで、一味違った風景写真を
撮ることができます。16mmから35mmの焦点域は、さまざまなシーンに対応でき、
使いやすくおすすめです。広角レンズは、開放F値が明るいほど、表現の可能性が広がります。
開放F値2.8の明るさがあれば、思い通りのぼかし表現も可能です。

木霊が仰いだ
春の光

α7R III,  FE 16-35mm F2.8 GM,  16mm,  F11,  1/250秒,  ISO400

α7R III,  FE 16-35mm F2.8 GM,  16mm,  F11,  1/250秒,  ISO400

地面ぎりぎりの高さから見上げるように撮影することで、いつもとは違った風景に出会えました。群生しているミツマタの中から、枝振りの良い1本を選び、チルト式の液晶モニター越しに、枝の広がりが一番感じられるアングルを探っています。人間の視野よりも広い16mmの画角で切り取ることで、肉眼では見えない景色を捉えることができました。目線を高くするのには限界があるので、まずは低い位置から試してほしいと思います。画面中央付近に太陽がありますが、逆光耐性に優れているG Masterなら、心配なくカメラを向けられますね。

春陽に華やぐ、
こぼれ桜

α7R III,  FE 16-35mm F2.8 GM,  33mm,  F2.8,  1/750秒,  ISO400

α7R III,  FE 16-35mm F2.8 GM,  33mm,  F2.8,  1/750秒,  ISO400

この作品も、かなり低い位置から撮影しています。焦点距離16mmでは白っぽい空の分量が増え、桜の密集感が薄れてしまうので、33mmで撮影しました。35mmまでの焦点域をカバーできるレンズなら、こういった場合でもレンズ交換なしで対応できるので便利です。広角レンズで背景をぼかすには、まず最短撮影距離まで被写体に近づき、被写体から背景までの距離を長くとること。このレンズは開放F値2.8と明るいので、背景をより大きくぼかせます。G Masterならではの美しいぼけ味で、主役の桜の花を際立てることができました。

使用したレンズはこちら

FE 16-35mm F2.8 GM

高解像と鮮鋭感を追求した大口径広角ズームレンズ

FE 16-35mm F2.8 GM

SEL1635GM

FE 16-35mm F2.8 GM
FE 24-70mm F2.8 GM

標準ズームレンズ

FE 24-70mm F2.8 GM

焦点距離24mmから70mmの標準ズームレンズは、広角域から中望遠域までカバーでき、
オールラウンドに活用できる1本。開放F値2.8の明るさがあれば星景撮影もでき、撮影領域が
さらに広がります。絞り開放からの解像性能や逆光性能に優れているレンズなら、
さまざまなシーンに幅広く対応できます。

春雨の夜、
花と光の競演

α7R III,  FE 24-70mm F2.8 GM,  58mm,  F8,  65秒,  ISO800

α7R III,  FE 24-70mm F2.8 GM,  58mm,  F8,  65秒,  ISO800

夜の吉野山。雨が降っていて遠景がかすんでしまい、本来は撮影に向かないコンディションでしたが、長時間露光することで雨がベールのような効果を生み、ライトアップの光に光芒が現れました。ISO感度は露光時間とのバランスを取りISO800にとどめました。暗いシーンではISO感度を上げることを考えがちですが、ISO感度を上げずに長時間露光するという選択肢があると、夜の撮影がもっと楽しめると思います。雨の日は撮影しないという方も多いと思いますが、雨じゃないと撮れない風景はたくさんあります。雨の日こそ撮影に出かけてほしいと思います。

なごり雪に寄りそう
流れ雲

α7R III,  FE 24-70mm F2.8 GM,  25mm,  F16,  1/8秒,  ISO400

α7R III,  FE 24-70mm F2.8 GM,  25mm,  F16,  1/8秒,  ISO400

うっすらと雪が積もった4月のある日。手前にあるのは啓翁桜、その奥にはモクレンやサンシュユの花が咲いていました。当初は手前の花だけを撮影していたのですが、背景の雲の形が変化していることに気付き、急遽、縦位置にして雲を主役に撮影しました。被写体だけに集中していると、思いがけない撮影のチャンスを見逃してしまうことがあります。撮影中も周りの状況を見ることを心がけています。薄く積もった雪をG Masterがしっかり描き切ってくれました。高い解像感で、雪の冷たさまで伝わってくるようです。

使用したレンズはこちら

FE 24-70mm F2.8 GM

シャープネスと描写力を備えた大口径標準ズームレンズ

FE 24-70mm F2.8 GM

SEL2470GM

FE 24-70mm F2.8 GM
FE 70-200mm F2.8 GM OSS

望遠ズームレンズ

FE 70-200mm F2.8 GM OSS

望遠ズームレンズは、大きな前ぼけや後ぼけが作りやすいので、
主役となる被写体を際立てたいときにおすすめです。近接撮影能力に優れたレンズなら、
ぼけ表現の幅がさらに広がります。ズーム全域開放F値2.8の明るさと、ぼけ味の美しさも、
ぼけ表現をより一層豊かにしてくれます。

ふんわりと旅立ちの
風を待つ

α7R III,  FE 70-200mm F2.8 GM OSS,  198mm,  F2.8,  1/350秒,  ISO400

α7R III,  FE 70-200mm F2.8 GM OSS,  198mm,  F2.8,  1/350秒,  ISO400

タンポポの綿毛を真上から撮影。背景のピンクは、地面に散った桜の花びらです。タンポポは背が低く、綿毛のてっぺんから地面まで、わずか10cm程度しかありません。通常はここまで大きくぼかすのは至難の業ですが、レンズの力を借りることで、散った桜を後ぼけに生かすことができました。このレンズなら、背景が地面だからぼけないという先入観を捨てて、新しい表現に挑戦できます。ピント位置は綿毛の中心に。自然なぼけ味で綿毛のやわらかさが表現できている一方で、ピントが合っている中心部はシャープに描かれていて、G Masterの描写力の高さを実感しました。

幻ゆらめく
晩春の夢

α7R III,  FE 70-200mm F2.8 GM OSS,  200mm,  F2.8,  1/30秒,  ISO1600

α7R III,  FE 70-200mm F2.8 GM OSS,  200mm,  F2.8,  1/30秒,  ISO1600

背景に玉ぼけがある状態でマニュアルフォーカスに切り換え、少しずつ被写体からピントを外していくと、多重露光のようなおもしろい表現になります。ピントが合っていなければいけないという概念にとらわれず、背景に玉ぼけが現れたら、あえてピントを外してみるのも楽しいと思います。玉ぼけのサイズが小さいと、花の大きさとのバランスが取りにくくなりますが、このレンズは開放F値2.8と明るいので、玉ぼけを大きく表現できます。また、美しいぼけ味も、このレンズの魅力。シルエットにふんわりとかぶるような、やわらかなぼけが気に入っています。

使用したレンズはこちら

FE 70-200mm F2.8 GM OSS

圧倒的な描写力とAF性能。大口径望遠ズームレンズ

FE 70-200mm F2.8 GM OSS

SEL70200GM

FE 70-200mm F2.8 GM OSS
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

超望遠ズームレンズ

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

常識にとらわれない風景写真の撮影に役立つ、超望遠ズームレンズ。
焦点距離が長ければ長いほど、切り取りの自由度が高まります。
焦点距離400mmの超望遠ズームレンズなら、より高い圧縮効果を取り入れることも可能。
さらに、AF性能に優れていれば、撮影できるシーンが格段に増やせます。

風に漂う、
ひとひらの桜

α7R III,  FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS,  400mm (APS-Cモード600mm相当),  F9.5,  1/350秒,  ISO1600

α7R III,  FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS,  400mm (APS-Cモード600mm相当),  F9.5,
  1/350秒,  ISO1600

クモの巣にかかった桜の花びらを撮影。はらはらと落ちる花びらを写し止めたような表現ができました。背景の玉ぼけは、側溝に落ちた桜の花びら。きれいな場所ではありませんが、積極的に被写体を見つける目線を持つことで、撮影の可能性はどんどん広がります。花びらが風でかなり揺れていたのですが、カメラとレンズの高速・高精度なAFが力を発揮。手持ち撮影だったので、カメラも少々動いていますが、一度捉えた花びらを追随し続けて、しっかり描き切ってくれました。AF性能に優れたαとG Masterの組み合わせでなければ撮れなかった一枚だと思います。

春色に包まれる、
山の残花

α7R III,  FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS,  276mm,  F11,  1/125秒,  ISO400

α7R III,  FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS,  276mm,  F11,  1/125秒,  ISO400

5月、まだ咲き残っていた山桜を撮影。花が咲いていないからと撮影をあきらめず、周りを見渡して被写体を探してみることが大切です。ツツジの花の赤と葉の黄緑を前ぼけにして、桜を春で包み込むようなイメージを表現しました。絞りはF11に設定。ぼけを表現するとき、絞りを開けたほうが良いと思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。αはファインダーでぼけ具合が確認できるので、絞りを変えながら好みのぼけ具合を探ってみてほしいです。F11に絞っても、ぼけが硬くならないのが、このレンズの魅力。露出補正は±0に。やや明るめに設定することで、春の晴れやかな感じが表現できました。

使用したレンズはこちら

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

高速・高精度なAFとシャープな描写を両立した超望遠ズームレンズ

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

SEL100400GM

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

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