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商品情報・ストアデジタル一眼カメラ αもっとαを楽しむ 貫井勇志-“α”で撮る世界遺産

貫井勇志 “α”で撮る世界遺産

対談 貫井勇志 X “α900”開発者

安心の手ぶれ補正

世界初35mmフルサイズ手ぶれ補正 SteadyShot

貫井 勇志 手ブレ補正機能のメカニズム

(1)縦軸駆動アクチュエータ
(2)横軸駆動アクチュエータ

貫井

我々にとっての手ブレ補正は、一言で言うと「安心感」です。魚眼レンズ、ワイドレンズ、望遠レンズを多用していく中で、フルサイズで安心してシャッターを切れることは仕事中のストレスを軽減してくれ、撮影に集中出来ますからありがたいですね。

廣田

フルサイズでシャッター速度に換算して約2.5〜4段分の補正が可能になったことは、撮影可能領域の拡大を意味します。確かに、手ブレ補正機構付きのワイドレンズは豊富に存在するとは言えませんから、今回フルサイズでワイド系レンズ使用時にも安心して撮影出来るようになったことは、意味が大きいと思います。
実は、高速シャッター速度の領域と低速シャッター速度の領域では、同じ補正段数と言っても技術的には全く異なるのです。一般的に手振れが発生するシャッター速度は使用するレンズの35mm換算焦点距離に対して1/焦点距離と言われています。35mmフルサイズの“α900”では、APS-Cサイズのカメラと比較すると、同じ焦点距離のレンズを使っても相対的に焦点距離が短くなり、同じ補正段数を確保する為には、より低いシャッター速度の領域での対応が必要になるのです。
これに対し、我々はメカ機構・アクチュエーター・制御の目標仕様をAPS-Cサイズのカメラより高いレベルに置いて取り組んできました。その結果として、ワイドレンズでも十分な効果が得られるようになりました。ワイド系レンズでも、APS-Cと同等以上の効果が得られる手ぶれ補正機能が達成でき、フルサイズならではの撮影領域の拡大に寄与できたと思っています。

手ブレ補正ユニット

(上)35mフルサイズ手ぶれ補正ユニット
(下)APS-Cサイズ手ぶれ補正ユニット

貫井

手ぶれ補正の機能は撮像素子が大きくなることで小型化が難しかったのでは?

廣田

おっしゃる通り、イメージセンサーが大きくなって一番苦労したのは、手ブレ補正ユニットの小型軽量化です。しかし過剰な小型軽量化は、補正性能が犠牲になってしまいます。
開発に当っては「機構の大型化を防ぐために、手ブレの補正段数が前機種ほど取れなくなってしまいました」とは絶対言うまいと心に誓いました。性能と小型化の両立狙いです。
イメージセンサーがAPS-Cから35mmフルサイズへ大きくなったのに伴って、補正機構は面積だけでなく、体積も非常に大きくなっています。これまでセールスポイントの中心だった手ブレ補正機能も、今となってはあたりまえの地味な機能になってしまいましたが、これだけ大きなものを今までと同じように地味に動かすことは実は大変なことなのです。
部品としてユニットを見ると「大きい」と言われるのですが、開発者にしてみれば「小さい」のです。「イメージセンサー比では小さい」、そこを強調したいですね。また「大きく重い」ことは消費電力の面でも不利ですから、スタミナ面でも小型軽量化の必要がありました。開発時からイメージセンサーの部隊と何度も議論を重ねて、センサー自体の小型軽量化にまで踏み込んでいます。

廣田 敏彦 手持ちで撮影する

手ぶれ補正機能があると、足場の悪いところでも撮影できるので構図が広がります。

貫井

レンズ内手ぶれ補正だと、そういった苦労もなかった?

廣田

レンズ内補正には、それ方式固有の苦労があると思います。レンズ内に手ブレ補正機構を持つことにより、光学性能を犠牲にしていると言われる方もいらっしゃるように、各機構には一長一短があると思います。“α”のボディ内手ぶれ補正機構は、多数の部品と複雑なメカニズムを、ボディ内にいかに精度良く収めて高い補正性能を出せるかというところに苦労とチャレンジがありました。我々は、フルサイズカメラでも全ての“α”レンズで手ぶれ補正を可能にしたいというこだわりがありましたので、苦労も多かったですが、その結果として、全“α”レンズに対応したフルサイズ手ブレ補正が達成できました。特にワイド系レンズでの補正は、フルサイズ・ボディ内手ブレ補正搭載の“α900”ならではといえる部分だと思います。
“α900”の手ブレ補正への取り組みは、基本路線を踏襲しました。イメージセンサーの巨大化により他部品も大きくしなければならない苦労はあったものの、基本となる構造は極力変えず、それぞれの技術はこれまでの経験やノウハウを活かしながら少しずつ性能を上げるアプローチを取りました。大きく機構を変えることによって何か解決できないデメリットを発生させるよりも、これまでの機構で見つかったデメリットを徹底的に潰すことで信頼感を高めることを選んだ結果、35mmフルサイズでも今回の段数効果の性能が達成できたのです。

貫井

かつてプロカメラマンにオートフォーカスは不要と言われた時代もありましたが、今では普通に使われ、ココと言うときにはマニュアルでピント合わせをするにしてもロケハン時などはオートフォーカス任せが主流になっています。同じように手ブレ補正があると「安心して撮影に集中できる」と言うのが事実と感じています。後になって撮影した写真を見たときに、「おっ、気にせずに撮ったのにちゃんと止まっている」と驚くことがあります。本当にすごい機能です。

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