商品情報・ストアデジタル一眼カメラ αα99 開発者インタビュー
第1回 コンセプト編 史上最高の画質を目指した“α”の新フラッグシップ機、α99

“9”は“α”にとって特別な数字だ。“9”のナンバーをつけた“α”には、シリーズのフラッグシップ機として常に最高の表現力と最先端の撮影体験が求められる。階調を豊かに記録し大判印刷でも解像感を失わない新開発の有効2430万画素 35mm“Exmor”CMOSセンサー。19点位相差AFセンサーとイメージセンサー上の102点位相差AFセンサーが被写体を捉える世界初※のデュアルAFシステム。映像に新しい表現をもたらすフルHD動画撮影機能など。α99は高い表現力にくわえてさまざまな先端技術と撮影機能を備えている。高画質に磨きをかけるとともに最先端の技術を積極的に導入し、“α”史上最高の表現力を求めたα99。その探求の原動力はいったいどこにあるのだろうか。
*フルサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラにおいて(2012年10月発売予定)

伝統の“9”のナンバーがつく“α”のフラッグシップ機に求められるものとは

──“α”にとって“9”のナンバーがついたモデルは、頂点を意味するだけでなく、生み出される写真やカメラそのものに対しても特別な思いを感じます。

内田:α99は“α”シリーズのフラッグシップですので、“α”史上最高の画質を達成することは当然、という気持ちでした。プリントした際に思わず手を伸ばしてしまうような解像感や、薄い花びらの1枚1枚に立体感を感じるような階調表現を実現しています。そして写真表現力と同時に、“α”だからこそ、ソニーだからこそ実現できる撮影体験を追求しました。

──これからα99が“α”シリーズを代表する存在になるわけですが、ソニーのカメラだからこそ得られる撮影体験とはどういったことが挙げられますか?

内田:現在の“α”シリーズは「トランスルーセントミラー・テクノロジー」をはじめとするソニー独自の技術によって従来の一眼レフカメラとは異なる価値を提供していることが特長のひとつです。ファインダーから見える風景をそのまま写真にできる電子式ビューファインダー、動く被写体にも確実にフォーカスを合わせ続ける追尾フォーカス、そして新機能のデュアル位相差AFなど。“α”史上最高の画質と、革新的な技術を採用した“α”ならではの機能があわさることで、α99は新しい写真の表現と撮影体験を提供します。

──α900の登場からすでに4年が経過しており、その間“次のフラッグシップ”を求める声は多く聞かれていましたが。

漆戸:「次の“9”はいつ出るんだろう?」という期待は近年痛いほど感じていました(笑)。お客さまの声からは高画質への期待はもちろん、新しい撮影機能、ワクワクするような新技術を期待していることがひしひしと伝わってきました。しかし、伝統の“9”を背負う“α”は並みの高画質や新技術だけではお客さまの前に出すことはできません。カメラは究極としては表現の道具であり、狙った表現の写真が自在に操れることで初めて“名機”となります。そして表現力や使いやすさの先にある、“使って心地いい”という感覚を実現しなくてはなりません。開発にあたっては企画、開発、デザインと関係者全員がαの最上位を開発するのだということを念頭に、納得いくまで検討し仕上げました。

写真の表情は、イメージセンサーやレンズだけでは生まれない

──APS-Cサイズのイメージセンサーと比較して約2.3倍も大きい35mmフルサイズセンサーの画質についてお聞かせください。

漆戸:デジタル一眼カメラの写真には多くの要素が求められますが、特に解像度の高さとノイズの少なさは重要な要素です。解像度と低ノイズを両立する道には終わりがありません。イメージセンサーの大きさが同じなら解像度を高めれば写真に解像感があらわれますが、画素は一つひとつが小さくなってノイズが乗りやすくなります。35mmフルサイズセンサーでは、同じ解像度であればAPS-Cサイズセンサーより画素一つひとつを大きくできるため、非常にノイズが少なく階調性の良い写真を撮影することができます。もちろん、ぼけの表現できる幅が広いこともフルサイズセンサーのメリットとして挙げられます。

内田:イメージセンサーの解像度の高さを優先するか、それとも低ノイズを重視して画素の一つひとつを大きくするかは技術的に両立が難しい問題ですね。理想とする写真の表現にも左右される問題でもあります。かといってどちらかをないがしろにすることはできません。ですから企画担当者としては当然「両立してくれ」といいます。

──技術陣は、この難しい課題に対してどのように立ち向かったのですか?

漆戸:課題を解決するには多くの要素に取り組む必要がありますが、まず高解像度と低ノイズを実現できるイメージセンサーと、多量のデータを高速で高画質に処理ができるフロントエンドLSIと画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」を開発する所から始めています。いずれもソニーでは自社開発しているので独自の最新技術を注ぎこんで開発しました。しかし、これだけでは目的を達成できません。これらの技術を使って今まで以上に多くのシーンでテストとチューニングを繰り返し行ない、要求に応えられるレベルに仕上げることで課題を解決しました。

有留:カメラの表現力はイメージセンサーの性能だけで決まるものではありません。画像処理エンジンや操作インターフェースと、いろいろな要素が絡みあったものがデジタルスチルカメラであり、何かひとつが突き抜けて素晴らしければ全体がよくなるというものではないんです。イメージセンサー、画像処理エンジン、レンズとソニーの持つすべての技術を結集して、それぞれの長所を組みあわせることで必ず最高のものができると信じていました。

フラッグシップの誇りと心地よさの追求から生まれたデザイン

──α900のボディデザインはペンタプリズム部が特長的でしたが、α99のボディはα77やα65など最近の“α”シリーズのデザイン系譜を踏襲している印象ですね。

小幡:ソニーロゴを配した前頭部やグリップ上部をシャープなラインで構成し、外に向かうほどになだらかな曲面となるような「テンサイルスキン(tensile skin)」のデザインを基調にしています。「テンサイルスキン」はイメージセンサー、シャッター、グリップなどカメラを構成する要素のすべてが一体になった、“α”シリーズの特徴的なデザインコンセプトです。その上でフラッグシップ機という強いテーマを主張するためにソニーロゴ上部のみにエッジを利かせています。

──フルサイズセンサーを搭載しているフラッグシップ機ということでα99のボディサイズや重量は当然大きく、重くなっているものと思いますが、手に取った感覚ではそういった印象はありませんでした。

有留:フルサイズながら軽量・コンパクトにしたいという思いは開発の当初からありました。内部を見ると、本当にギッシリと詰まっています。かといって小型化を最優先したのかというと、そういうわけではありません。たとえばグリップ部はα77と同じ形状・大きさに見えますが、より手になじみやすいようにあえて高さを増しています。

──シャッターボタンの周りや背面のボタン類などをよく見ると、ボタンの周囲に起伏が設けられていたり、ボタンとボタンの間に段差があったりと、「触っている感触」がはっきりとわかるインターフェースになっています。

小幡:操作のしやすさは撮りやすさに直結する重要な要素のひとつです。α99のボタン配置などのインターフェースは、ファインダーを覗いている状態でも迷わずに使用できること。つまりボタンを目で見て確認しなくても、隣りあって配置されたキーは指先で触れただけでわかるようキートップの形状を微妙に変えています。ボタンやキーの高さにも高低のアクセントをつけているので、よく使うキーにはすぐ触れることができます。また、親指で操作する背面ダイヤルも大きく自然に動かせるように斜めに配置しています。カメラは表現のための“道具”ですので、心地よく使えてこそデザインの良さが生まれてくると思います。快適に使えたうえで愛着がわくデザインを目指しました。

“α”の頂点を極めたα99に込められた開発陣の誇り

──画質、使いやすさ、デザインとすべての面で究極を目指して生み出されたα99。“α”シリーズの集大成であり、頂点でもあるα99を手に取ろうとしている方に向けてお伝えしたいことを聞かせてください。

漆戸:α99は表現力の高い写真を撮影するためにイメージセンサーや新システムだけでなく、操作性や手になじむデザインなどすべての面で最高のものとするために、非常に多くの要素を新規開発しています。ソニーならではの技術とそこから生まれる新しい表現、機能はα99の魅力のひとつです。写真を撮る、撮影者の思いをかたちにする道具としてα99は必ず満足してもらえると思います。

内田:写真もそうですが動画の撮影にもこだわっています。とくに「トランスルーセントミラー・テクノロジー」が可能にした常時AFで、α99は“ハンディカム”を使う感覚で大判センサーや交換レンズ特有の、ハイクオリティな動画を撮ることができます。レンズ表現の違いを動画でもぜひ体験してください。写真ユーザーは動画の楽しさを、動画ユーザーはデジタル一眼カメラのもたらす新しい動画表現をα99で味わってほしいですね。

小幡:フラッグシップ機としてα99は力強いデザインと使いやすさを両立できたと思います。ボタンの配置、感触などぜひ一度手にとって確かめてほしいと願っています。カメラに一家言ある人もきっと納得してもらえるはずです。

有留:α99は性能、機能、使いやさとすべての面でα900の後継機として、“α”の9ナンバーとして最高のカメラができたと思います。α900を使っておられる方はもちろん、ほかの“α”からのステップアップする時もきっと満足してもらえるはずです。α99の35mmフルサイズセンサーの画質は、新次元ともいえるほどの美しさです。そのちがいをぜひ体験してみてください。

4年ぶりに登場した“α”シリーズのフラッグシップ機。期待が大きければ大きいほどプレッシャーもまた大きくなるものだが、開発陣から出てくる言葉はすべて自信にあふれたものだった。“α”史上最高画質を実現するために搭載された35mmフルサイズセンサーと画像処理エンジン「BIONZ」。被写体をとらえて離さない世界初(※)のデュアルAFシステム。ソニー独自の「トランスルーセントミラー・テクノロジー」など──。そこに込められた技術の数々が彼らの自信の裏付けとして説得力を放っている。そして開発者の想いは、すべてα99のボディに詰まっている。
*フルサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラにおいて(2012年10月発売予定)

  • Facebookでシェアする
  • Twitterにツイートする
  • mixiに投稿する
  • Google+でシェアする
ページトップへ

αはソニー株式会社の登録商標です。