法人のお客様メディカル関連機器 評価レポート・事例紹介 東京女子医科大学附属足立医療センター 様

東京女子医科大学附属足立医療センター 様

国内病院最大規模*
IPベースの4K対応医療映像プラットフォーム
NUCLeUSを導入

東京女子医科大学附属足立医療センター様は三次救急まで備えた地域の基幹病院です。2022年1月の新築移転開院に合わせて、医療映像プラットフォーム「NUCLeUS ニュークリアス」を導入して、手術室12室/ハイブリットER/血管撮影室などの映像をIPネットワークで一元管理することを実現されました。IPベースで構築する医療映像システムとしては国内病院最大規模*であり、手術中には術野の4K高精細映像をスイッチング出力して大型モニターに鮮明に映し出し、同時に院内にリアルタイム配信しています。録画映像は電子カルテと連携されており、カンファレンスや教育にも活用されています。導入を推進された病院情報システム室 宮田様、小林様、遠山様に、NUCLeUS導入の経緯や効果についてインタビューしました。
*ソニー調べ(2022年3月29日現在)

東京女子医科大学附属足立医療センター
病院情報システム室
課長補佐 宮田 英明 様 (写真中)
医療情報技師 小林 百合子 様(写真左)
遠山 恭朗 様(写真右)

導入システム概要

医療映像プラットフォームNUCLeUSの詳細はこちら

導入の経緯

医療映像システムの導入検討は新病院開院の3年前から始めました。いくつかのベンダーの中から3社に絞り込み、デモンストレーション選考会を開催して、医師/看護師/技師など関係者を集めて比較評価をしました。ベースバンドではなくIP化によるLANケーブルでのシンプルな運用、鮮明な4Kライブ映像、高い技術力による映像プラットフォームの将来の拡張性がソニーを選択した主な要因です。

新病院の情報システム構築にあたっては、新規・既存含め60を超えるシステムの導入、移設プロジェクトが同時進行し、新しいシステムの実現に向けて職種を越えて協力してきました。NUCLeUSにおいては、電子カルテや麻酔記録との連携を、病院情報システム室主幹で実現できたことで、スムーズに導入することができました。

導入後の効果

鮮明な術野映像を共有でき、教育にも役立つ

医師からは「画質が鮮明で良い」と高い評価が得られています。手術室の立ち位置によって、執刀医以外は術野を直接見ることは難しいですが、天吊りや壁に設置した大型モニターに4K術野カメラからの映像を映し出すことで、手術に参加している全員が術野の状況を把握できるようになりました。また、HDR機能により血管の細部や色味などが正確に見られるので、研修医などへの教育にも映像が活用されています。

タッチパネルで映像切り替え、自動録画、ケーブル配線もスマートに

手術中のモニターへの映像切り替えは、主に看護師がタッチパネルで操作しています。ソニーによる事前トレーニングの実施や、稼働後の手術現場に立ち会ってもらったことで操作に慣れることができました。

録画については麻酔記録システムの手術開始と連動しているので、録画ボタンの押し忘れといったことがなくなりました。

配線についてはIP化されたことにより複数の規格のケーブルから正しいものを探す手間もなくなり、LANケーブルを指定のポートに差し込むだけになり、IT機器に詳しくないスタッフでも間違いなく準備できるようになりました。万一、断線してしまった場合でも市販されている一般的なLANケーブルなので素早く安価に交換できます。

手術室外の院内業務も効率的に

手術映像が院内の配信専用モニターにライブ配信されることで、スタッフステーションなどにいても手術の進行状況が正確に把握できるようになりました。旧病院の頃は、内線電話で確認したり手術室の前まで行って状況を確認していましたが、そんな手間やストレスはなくなり、必要な準備が素早くスムーズに進められるようになりました。

NUCLeUSは電子カルテシステムと連携させているので、電子カルテ端末を置いている場所であれば、プロジェクターや大型モニターに映し出して鮮明な映像を参照できます。医局や会議室、外来や病棟の端末からいつでも録画映像を確認することができます。

映像を残すことは医療安全につながる

患者様のプライバシー保護を第一にしながら、医師の利便性を優先して運用ルールを策定しました。誰が/いつ/どの端末で/どの映像を閲覧したかがわかるようにログ管理もしています。学会発表などでの録画映像利用におけるデータの取り出しについては院内での事前承認が必要であり、パスワードが設定された専用の外部記録媒体を使い、指定された場所に設置された専用端末でなければ取り出しできないようになっています。

これまでの数ヶ月運用してきて、NUCLeUSで映像を残せることは学会発表の他に、医療安全の面でかなり有用だという評価が院内から上がっています。手術後に医療過誤の疑いが発生した際などに録画映像で正確に検証して、有事の際の対応や証明ができるようになりました。

映像システムへの今後の期待

今回NUCLeUS導入に伴い、カメラ(MCC-S40MD)、モニター(LMD-X2705MD)、レコーダー(HVO-3300MT)などもソニー製を採用しています。
カメラへの今後の期待としては、状況に応じてカメラが自動で動いて被写体を追従してくれるようになったら便利です。心臓血管の手術などでは手術中に体位を頻繁に変えることもあり、その度にカメラ位置や角度を調整することが手間になっています。真上から術野を撮影している場合には執刀医の頭が映り込んで肝心なところが隠れてしまうこともあります。
また、録画映像の100TBを超える大量なストレージにおいても、自前でサーバー室を運用しているオンプレミスを続けていくよりも、今後はBCP対策などを考慮すれば、クラウド化していった方がベターだと考えています。
さらには、関連病院や外出先にて、許可されたモバイルデバイスによるライブストリーミングなど、遠隔医療の実現にも期待をしています。
ソニーには放送業界などで培った最先端の映像技術やノウハウを医療に役立てていって欲しいです。

医療映像プラットフォーム

NUCLeUS

商品情報

4Kビデオカメラ

MCC-S40MD

商品情報

27型4K液晶モニター

LMD-X2705MD

商品情報

3D HDビデオレコーダー

HVO-3300MT

商品情報