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あなたのα/サイバーショットが大活躍

お持ちのカメラと楽しむ天体ショー
“スーパームーン”撮影に挑戦 !

空気が澄んで夜空がますます美しくなるこの季節、星や月をキレイに撮りたいと思ったことはありませんか。11月14日には近年話題になっている天体ショー「スーパームーン」が楽しめます。そこで、お持ちのαやサイバーショットで月を美しく撮るテクニックをご紹介します。

“スーパームーン”は月をキレイに撮る絶好のチャンス

月と地球の距離は、常に一定ではないことをご存知でしょうか。月の軌道は楕円形なので、地球との距離が近いと大きく見え、遠いと小さく見えます。スーパームーンは地球に最も近づいた時に見られる天体ショー。最小時に比べて14パーセント大きく、30パーセント明るく見えるといわれています。星に比べて大きく明るい月は撮影しやすく、普段よりもさらに大きく明るいスーパームーンは、月をキレイに撮る絶好のチャンス。一眼カメラはもちろん、高倍率ズームのコンパクトデジタルカメラでも撮ることができます。お持ちのαやサイバーショットで、スーパームーンを撮影してみませんか。

月の撮り方はさまざま。
作品づくりを楽しもう

月はとても撮影しやすい身近な天体。α/サイバーショットユーザーのみなさんも、月の撮影を楽しんでます。ここでは、その作品の一部をご紹介。スーパームーンを撮影するときの参考にして、素敵な作品づくりにチャレンジしてみましょう。

αcafeでもっと作品を見る

お持ちのカメラでスーパームーンを美しく撮る方法

月は撮影しやすい身近な天体ですが、キレイに撮るためにはコツがあります。そこで、月を撮るのにおさえておきたいポイントを、フォトグラファーの中原一雄さんにお聞きしました。これからご紹介することを参考に、お持ちのαやサイバーショットでもぜひ試してみてください。

コンテンツ監修 フォトグラファー
中原一雄 氏

カメラと友達になるための方法を広めるために活動中のフォトグラファー。写真を通じた「成長」「喜び」を提供。著書「ソニー α7R II & α7S II パーフェクトガイド」ほか。

POINT 1

まずはお持ちのカメラがどこまで寄れるかチェック!高倍率ズームで、焦点距離が長いほど有利

月を撮影するなら、できるだけズームで寄れた方が迫力ある写真が撮れます。月の模様やクレーターまでわかるように写すなら目安として焦点距離は300mm(35mm判換算)はほしいところ。センサーサイズによって焦点距離の見方が変わってくるので下の表でお持ちのカメラやレンズがどこまで望遠撮影できるかチェックしてみましょう。

1.お持ちのカメラのセンサーサイズを確認

センサー
サイズ
機種 35mm判換算
焦点距離
1/2.3型
サイバーショット
HX/WX/Wシリーズなど
焦点距離
×
5.56倍
1型
サイバーショット
RX100/RX10シリーズ
焦点距離
×
2.7倍
APS-C
デジタル一眼カメラα
α5100/α6000/α6300など
レンズ
焦点距離
×
1.5倍
35mm
フルサイズ
デジタル一眼カメラα
α7シリーズ/α99IIなど
レンズ
焦点距離
×
1倍

2.カメラやレンズに記載の焦点距離(望遠側)を確認し、
センサーサイズに応じた倍率をかける

サイバーショットの場合

1/2.3型センサーのこのモデルは4.3〜86mmが焦点距離になるので、望遠側の86を5.56倍した「478mm」が35mm判換算の焦点距離になります。

αの場合

APS-Cセンサーのα6000にEマウント用レンズSEL55210を装着した場合、望遠側の焦点距離210mmを1.5倍した「315mm」が35mm判換算の焦点距離になります。

焦点距離100mm RX100シリーズなど

たとえば1型センサー搭載のRX100の光学ズームのカバー範囲は10.4〜37.1mm。35mm判換算では28〜100mmです。100mmで取れる月の大きさはこのくらいです。

焦点距離600mm以上 HX/WXシリーズ/RX10 IIIなど

超望遠域をカバーするRX10M3なら焦点距離600mmまで寄ることができ、クレーターもはっきり。高倍率ズームに特化したHX/WXシリーズなら30倍ズームモデルで750mmとさらに大きく撮れます。

焦点距離1250mm HX400V

焦点距離900mm以上になると月の地表の質感やクレーターの凹凸まで表現できる本格的な月の写真に。サイバーショットで最も高倍率な50倍ズームを搭載したHX400Vなら最大で1250mmまで寄れます。

※写真は焦点距離のイメージです

POINT 2

月の模様まで写すにはマニュアルモードで!
おすすめの設定から試してみよう

月を「オート」モードで撮ろうとすると、周囲が暗いのでカメラができるだけ明るく写そうとして月が白飛び(真っ白になってしまう)しやすく、またシャッタースピードも遅くなりブレた写真になりがちです。そこで「M(マニュアル)」モードで、月を撮るのに適切な数値を設定します。自分で調整となると難しそうに感じますが、まずはおすすめの数値に設定して撮影してみましょう。

※M(マニュアル)モードを搭載していないモデルもあります。その場合は「P」モードにして、露出補正をできるだけマイナスにして撮影してみましょう。

おすすめの設定

サイバーショットの場合
F5.6、1/800、ISO200
αの場合
F8、1/800、ISO400

設定の手順

1. 撮影モード「M」を選択
2. F値(絞り)をサイバーショットは「F5.6」、
一眼カメラは「F8」に設定
3. シャタースピードを「1/800秒」に設定
4. ISO感度をサイバーショットは「ISO200」、
一眼カメラは「ISO400」に設定

この設定であれば、手持ちでの撮影でも大丈夫。あとは一番望遠にして、シャッター半押しでピントを合わせて撮るだけです。ピントが合いにくい場合はフォーカスモードが「シングル AF」になっているかを確認。フォーカスエリアは「中央重点」にするか、「フレキシブルスポット」で月の位置に手動で合わせます。

月が暗く写る場合は……

実際に撮ってみて月の写りが暗いと感じたらシャッタースピードを調整。1/800の次は1/640、1/500と設定を変えて撮影しながら、ちょうどいい明るさを見つけましょう。シャッタースピードを遅くし過ぎると手ブレもしやすくなるので1/500まで落としても暗い場合は、ISO感度を少しずつ上げて調整しましょう。

月の色が違う場合は……

月の色が見た目と異なる場合は、ホワイトバランスを調整。ホワイトバランスモードを「曇天」や「日陰」にすると黄色味の強い色に。「電球」や「蛍光灯」にすると青白い色になります。

AWB

太陽光

電球

手ブレが気になる場合は……

月が何重にも写ったり輪郭がぼけていたりと手ブレが気になる場合は、手すりなどを利用して固定するか、三脚を使用。セルフタイマーも使えば、シャッターボタンを押す際の手ブレも防げます。

フォトグラファー中原一雄氏の1枚風景と一緒に
月の大きさを際立たせる

月は空高くにあると小さく見えますが、地上の建物など比較できるものと一緒に写すとスーパームーンの大きさをより際立たせることができます。ただし、月の明るさと建物などの明るさが通常は釣り合うことがないため、普通に撮影すると月が明るくなりすぎたり、建物が暗くなりすぎたりと、月を単体で撮るよりも難易度が上がります。ちょっとした準備や設定が必要になりますが、風景と一緒に撮れるようになると月の撮影の幅が大きく広がります。ぜひ挑戦してみてください。

建物と一緒に撮るコツ

1 見通しの良い
ロケーションを確保

超望遠で撮影するため、建物が近すぎると画面からはみ出してしまいます。少なくとも一緒に撮影する建物と1km以上、建物によっては数km離れる必要があるため、海沿いや高台など見通しの良いロケーションを見つけましょう。

2 月の出から
15分くらいが勝負

月が地平線から顔を出した10分から15分くらいは、大気の影響で月が暗く見えるため建物に露出を合わせても月が白飛びせずに撮ることができます。わずかなシャッターチャンスを逃さないよう、月の昇る方角や時間を正確に把握しておきましょう。

3 F8、1/10〜0.5秒、
ISO1600

地上付近の月は驚くほど早く移動して見えるので、慌てないようにカメラの設定は事前に済ませておきましょう。目安は、「F8、1/10〜0.5秒、ISO1600」です。露出ブラケット撮影を駆使して効率的に撮影するのがおすすめ。Dレンジオプティマイザーも強めに設定すると有効です。

月の撮影におすすめの
カメラ&アクセサリー

もっと迫力のあるスーパームーンを撮りたい、本格的に星空を撮ってみたい、という方におすすめのカメラや、撮影前に忘れずに準備しておきたいアクセサリーをご紹介します。望遠撮影に強いカメラやレンズは月の撮影はもちろん、旅行やイベントでも活用しやすく汎用性が高いのでぜひ注目してみてください。

クレーターまでくっきり写せる
高倍率ズームカメラ

本格的な星空撮影に挑戦するなら
デジタル一眼カメラ

動画や長時間の撮影に
おすすめのアクセサリー

バッテリー残量を気にせず楽しむために予備バッテリーも忘れずに

スーパームーンの撮り方はいかがでしたでしょうか。
本格的な機材がなくてもポイントさえおさえれば月はキレイに撮れるので、めったにない天体ショーをお持ちのαやサイバーショットと一緒にぜひ楽しんでみてください。