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ウォークマンで楽しむスポーツ Part2

リズムで楽しく快適に。
BPMランニングを始めよう

音楽のリズムと自分のリズムが重なったとき、今よりもっと楽しく、もっとラクに走れるようになる。それが、BPMランニング。音楽のチカラが走る楽しさを高め、次のレベルへ導いてくれます。ここでは、BPMランニングの第一人者でプロランニングコーチの金哲彦さんに、BPMランニングの基礎から応用まで教えていただきます。

プロランニングコーチ 金哲彦氏

オリンピック選手から市民ランナーまで、幅広く指導するカリスマ・プロランニングコーチ。テレビやラジオのマラソン解説者としてもおなじみ。「体幹ランニング」(講談社)ほか著書多数。

BPMとは?

BPMは、1分間に刻むビートの数(Beat Per Minutes)で、音楽では楽曲のリズムの速さを表します。ランニングでは1分間に繰り出す歩数にあたり、走るリズムの速さになります。たとえば160BPMなら、1分間に左右で合計160歩、足を動かすこと。自分に適したBPMの音楽を取り入れることで、楽しく快適なランニングを実現します。

ランニング時に音楽を聴く際には、
周囲の音が聞こえるよう、ボリュームに注意しましょう

踏切や駅のホーム、車の通る道、工事現場など、周囲の音が聞こえないと危険な場所では使わないでください。また、周囲に配慮する必要があるような混雑した場所では、使用を控えてください。

BPMに合わせて、楽しく走ろう[BPM基礎編]

音楽のリズムを、ペースメーカー代わりにする

楽しくラクに走り続けるのに欠かせないコツは、一定のリズム(ペース)で走ることです。初心者ランナーは、このペースが乱れがちなので、スタミナが失われてバテやすいのです。まずは、音楽に耳をかたむけ、リズムに意識を集中してください。音楽のリズムをペースメーカー代わりにして、自分のペースを安定させ ましょう。気をつけることは、音楽のビートのリズムに、着地のタイミングを合わせること。自分に適したBPMの音楽を聴きながら、リズムに乗って走れば、一定のペースがキープできます。そのとき、走りがぐっとラクになったことを感じられるはずです。

金コーチの
ワンポイントアドバイス

ランニングのスピードを決める要素は、ストライド(歩幅)とピッチ(回転数)の2つ。たとえば、トップランナーがより速く走るためには、できるだけ大きなストライドと、より速いピッチが不可欠となります。しかし、市民ランナーが無理のないランニングを楽しむには、やや控えめのストライドと、規則正しいピッチで走ることがおすすめです。

効率のよい走りをもたらす「カップリング」を、音楽のリズムで誘発

走っているときには、運動リズム・呼吸リズム・心拍リズムが刻まれています。この異なる3つのリズムが、相互に作用してひとつに同調する現象を「カップリング」といいます。「カップリング」がうまくいくと、呼吸がラクになり、エネルギー代謝や運動効率も高まり、ムダのない走りができるようになります。走りながら聴く音楽のリズムは、この「カップリング」を誘発させるのに役立つのです。

お持ちのウォークマンでBPMミュージックと走ろう
[BPM活用編]

目的に合わせてBPMを使い分けよう

トレーニング法や走力のレベルによって最適なBPMは異なります。
ここでは、ウォーミングアップメニューやランナーのレベル別に、目安となるBPMの数値をご紹介します。

ウォーミングアップ
メニュー

ストレッチ

ランニング前に筋肉をほぐし、ケガのないようスタンバイ。クールダウンにも効果的。

ウォーキング

日々のトレーニングに、ランニングと組み合わせて。初心者ランナーには、脚力の基礎づくりにも。

ジョギング

中級者以上の走り始めに。短い歩幅で、ゆっくりと走ります。

ランナーレベル

初心者ランナー

これから始めようと思っている、または、始めてまだ間もない

続けて30分走れない

1kmを約8分ペースで走れる

中級者ランナー

週に数回走ることが習慣になっている

30分〜1時間、継続して走れる

1kmを約6〜7分ペースで走れる

上級者ランナー

レース経験がある

走力に自信があり、スピードを上げて走れる

1kmを6分かからずに走れる

目的に合ったBPMで、レベルアップをめざそう
[BPM応用編]

上級ランナーを目指すには、BPMを活用したビルドアップ走を

レベルアップを狙った、高度な練習法にもBPMは活用できます。たとえば、ビルドアップ走は、余裕のあるペースから走りはじめ、徐々にペースを上げていく、やや上級ランナー向けのトレーニングです。心肺への負荷が高いトレーニングメニューですが、BPMを取り入れれば音楽のリズムがあなたのペースを自然にひっぱってくれます。160BPMから走りはじめて、中盤は165〜170BPM、最後は180BPMの曲にスイッチ。たとえひとりでも、より効果的な練習をこなせます。

目標タイムで完走するなら、BPMで終盤のペースをキープする

実際のレースを想定して長距離を走るトレーニングにレースペース走があります。目標の完走タイムをめざして一定のペースで走り続けるのにBPMは有効ですが、終盤はペースダウンしがち。そんなときこそ、音楽のチカラをかりて乗り越えましょう。音楽には、気持ちを奮い立たせてくれる効果もあります。自分に適したBPMミュージックの中でも、パワーソングを決めておいて、ここは頑張りどころというときに音楽でパワーチャージ。日々のトレーニングで上手に利用すれば、走りもレベルアップできます。

金コーチの
ワンポイントアドバイス

オリンピックなどの大舞台で、世界のトップアスリートたちがウォーミングアップで音楽を聴いている場面をよく目にします。これは、緊張を和らげることと集中力を高めることが目的です。一方、世界中のマラソン大会では、市民ランナーが走りながら音楽を聴いている姿をよくみかけます。これは、長いレースを飽きないで走るための工夫です。音楽には運動機能を助ける働きがあるので、うまく取り入れることで楽しく走れるだけでなく、パフォーマンスアップにもつながります。

自分にぴったりのBPMミュージックを探そう
[BPM確認方法]

Media Goの「SensMe」やx-アプリの「12音解析」を実行することで、パソコンで管理している楽曲のテンポ(BPM)を確認することができます。自分のミュージックコレクションの中から、自分のレベルに合った楽曲を見つけましょう。

BPMは初期設定では「非表示」になっています。
以下の手順で表示項目に追加できます。

BPMの表示方法

Media Goの場合

1 カラムを右クリックすると、ショートカットメニューが表示されるので、下方にある「詳細」を選択

2 カラムの選択メニューの中から「BPM」を選択

3 表示項目に「テンポ(BPM)」が追加される

x-アプリの場合

1 メニューバーから「表示」→「表示項目の設定」を選択

2 項目の中から「テンポ(BPM)」にチェック()を付ける

3 表示項目に「テンポ(BPM)」が追加される

音楽には、緊張を解きほぐすリラクゼーション効果があるといわれています。
休憩時の気分転換やクールダウン時には、音楽のリラクゼーション効果を活用しましょう。
好きな曲を聴いて気持ちよくトレーニングを終えることも、無理なく続けるコツのひとつです。

次のページでは、BPMランニングにおすすめのアイテムをご紹介します。

ウォークマンで楽しむスポーツ Part3

走りに差が出るヘッドホンの選び方