法人のお客様オプティカルディスク・アーカイブ 事例紹介 産業技術総合研究所 様

事例紹介

オプティカルディスク・アーカイブ
お客様事例

産業技術総合研究所 様

海洋地質調査に関するデジタルデータの長期的な保管を目的に、オプティカルディスク・アーカイブ第3世代を導入。

  • ODS-D380U

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近畿大学医学部 様

海洋資源調査船「白嶺」写真提供:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構


  • 地質情報研究部門
    副研究部門長
    荒井 晃作様

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地質情報研究部門様は、日本周辺の海洋地質調査の総合センターとして、海洋地質に関する研究を行っています。海洋地質調査に関するデジタルデータの長期的な保管を目的に、オプティカルディスク・アーカイブ(以下ODA)第3世代を導入されました。
この記事は2020年2月に、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地質情報研究部門 副研究部門長 荒井 晃作様に取材した内容を弊社にてまとめたものです。

産業技術総合研究所 地質調査総合センター
地質情報研究部門についてはこちら ⇒ https://unit.aist.go.jp/igg/ja/index.html

海洋地質調査の現状

産業技術総合研究所 地質調査総合センターでは、日本周辺の地質調査を行っており、地質情報研究部門では、海洋地質に関する研究を1970年代より行っています。海洋地質図の作成のための調査により、活動的な地質構造の把握、過去の環境変動を知ることができます。これらのデータは、将来的な予測や、海洋開発の際の影響に関する評価などに役立ちます。長年にわたり日本周辺の海洋地質調査を進めて来ましたが、現在は、沖縄周辺の海域を中心に、詳細な調査を進めているところです。広域な日本周辺の海を調査することから、調査には時間と手間がかかりますが、調査後には海洋地質図として情報公開を行っています。

海洋地質調査では、反射法音波探査という海底面下の地質構造を知るために、一般的に使われている調査を行います。この調査方法では、船から発振する音波が海底面や海底面下から戻ってくるのを、ハイドロフォン(水中の音を記録するために水中で使用されるマイク)を用い、記録します。この音波情報をSEG-Y(セグワイ)フォーマットでデジタルデータとして記録します。船上に設置されている装置(サーバー)から外付けハードディスク(HDD)メディアにコピーしてデータを持ち帰ります。

海洋地質調査後、海洋地質図として完成させる

紙媒体による保存から、デジタルデータへの移り変わり

旧来は、音波探査結果を紙に記録していましたが、デジタル記録は1980年代になり活発になりました。過去の記録は紙での記録に加えてオープンリールテープを利用していたため、1990年代後半から2000年代にかけて、磁性体の掃除を行いながら、デジタル変換を行いました。

最近では、音波探査装置のみではなく、さまざまな探査装置のスペックも上がり、デジタルで収録されています。そのため、取得可能なデータは増加傾向にあります。約1カ月程度の調査航海では、まとめると約5TB程度のデータ容量となります。取得期間は1カ月ですが、調査データは長期管理する必要があります。また、大災害が発生した場合には、さまざまな環境への影響が懸念されるため、すぐにデータを利用する必要があります。

紙媒体に記録された調査資料は、保管庫に大量に保存されている

ODAの保存に対する安心感と使い勝手が決め手

こういった背景から、HDDメディアによる保存では、長期保存は心もとないため、バックアップツールとして堅牢性の高いODA第3世代の導入を決めました。導入により安心感を手に入れました。オプティカルディスク・アーカイブのWebサイトに掲載されている商品説明動画にある「水没しても問題なかった」という堅牢性も魅力的でした。

運用では、商品に付属するアプリケーションソフト「Optical Disc Archive Filer」をWindows10の端末で利用しています。誰でも簡単に使え、不慣れな学生でも利用ができます。転送速度についてはHDDと比較しても、遜色なく利用できます。調査データは細かいデータの集合体となるため、ある程度の塊(ZIPなど)にまとめて保存します。二次利用では、アーカイブされたデータの中から部分単位でデータが活用しやすいという印象です。 第3世代のドライブユニットODS-D380Uを導入しましたが、第2世代のカートリッジODC3300R、第3世代のカートリッジODC5500Rの両方を利用して読み書きを行っています。購入から間もないですが、これから随時HDDや記録媒体からODAにデータ移行していく予定です。

ノートPCとODAのドライブユニットを準備すれば簡単にデータ保存ができる

研究データのオープンサイエンス化にむけて

当部門が保有する調査データや海洋地質図は、海洋の調査研究を行っている海洋研究開発機構(JAMSTEC)などが行う科学掘削の掘削地点の検討に利用されることもあります。デジタルデータは世界共通のフォーマットで保存されているので、研究者間でやり取りしたデジタルデータはフィルターなどの信号処理をし直すこともあります。これは便利である一面、信号処理前のデータはアーカイブとして保存されているべきものであると思います。その点で、ODAのアーカイブデータは不可逆的であることも魅力の一つと考えています。

アーカイブデータには情報公開すべきものと、機密性を担保すべきものが存在しますが、オープンサイエンスの観点からも、研究データはさらに流通するものと考えています。

「100年保存寿命」に対する期待

ODAの「100年保存寿命」には大きく期待しています。広大な海洋において、調査データは簡単に取得できるものではありません。予算、探査場所の観点からもそうですが、例えば大地震の前後では取得できるデータも異なるため、同じ調査結果は2度とは得られません。そのため、調査データを取り貯めて次世代の研究者にこのデータを継承していきたいと思っています。

2020年3月掲載

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