RKB毎日放送株式会社 様

2018年1月掲載

ライブ制作における4K HDRへの対応力をトライアルで評価後、本格導入へ。

RKB毎日放送株式会社様は、2017年7月の「シーサイドももち 花火ファンタジアFUKUOKA」において放送用のHD SDR撮影に加え、サイマルでの4K HDR収録や4K SDRによるパブリックビューイングのトライアルをされました。
同社 編成戦略局 局次長 兼 メディア戦略部長 兼 技術局次長 梅嵜貴史様、技術局 制作技術部 副部長 今田幸一様に、今回のシステム選定の経緯や決め手、今後の運用の予定や期待などを伺いました。
なお、記事は2017年9月下旬に取材した内容を弊社にてまとめたものです。

ソニーのサポートを得てトライアル運用した成果が決め手


BVM-X300を使ったHDR/SDRの画質評価。

当社では、HDC-1000シリーズのHDカメラなど20式以上を導入し効果的に運用してきました。しかし、更新時期が近づいていることや4Kや4K HDR撮影などにも注目しており、ソニーからリリースされたマルチフォーマットポータブルカメラHDC-4300やマルチポートAVストレージユニットPWS-4500などに注目していました。
そこでソニーのサポートを得て、トライアル運用をしてみることにしました。まず2016 年の音楽ライブイベント「音恵」では、4K HDRとHD SDRのサイマル収録を実施。
4K HDRの映像では、会場のしっとり暗めのライティングの中、楽器の輝き、建物の木彫り部分の陰影などが映えていました。
そして今年、2017年7月の「シーサイドももち花火ファンタジアFUKUOKA」では放送用のHD SDR撮影に加え、トライアルとして4K HDR収録やHDRプロダクションコンバーターユニット HDRC-4000によりS-Log3からHLGに変換した映像を活用してパブリックビューイング配信なども行いました。「SR Live for HDR」ワークフローにより、効率的なHDR/SDR制作が4K/HDで実現できました。カメラの調整は、HD SDRに合わせて行いましたが、HDR出力では花火の高輝度部分までしっかり表現できていました。
こうしたトライアル運用を経て、今回、HDC-4300を3台、PWS-4500を1台、HDRC-4000を2台の導入を決定しました。

スポーツ中継など従来の番組撮影・収録に本格運用へ

今回のシステム導入は、ソニーの的確で充実したサポートを得た結果だと考えていますので、その点では大いに感謝しています。
まず、サッカー中継から運用を開始して、その後のプロ野球のクライマックスシリーズから本格的に運用する予定です。HDC-4300は、4KやHDR用途だけでなく、HD用途でも最大8倍速のHDスロー撮影ができるなどの魅力があります。
ソニーから、4Kで最大8倍速、HDで最大16倍速のスロー収録が可能なマルチフォーマットポータブルカメラHDC-4800とベースバンドプロセッサーユニットBPU-4800もリリースされており、スポーツやイベントの撮影、収録などでさらに魅力的な映像表現が可能になるのではないかと当社では注目しています。
ソニーには、今後も4K HDRライブ制作ソリューションの充実に貢献して欲しいと願っていますし、対応機器やシステムのラインアップ強化はもちろん、充実したサポートにも大いに期待しています。


スローオプション装備のマルチフォーマットポータブルカメラHDC-4300を3台、マルチポートAVストレージユニットPWS-4500を1台、HDRプロダクションコンバーターユニットHDRC-4000を2台導入し、これから本格運用を開始される予定です。

  • 梅嵜貴史様
    梅嵜 貴史 様
  • 今田幸一様
    今田 幸一 様