国際基督教大学(ICU)は、東京・三鷹の自然豊かな環境にキャンパスを構える大学です。キリスト教の精神に基づき、国際的な社会人としての教養を持つ、世界平和の実現に資する人材の養成を目的としています。日本におけるリベラルアーツ教育の先駆者として、独自のカリキュラム体系を持つ点も特長です。1学部1学科制を採用し、文理の枠を超えた幅広い分野を横断的に学ぶことで、学生が自ら問いを立て、主体的に学問を探究する力を養います。少人数制の授業では、日英バイリンガル教育を生かした対話型の学びを重視し、多様な価値観を尊重しながら論理的・批判的な思考力と表現力を育成。私たちはこれからも教育・研究環境の充実に努めるとともに、学生一人ひとりの成長を支え、国際社会に貢献できる人材の育成に取り組んでまいります。
国際基督教大学
ITセンター
中嶋 晃之 様
今回、本館にある大教室内の機材を刷新することになったのは、2016年に策定された「ICUキャンパスグランドデザイン」に基づく改修工事がきっかけです。この方針に従い、歴史的な価値のある建物を生かしつつ、機材の入れ替えを行うことにしました。機材の刷新にあたっては、近年のIT環境に慣れ親しんでいる学生たちの要望に応えることを重視しました。また、故障が少なく、長期間使用できる高品質な機材を選ぶことで、陳腐化を防ぐことも考慮しました。さらに、教員が特別な操作方法を習得しなくても直感的に利用できる環境を提供したいと考えました。コロナ禍を経て、ハイブリッド授業やオンライン対応が一般的になり、本学の大教室でも高画質な配信・録画環境が求められています。教卓からの柔軟な運用ができる点も必要条件でした。
リモートカメラの選定においては、以前から使用していたソニー製のカメラの信頼性を重視しました。他社製品とも比較検討した結果、実用的なレベルに進化した自動追尾機能や、4K相当の高画質、直感的な操作性、日本メーカーとしての安心感、さらに導入したソニー製のプロジェクターやディスプレイとの整合性が決め手となり、ソニーのPTZオートフレーミングカメラ『SRG-A12』を採用することに決定しました。
2025年4月から本格的に稼働を開始したSRG-A12は、100人以上を収容可能な4つの大教室に各2台ずつ、計8台導入されています。導入から約1年が経過しましたが、運用面での大きなトラブルは発生していません。正常に動作し、利用者の期待以上のパフォーマンスを発揮していると感じています。特に先生方から高く評価されているのは「画質の良さ」です。Web会議システムの録画機能は便利ですが、通信の特性上、どうしても画質が抑えられてしまいます。そのため、高画質でアーカイブを残したいという要望に対し、SRG-A12を備えた大教室を紹介すると、非常に満足していただけます。このカメラの導入により、授業の記録としての価値が格段に上がりました。
「PTZオートフレーミング機能」については、現在デフォルトでOFFにし、ホームポジションを「黒板+教員」に設定しています。この運用は、すべての先生が機械操作に長けているわけではないという配慮からです。教卓には、4ページ程度の簡略化したマニュアルを用意しており、必要に応じて参照できるようにしています。操作端末に用意されているPTZオートフレーミング機能のON/OFFボタンに気づき、活用されている先生もいらっしゃいます。ICUの先生方は授業中に教室内を歩き回ることが多いため、なめらかなカメラワークで追尾してくれるこの機能は、こだわりのある方への強力なサポートとなっています。
SRG-A12は授業だけでなく、学内の講演会や海外向けのオンライン説明会など、多岐にわたる用途で活用されています。設置にあたっては工夫を凝らし、スクリーンの近くにカメラを1台配置することで、リモートで講義を行う先生と学生の目線が合うように設計しました。この配置により、学生のリアクションを見ながら語りかけることを大切にされている先生方にとって、より効果的なコミュニケーションが可能となります。正面にカメラがあることで、海外からリモートで講義を行う研究者にも学生の顔がしっかり届き、一体感のある授業が実現しました。実際に、この設置の工夫とカメラの性能が相まって、リベラルアーツらしい双方向の学びが促進されているとの声も寄せられています。
現在は必要最小限の機能に絞ってSRG-A12を運用していますが、今後はバージョンアップで追加された「固定画角」や、「複数人フレーミング」といった新機能の活用も検討したいと考えています。負荷を増やさず誰でも簡単に使える環境を維持しつつ、学びの質をさらに向上させることをめざしています。特にグループワークでの発表時に「複数人フレーミング」を活用することで、学生同士のインタラクションを促進し、より効果的な学びを実現できると期待しています。
※ 本記事は2026年2月に行った取材を基に作成しています
リモートカメラシステムは、カメラ操作をリモートコントローラーで行うカメラシステムです。少人数でのオペレーションを可能にし、カメラ設置が困難な場所でも効果的に利用できます。特に、ホールや会議室などの広範囲を撮影する際に適しています。オンライン講義やオンラインセミナーの重要性が増している中、リモートカメラシステムは従来の放送設備や映像制作用途にとどまらず、教育設備や各種ホール、会議室、Web会議システム、さらにはライブ動画配信や動画コンテンツ制作など、さまざまな用途での活用が期待されています。

PTZオートフレーミングカメラ
SRG-A12