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Lシリーズ

03 Edge Access タッチ操作のエリアを広げたら、PC操作がスムーズに

タッチパネルに加え、ベゼル部でもタッチ操作可能な「Edge Access」も搭載。遊び心から生まれた機能が、実用的なインターフェースに変身した。

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よく使う機能や便利な機能をベゼル部に割り当てた

――ベゼル部でもタッチ操作できる「Edge Access」は斬新ですね。どういった動機から生まれた機能なのでしょうか。

湯川:

新Lシリーズではガラスをデザインテーマに用いて「フラットサーフェスにより近い前面デザイン」を実現しました。しかもフレーム上部の両角に光学式センサーを搭載したタッチパネルの場合、24型の液晶であってもそれより大きいエリア(液晶画面+ベゼル部)をタッチ操作に利用できるのです。今回は27型程度のサイズのガラスが貼ってあるのですが、この部分で何か面白いことを考えられないかなと思ったのがきっかけです。

――最終的に割り当てる機能を決めるまでに、だいぶ紆余曲折があったのではないですか。

湯川:

「Edge Access」のアイデアを思いついたとき、どういった機能を割り当てるかまでは深く考えていませんでした。私としては、VAIOロゴを触ったら何か音が出るとか・・・そういう遊び心を生かした裏技というか隠し機能ぐらいのイメージだったのですが、商品企画とソフトウェア設計が連日議論を重ねて現在の便利な機能に昇華させてくれました。

野村:

ほんとうにいろいろなパターンを考えました。いちばん時間をかけた機能のひとつです。はじめは陽気なサウンドがちょっと流れたりなど、実用性とは関係ない賑やかしのような案が多かったです。

けれども、やっぱりタッチ操作PCを使うユーザーはどちらかというとシンプルな操作性を求めている方が多いのではないかと思ったのです。そのような方々に喜ばれる機能、つまり派手な機能ではないのですが「タッチ操作にあったらうれしい」ズームやソフトウェアキーボードなどにフォーカスしていきました。
その案をもって主婦の方などにフォーカスグループインタビューを行ったら、こういったシンプルな機能は反応が良くて、試作機に搭載してみたら操作性も便利さも予想以上。「こんな使い勝手いいんだね」ってみんなでびっくりしました。

――数あるタッチ操作の中で、みなさんのお気に入りを教えてください。

野村:

だんぜん右上の「×」、閉じる(ウィンドウクローズ)です。フルHDになったこともありWindowsのGUI上では小さなボタンをタッチで押しにくかったのですが、それを周りのベゼル部でカバーしようと、思いきって右上角を全部「×」エリアにしました。

湯川:

私は左下の「Windows フリップ 3D」です。このショートカットキー(Windowsマーク+Tab+Ctrl)はあまり一般的に知られている操作ではないと思いますが、それをタッチ操作でスムーズに使えるようにしたところが気に入っています。

黒崎:

私のおすすめは、画面下部の左右をタッチする「戻る/次へ」です。GUIを表示させずに操作できるので手軽ですね。ブルーレイ再生のときはチャプター移動、「Giga Pocket Digital」でテレビを見ているときはチャンネル切り替えができます。

野村:

あと「デスクトップ一発表示」や「ズーム」、「ソフトウェアキーボード」もお気に入りです。そういった便利だけど埋もれがちな、あまり知られていない機能をインターフェースの一番上にもってきて、使いやすくしたところが「Edge Access」のメリットだと思います。

メカ設計担当の湯川。「Edge Access」は彼の奔放なアイデアから生まれた。

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機能の割り当てに際し、さまざまなパターンが検討された。

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最終的に採用された機能。便利な機能がさらに使いやすくなった。

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デザイン性を高めるために新規設計のカスタム部品を使用

――タッチ操作のエリアをベゼルにまで広げたことで、技術的に苦労したポイントはありますか。

湯川:

光学式タッチパネルの場合、前面ガラスの上(上部ベゼルの両角等)に光学式センサーと反射板を乗せるのが通常です。しかし今回、前面をガラス一面にするデザインを実現したかった。そのためにセンサー部分はいちばん外側の狭いフレームの中に収めることになり、できるだけ小さくなるようキット化したのです。
光学測定の非常にセンシティブなセンサーをコンパクトにして、しかも精度よく組み立てるという難易度の高いミッションでした。本体を1個1個試作してチェックしながら直していくというデバッグの連続だったのですが、最終的には光学式センサーも反射板もタッチパネル担当者に新しく見直してもらいなんとかミッションをクリアしました。

ほんとうに小さなデバイスに大きな苦労があったわけですが、新Lシリーズの世界観を実現する上で大事なポイントでしたから妥協はできませんでした。

――アイコンなどのシルク印刷を施していませんが、どういった意図でしょう。

野村:

全機能の場所をシルク印刷やインジケーターで示してしまうと、どうしても画面まわりがゴチャゴチャしてしまいますよね。デザイン的に目立つ部分ですし、テレビ画面に集中できるようにするためにも「テレパソ」としてそこは絶対に譲れない部分でした。
その代わり、右下のガイドアイコンを触ればタッチ操作エリアと対応機能をいつでも確認できます。SONYロゴやVAIOロゴなど位置が特定できるものはそのまま利用して、各機能にざっくりと大きなエリアを割り当てているので、使っているうちに自然と覚えられると思います。

――タッチしたときの操作音も心地よいですね。

野村:

5パターンの操作音があって、触れた場所によって出る音が違います。やっぱりシルク印刷もなくボタンでもないので、タッチしたときに「ちゃんと操作できている」ことがわかるようにという配慮です。毎日使っていただくものですから、心地よい操作感は大事ですよね。

新開発のデバイス。光学式センサーと反射板をキット化した。

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画面の見やすさをキープしながら、快適な操作性を実現した。

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ガイドアイコンをタッチすれば、対応機能を確認できる。

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