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橋本: ICレコーダーも最近内蔵メモリーが大容量になってきているので、リニアPCMという非圧縮の高音質モードでもある程度長時間録音できるようになってきました。これまではICレコーダーというと会話や打ち合わせなど人間の声の録音が主だったんですけれども、SXシリーズはICレコーダーのフラッグシップ機なので、より高音質な録音を必要とする楽器録音にも用途にも広げていこうという意図で企画が始まっています。
ソニーとしてはPCM-D1やPCM-D50といったリニアPCM録音できる機器があるのですが、以前からリニアPCMレコーダーをもっと手軽に欲しいというユーザーの声はありましたので、今回ICレコーダーもリニアPCMに対応させようということになりました。
上位機種のPCM-D1やD50などに比べて本体サイズが圧倒的に小さいので、いつでも携帯して気軽に録りたいときに高音質で録音ができます。音楽録音はもちろんですが、人の声を録るにしても複数の声を聞き分けることができるくらい高音質でクリアに録れるので、ビジネスユースの方にも有用であると思います。
リニアPCMレコーダーのユーザーはもともとプロも含めた音に特別なこだわりを持つ方と位置づけていましたが、今回のICレコーダーではMP3という圧縮フォーマットでも録音できますので、一般の方でも様々な用途で使いやすいものになっています。ソニーのICレコーダーの集大成と言っても良いと思います。
ポータブルDATの1号機をきっかけに、音を記録するレコーダーの電気回路設計を数多く担当。ここ数年はリニアPCMレコーダーPCM-D1、PCM-D50に続き、今回のICD-SX800/900の電気回路設計を監修。