本文へ

法人のお客様>業務用オーディオ>「UWP-V1」開発者インタビュー

UHFワイヤレスマイクロホンパッケージ「UWP-V1」開発者インタビュー

Developer Interview 05 お客様の要望を形にし、更に使いやすく、進化した快適な運用性

今回、UWP-V1の大きな進化点は使い勝手の部分だと思いますが、企画・開発 にあたってはどのようなアプローチがあったのでしょうか?
村越の発言

村越 UWP-V1を企画するにあたっては、UWP-C1に対してお客様の不満点は全て改善し、良いところは更なる改善をはかり、この価格帯のワイヤレスマイクで最高峰を目指すことが目標でした。そのためには、冒頭でも述べましたが、まず前モデルであるUWP-C1の市場評価をしっかりと行ない、お客様が何を望んでいるのか、どのように使いたいのかを正しく分析することが最も重要と考えたわけです。分析の結果、使い勝手の向上という要望が非常に高いことが分かりました。そこでソニーのポリシーとなる信頼性を維持しつつ、更なる使い勝手の向上を実現すべく、数多くのお客様の要望を一つひとつ盛り込み形にしましたので、UWP-V1は、旧モデルを遥かに超える満足のいく仕上がりになっていると思います。

それでは具体的に使い勝手の部分においては、
どのような点が進化しているのでしょうか?
村越の発言

村越 まずデザインに関しては、プラスチック素材から堅牢感を重視したメタルボディーに変更し、使い勝手の良い小型化を実現しました。新機能としまして自動的に空きチャンネルを検索できる「オートチャンネルスキャン機能」の搭載、視認性を高めるバックライト付き液晶ディスプレイ、素早い電池交換を可能にしたカートリッジタイプのバッテリーケースの採用など、スピーディーかつ安全・安心して運用できることをモットーにした設計を目指しました。

今回、送信機の小型化、そしてアルミボディーといったデザインには驚かされました。 新デザインの特長と設計・開発時に苦労されたのはどんな点でしょうか?
佐藤の発言


送信機内部の構造比較
(左がUWP-V1、右がUWP-C1)

佐藤 今回のUWP-V1で注力したことのひとつが、ボディーパック型送信機の小型化です。ボディーパック型送信機は腰などに装着して使用されるため、小さいほど使い勝手が良いのですが、旧機種は少し大きめであり、その面では十分とは言えませんでした。そこで、新機種では思い切って薄くて小さなボディーに詰め込むことに決めました。例えば、旧機種では大きめの1枚基板であったところを今回の新機種ではそれを2 枚の基板に分け、立体的に高密度に配置するなどし、結果的に上位モデルのWRT-850 にひけを取らない小型化を実現しています。ところで、単に高密度にすると性能面に影響が出てくる場合がありますが、そこは最新の高密度実装設計と3D CAD を駆使した最適化レイアウトにより、さまざまな環境下で全ての性能が安定して発揮できるようにしています。また、強度の高さと軽さのためにアルミボディーを採用し、さらには傷などへの耐性の高い処理を施していますので、長期間に渡って安心してご使用いただけます。

今回の新機能である「オートチャンネルスキャン機能」とはどのような機能なのか? またどういった判断基準にて空きチャンネルを検索するのか?
新谷の発言

新谷 簡単に言うと、いくつか準備されたソニーのチャンネルプラン周波数(チャンネル)の組み合わせの中を受信機が自動的にスキャンし、空いているチャンネルを順次表示して、簡単に設定できるようにした機能です。これは、現場で空きチャンネルを簡単に見つけることができるほかに、複数運用する際にも、妨害が起こりにくい組み合わせに簡単に設定できる便利な機能です。これはスキャンした実際の受信レベルがスケルチレベルと呼ばれるレベルより上回っているかどうかを判断基準としています。ぜひ、活用していただきたい機能です。


現場での空きチャンネルを簡単に見つけることができる「オートチャンネルスキャン機能」

“HDV”や“XDCAM EX”カムコーダーに装着し、使用しているユーザーが多いかと 思いますが、その辺りでの工夫などはあったのですか?
新谷の発言


ソニー製の各種カムコーダーとの検証も行い設計されたUWP-V1

新谷 カムコーダーへの装着については、開発開始当初からカムコーダーの企画・設計部門と情報を交換しており、取り付けや運用に支障がないかを確認しています。実際に試作モデルを取り付けてみた結果、取り付け部の修正をしたり、シューマウントアダプターを使ってカムコーダーに取り付けたときにぐらつきの少なくなるようにしたり、付け外ししやすい形状にするなど、細かい改良を施しました。もちろん、ワイヤレスマイクだけでなく、カムコーダーと組み合わせた音質確認も十分にしていますので、安心してお使いいただけます。

今回の「UWP シリーズ」では新たにマイクロホンケーブルを付属していますが、 このケーブル付属もユーザーからの要望にあったのですか?
村越の発言


お客様の要望を受け付属することになったマイクロホンケーブル

日本国内でのインタビュー取材の定番スタイル

村越 まさしくその通りです。皆さんもニュース番組などでご覧になったことがあると思いますが、日本国内でのインタビュー取材においては、ボディーパック型送信機に有線マイクを接続し使用するのが定番の取材スタイルとなっています。そのため上位モデルのWRTシリーズにおいては、マイクロホンケーブルを付属していましたが、前モデルであるUWP-C1では本ケーブルを付属しなかったため、多くのお客様より「このようなケーブルは無いか?」という問い合わせや、「別売にて発売をして欲しい」というご要望をいただきました。そこで今回のUWP-V1では、そのようなお客様の声に応えるべく、新たにケーブルを設計し、付属することにしたのです。ちなみにこのような取材スタイルは日本特有の文化(?)でもあり、海外とは運用スタイルが異なるため、日本国内で出荷しているUWP-V1にのみこのケーブルを付属としています。小さなケーブル1本ではありますが、使用する国の運用スタイルに合わせた商品パッケージにもなっており、購入してスグにお使いいただけるのも「UWP シリーズ」のコンセプトなのです。

業務用である以上、信頼性や安定性・安全性は不可欠な条件となります。 その点においてUWP-V1では何か設計的な工夫はあるのですか?
新谷の発言

新谷 業務用の商品では特に、現場で操作に迷うようでは困ります。操作ボタンの配置、表示や操作方法などは、今までソニーのワイヤレスマイクをお使いの方はもちろん、初めての方でも迷わず簡単に操作できるよう、シンプルなものに仕上げるよう、また大きく変わることがないように配慮しました。業務用製品は現場でのトラブルは絶対に起こさないようにしなくてはいけません。そのため、さまざまな環境下での安定性や信頼性の確保については、十分な時間をかけてデータを取り、検証を行ってきました。


高温・低温下における温度試験


受信機のアンテナ屈曲試験(写真はWRRシリーズの一例)


商品単体ならびにカムコーダーに装着しての振動試験


商品単体での落下試験

製品情報

UHFワイヤレスマイクロホンパッケージUWP-V1 希望小売価格 73,500円(税抜価格 70,000円)

出席者
  • ソニープロオーディオの統括 村上 佳裕

  • UWP-V1の商品企画担当 村越 美保

  • マイク設計担当 三代 克行

  • マイク設計担当 神田 宏志

  • 電気設計担当 神保 伸

  • 商品設計のプロジェクトリーダー 新谷 敏広

  • 電気設計担当 深澤 孝浩

  • 電気設計担当 佐藤 広隆

ページトップへ