日本で唯一の釣り専門放送チャンネル(スカイパーフェクTV! 753ch)を運営・放送している株式会社釣りビジョン様は、2007年からXDCAM HDによる番組制作を本格的に開始されました。現在、東京本社と大阪支社に、XDCAM HDカムコーダーPDW-F355/F350を7式、XDCAM HDレコーダーPDW-F75/F70を7式導入しており、これらの機材は番組制作にフル稼働しています。
代表取締役 有澤 僚様、技術部 カメラマン 岡安 広様に、XDCAM HD採用の狙いや、運用の成果・評価を伺いました。
- 株式会社 釣りビジョン
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1998年、CS衛星放送の依託放送事業者として設立。現在、日本で唯一の釣り専門放送チャンネルとして、24時間/365日釣り番組を放送し、好評を博しています。海釣り、川釣りなどあらゆるジャンルの釣り番組を年間で約600本制作しており、10時間におよぶ釣りトーナメントの生放送に加え、2001 年からはスタジオ生番組の放送も開始しています。釣りファンはもちろん、エンタテインメント性に富んだ番組の構成で一般の視聴者にも人気の専門チャンネルです。

代表取締役 有澤 僚 様

技術部 カメラマン 岡安 広 様
地上波デジタル放送を例にするまでもなく、放送の世界はハイビジョンに向けて一気に動き始めています。スカイパーフェクTV!も、2008年9月からペイチャンネルで、2009年秋以降には専門チャンネルでハイビジョン放送を開始することを発表しました。当社は、このハイビジョンチャンネル事業に積極的に参入したいと考えています。そのためには、もちろんコンテンツが欠かせません。当社はコンテンツを自社制作していますから、早めに制作を始めておかなければ、すぐには対応できません。それで、HD制作のノウハウを蓄積すること、スタッフの習熟度を上げることを目的として、2007年からHD化に取り組むことにしました。
HD制作の機種選定にあたっては、技術的な仕様よりも、むしろ当社の使い方やワークフローに合うものであることを優先しました。年間で約600本の釣り番組を制作していますが、その撮影環境はカムコーダーにとって極めて苛酷です。水や海水があり、潮風があり、砂埃が舞う場所での撮影がほとんどです。船釣りでは、波をかぶったり、凄まじい揺れの中で撮影しなければなりません。40℃近い高温やスコールなどで多湿の場所もあれば、零下の極寒の地で撮影することもあります。こうした苛酷な環境下での撮影に耐えうる、信頼性・安定性の高い機材でなければ使えません。
また、長時間撮影できることも条件でした。当社の番組は、朝に釣りが始まって夕方の釣りが終わるまで、釣りをしている限り全てを撮影することを基本としています。1日に8時間、多い時は15時間くらい回し続けることになりますから、テープ交換のことを考え、最低でも1時間の記録が可能であることを条件としました。もちろん、長時間撮影に適した大きさや重量で、バランスが良く、使い勝手に優れた機材でなければなりません。
こうした観点から選んだのがXDCAM HDでした。苛酷な環境でも撮影できる信頼性、大きさ・重さ・バランスの良さや使いやすさ、そして2層ディスク対応により長時間記録が可能であることを評価した結果です。

朝に釣りが始まって夕方の釣りが終わるまで、釣りをしている限り全てを撮影。時には、1日で15時間カメラを回し続ける。
信頼性・安定性を確認していたとは言いつつ、正直なところ、PDW-F355/F350の運用開始当初は不安がありました。最大の不安は、ディスクに記録する方式で振動に耐えられるのかという点でした。ですが、実際に運用を開始してみると、それは杞憂に終わりました。カジキ釣りといった海釣りなどでは、前後左右に揺れる船上でカムコーダーをガンガン振り回して撮影することになるのですが、まったく問題ありませんでした。先日は、バスの一種であるピーコックの釣り取材のため、アマゾンへ持って行きました。40℃を超える高温多湿の中での長時間撮影でしたが、無事に撮影を終えて帰国できました。
記録ビットレートは、35Mbpsで撮影しています。画質は非常にきれいで申し分ありません。番組内で周囲の自然なども撮影するのですが、ハイビジョンならではの高精細な映像を撮影できています。また、実際に使うことでディスクならではのメリットも実感しています。撮影中は時間に余裕などありませんから、撮った映像をLCDパネルでプレビュー表示して瞬時に確認でき、すぐに次の撮影に入ることができる点や上書きしない点などは非常に便利です。さらに、 PDW-F355は、2層ディスクに対応しており、より長時間の撮影が可能です。釣りの最初から最後まで、すべてを撮影するというのが当社の制作コンセプトですから、ディスク交換が少なくて済むのは大きなメリットです。

アマゾンの過酷な環境下での撮影で活躍するXDCAM HDカムコーダーPDW-F355。
XDCAM HDの耐振動性・耐久性・ディスクの密閉性などにより、40℃を超す気温、スコールによる高い湿度、水辺やボートといった不安定な撮影環境でも、無事に撮影が終了。
撮影終了後は、素材のすべてをPDW-F75/F70を使ってノンリニア編集機に取り込み、HD編集、HD完パケしています。現在はSD放送ですから、最終的にダウンコンバートしていますが、同時にHD版も制作してHDCAMに保存しています。1番組について、SD版とHD版の2本を制作していることになり、HD版がハイビジョン放送用のコンテンツとなる仕組みです。撮影素材も、プロフェッショナルディスクでライブラリーしています。このHDライブラリーも貴重な財産です。

PDW-F75/F70を使ったノンリニア編集機。
すべての素材を取り込み、HD編集/HD完パケし、1つの番組でHD版とSD版の2本を制作。

プロフェッショナルディスクによる素材と、HDCAMに収録されたHDコンテンツのライブラリー。ハイビジョン放送に向けたコンテンツが日々充実していっている。
XDCAM HDの運用を開始して約1年、当初の目的を達成できていると感じています。日々HDコンテンツは充実していき、ディレクターやカメラマンなどのスタッフも HD撮影・HD制作に慣れ、習熟度をアップしつつあります。また、XDCAM HDの安定した稼動に加えて、当社の細かくて具体的な要望に機敏に対応してくれたソニーのサポート体制も高く評価しています。総合的な観点から、 XDCAM HDはベストチョイスだったと思っています。
CS専門チャンネルは、常にチャレンジする姿勢がないと放送事業として安定そして飛躍することはできません。その意味で、当社はハイビジョン放送をチャンスと捉えて積極的にHD制作に取り組んでいきたいと思っています。カムコーダーは稼働率が非常に高く、不足気味と感じており、間違いなく増設していかなければならないと思います。また、2001年からスタジオを使って生放送や収録番組を制作していますが、このスタジオ設備のHD化も進めていかなければなりません。今後のHD化の拡張に際しても、ソニーにはアフターフォローを含めた幅広いサポートを期待しています。