映像制作機材
カメラ機能活用集
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第9回 映像の暗い部分だけをより深い質感で撮影する(Y BLACK GAMMA 機能) PDFダウンロード
■はじめに
映画やドラマなどで色鮮やかで、かつ黒が引き締まった深い質感の映像を撮影したいとき、GAMMA機能(第8回参照)や BLACK GAMMA機能(第4回参照)を使って調整します。これらの機能を使うと、映像全体の色合いや黒に近い部分のみの色合い、さらに階調などについてきめ細やかな調整ができるため、より撮影者の意図に近い"絵作り"が可能になります。
しかし、これらの機能は、映像の色合いと階調の両方に影響を与えるため、階調だけを調整したいときなどには、あまり適しません。
例えば、"設定前"の映像で、花束の暗い部分により深い質感を与えるためにBLACK GAMMA機能を使うと、"設定後1"のように黒い部分のコントラストが強くなって深い質感になりますが、花びらの色合いまで意図せずに変化してしまいます。
したがって、"設定前"の映像で、花束の暗い部分のみに深い質感を与えて撮影したい場合は、映像の黒部分の階調だけを調整する必要があります。
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■ソニーのカメラの特長
ソニーのカメラは、従来のBLACK GAMMA機能やGAMMA機能に加えて、色合いに影響を与えずに黒部分の階調(低輝度信号)だけを調整できるY BLACK GAMMA(Yブラックガンマ)機能を搭載しています。
この機能を使って、映像の黒部分や黒に近い(暗い)部分をより深い質感で表現することができます。
例えば"設定後2"のように、花たばの黒部分のみがより濃く表現され、深い質感の映像にすることができます。
Y BLACK GAMMA機能は、映画やドラマなど、黒の階調表現が重要な撮影時などに便利です。

Y BLACK GAMMA 機能を搭載している主なソニーのカメラ
HDW-900 シリーズ、HDW-750/730シリーズ、
DVW-970シリーズ、PDW-530/510シリーズ、
DSR-450/400 シリーズ、MSW-970シリーズ
■カメラの設定方法
Y BLACK GAMMA(Yブラックガンマ)は、PAINT メニューのLOW KEY SAT ページで設定できます。

1) PAINT メニューのLOW KEY SAT を開きます。
2) Y BLACK GAMMA を ON に設定し、Y BLK GAM RANGE をLOW/L.MID/H.MID/HIGH の4 段階から設定します。
信号全体のうちどのレベルの階調までY BLACK GAMMA 機能を有効にするかが決まります。
3) Y BLK GAM LEVEL を-99 から+99 の範囲で設定します。

Y BLK GAM LEVEL を−側に設定すると黒が引き締まった映像になり、+側に設定すると黒部分の階調表現が良くなります。
"設定後2"の映像では、Y BLK GAM RANGEがH.MID、Y BLK GAM LEVEL が-42に設定されています。

設定値はDSR-450WSL の場合です。お使いのカメラやライティング環境によって、同じ設定でも映像の色合いなどが変わることがありますので、必ず映像を確認しながら設定を行ってください。
お使いのカメラに付属の取扱説明書などもあわせてご覧ください。
お使いのカメラによってメニューの構成が異なる場合があります。
■技術情報
Y BLACK GAMMA(Y ブラックガンマ)とは
BLACK GAMMA機能は低輝度部分の信号を、GAMMA機能は信号全体をガンマ回路またはブラックガンマ回路で調整します。ガンマ回路では、輝度と色差が同時に処理されるため、結果的に映像の黒部分の階調と色相の両方が変化することになります。
それに対して、Y BLACK GAMMA 機能では輝度信号のみがY BLACK GAMMA回路で処理され、最終的に出力される映像信号に混ざるため、映像の黒部分の階調のみの調整が可能になっています。 ただし、最終的に出力される信号に、より深い黒が重なることでもともとの色合いがより濃くなっているように見えたり、ノイズが目立ちやすくなることがあるため、設定は必ずモニターなどを使いながら行ってください。