法人のお客様業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア 導入事例 千葉県白子町教育委員会

業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア

導入事例
「キレイ」「カンタン」「フレキシブル」なブラビアをご導入いただいたお客様の事例を紹介します。

千葉県白子町教育委員会

■業種:教育機関 ■用途:電子黒板

電子黒板常設で言語活動が増えた 学習者用デジタル教科書も導入
〜白子町立白子中学校


教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号より転載

GIGAスクール構想による学習環境の整備を進める千葉県白子町教育委員会(小学校3校、中学校1校)は、1人1台端末(Chromebook)に加え、電子黒板として65V型ディスプレイ「ブラビア」(ソニー)を全普通教室と特別教室に配備した。本年5月末に電子黒板が全教室配備されたばかりの白子町立白子中学校(中田宏校長)を取材した。授業者は浜野大教諭。同教育委員会では、学習者用デジタル教科書をクラウドで活用する「学びの保障・充実のための学習者用デジタル教科書実証事業」に参加しており、同校にも理科の学習者用デジタル教科書が配備されている。

白子町立白子中学校

 教室前方の電子黒板には、3年理科の学習者用デジタル教科書「仕事とエネルギー」を教員用端末から表示している。学習者用デジタル教科書を教室前方で一斉に拡大表示する場合、対象となる児童生徒と教員の全員が学習者用デジタル教科書を購入している必要がある。

 この日の学習は、距離や力と仕事の大きさの関係だ。単元の扉絵には、船で運んだ新幹線をクレーン車で陸揚げしている様子が掲載されており、浜野教諭は滑車の部分を拡大して注目させた。

 「単位と記号の違い」を考えるため、2年時の「電流」のデジタル教科書を電子黒板に表示。全学年分のデジタル教科書を導入していると、過去の学習もすぐに振り返ることができる。さらにデジタル教科書内のイラストを拡大。「重たい荷物を持ち上げて運ぶ」場合の仕事量が「ゼロJ」である理由について、電子黒板に書き込みながら説明した。

 これまで同校には40インチディスプレイが各フロアに数台あったが、電子黒板の全教室配備もデジタル教科書活用も初。浜野教諭は「教室に電子黒板が常設され、学習者用デジタル教科書も届いたことから、教員画面をブラビアに一斉提示する活用から始めている。これまでは、書き込みながら説明したい図版や写真は、拡大印刷して事前に準備していたが、今はデジタル教科書を電子黒板に表示できるので、印刷物を準備しなくても書き込みながら説明することができる。注目してほしい場所を生徒が見ているかどうかを確実に把握できるようになった」と話す。「ブラビアは解像度が高く、拡大してもしっかり見せられる。理科の実験の際は最初に実験動画を見せながら注意点を説明することもできるようになった」

 実験では「色の変化の過程」に注目させることが多い。「ブラビアは色の再現性が良く、生徒に色の変化を示すことができる。繰り返し見せることも可能になり、知識の定着に役立つ」と話す。

 電子黒板と1人1台端末活用のオリエンテーションの際は「生徒が各自でリンゴの絵を端末に書き込み送信する」「他の人のリンゴの絵に対して感想を書き込む」ことを体験。分類も行った。

 電子黒板上で意見を集約したり比較したり、分類しやすくなり、道徳でも活用したところ、「ふだん発言しない生徒の声を取り上げることができた。発言した内容は忘れやすいものだが、意見の書き込みを見ることができるため、考える機会や互いの意見を認め合うきっかけが増え、言語活動が増えている」と話す。

個別最適な学び
協働的な学びへ

 昨年度の1月、各フロアに1台の電子黒板が配備された。電子黒板を移動しながら活用していたが、互いに遠慮し合うことも多かった。端末については、3月にキッティングが終了し、新年度から活用。5月の電子黒板配備後は、教員の端末から提示できるようになり、使う教員が一気に増えた。電子黒板活用のための研修は特に行っておらず、教員同士で教え合って進めている。

 ブラビアは光の反射が少なく、教室後方からも見やすくて好評だ。国語では、プレゼンテーションに挑戦していた。タイピングスキルに差があるなど一人ひとりの様子がはっきりわかるようになり、授業の進め方を見直すきっかけになっている。本町では、小中学校9年間を見通した教育課程づくりに取り組んでいる。端末は一日、生徒が手元に所有している。電子黒板と学習者用端末の活用から、個別学習や一斉学習、さらに協働学習へ進むことを期待している。

中田宏校長

新たな環境で新たな授業づくりを支援する
千葉県白子町教育委員会

 GIGAスクール構想の前倒しで1人1台端末配備やネットワーク構築などを進める中、急いで仕様を固める必要があった。保守業者が同じだった近隣市町村では、教員異動もあるため同じ端末、ソフトを統一する方向で進めた。

 1人1台端末を活用するためには大型提示装置も必要であると考え、各校の教員で構成されている「教育ICT部会」のメンバーに調査したところ、電子黒板ニーズが圧倒的に高かった。

 そこで、新型コロナウイルスに伴う学校再開支援の補助金(2020年度補正予算)のタイミングで、各校1フロアにつき1台の割合で65V型「ブラビア」を配備。白子中学校を始め、活発に活用する学校があり、2020年度補正予算で全普通教室配備を要望したところ、町長の方針もあり、実現できた。

長嶋裕二主査

 大規模改修を控えている学校もあること、体育館や特別教室に移動して活用したいというニーズも想定してスタンド型を配備。5月末に全校に配備が完了した。

 各校に設置している「モラールアップ委員会」では、風通しの良い人間関係づくりに取り組んでいる。意見を言い合える雰囲気ができており、ICT環境配備をきっかけに、新たな学びに向けた授業改善についても積極的に情報交換や挑戦が始まっており、チーム力が向上しているようだ。

 新学習指導要領では、子供それぞれの課題を解決するための個別最適な学びが中心となっている。それぞれの意見や問いを出すことは、主体的な学びの一番のポイントになる。それを支援するための新たな環境が整備され、よい流れの時代がきたと感じている。

 個別最適な学びのための授業改善に向け、これまでの一斉指導で当たり前に行われていた板書の内容も精選されていく。子供自身の記述内容も、電子黒板や端末の機能を活用することで、互いに見る機会が増え、メタ認知能力の育成にもつながると感じている。

 端末や電子黒板により教材共有や保存もしやすくなるなど、教員にとって便利になる部分も大きい。電子黒板は掲示板としての活用など様々な利用方法がある。

 電子黒板と共に白子中学校では理科、白潟小学校では算数の学習者用デジタル教科書の活用が始まった。今後は、ICT活用に向けて全体をレベルアップしていける研修を展開したい。