毎日新聞グループホールディングスの映像制作会社として、映像・放送関連事業を総合的に担う、株式会社毎日映画社。報道・制作本部がXDCAMメモリーカムコーダー『PXW-Z200』(以下、Z200)と、プロフェッショナルカムコーダー『ILME-FX2B』(以下、FX2)を導入し、番組制作ほか、官公庁や地方自治体、民間企業のクライアントワークでも頻繁に使用しています。報道・制作本部 撮影技術グループの福原 様に、『Z200』および『FX2』導入の理由や、両モデルの導入で得られたメリットなどを伺いました。
ー課題を感じていた、画質と操作性

株式会社毎日映画社
報道・制作本部 撮影技術グループ
福原 豊 様
当社は毎日新聞グループホールディングスのひとつとして、映像・放送関連事業を総合的に担っています。東京本社を中心に、大阪支社、福岡支社、さらに札幌と宇都宮に支局を置き、報道やドキュメンタリー、ワイドショーなどのテレビ番組全般を手掛けているほか、官公庁や地方自治体、民間企業が広報用などに使用する映像を制作し、デジタル媒体やデバイスへの動画配信など、幅広い分野の業務に携わっています。

『Z200』と『FX2』を導入した報道・制作本部は、制作、技術、報道制作、撮影部門に分かれており、主に企業VPや、「BS11」をはじめとするBS番組、自治体の動画コンテンツなど、幅広く制作に携わっています。当社では、ロケをはじめ、機動力が必要とされる4K撮影を行う機会が多々あり、これまで、ハンディカムは『PXW-Z150』や『PXW-Z190』を主力としてきました。『PXW-Z150』『PXW-Z190』は導入から時間が経過していますし、室内撮影だとやや暗く、どうしてもゲインを上げざるを得ない状況があり、ノイズが目立ってしまうこともありました。また、操作面では、ズームリングの電子的なラグが撮影に影響してしまうことがあったほか、長時間の手持ち撮影、特にワイドコンバーターなどを使用する場合には、腕に負担がかかっていました。
ー選定基準は、室内撮影でも明るく低ノイズで撮影できること
ハンディカムコーダーの選定にあたり重きを置いたのは、第一に、MXFファイルならびに59.94iインタ―レース収録に対応していることです。番組撮影など、インターレースで収録素材を納品することもまだまだ多いですから。そしてもうひとつ、室内撮影でも明るくノイズの少ない仕上がりとなるカメラ、ですね。もちろん、長時間の手持ち撮影でもストレスを感じない本体重量や重心バランス、操作性の高さなども選定基準としていました。
ー撮影チャンスを逃さない、卓越したPXW-Z200のAF性能
1.0型CMOSイメージセンサーを搭載した『Z200』の登場は、当社にとってはまさに渡りに船でした。アップデート(Ver2.01)によって、MXF 59.94iインターレース収録にも対応しましたし、「これだ!」と、率直に思いました。テレ端・絞り開放で撮影すればぼけ感のある映像が撮れますし、感度やSN比が向上したことで、ゲインを上げても仕上がりがザラつきません。オートフォーカス(AF)性能の高さにも驚かされました。人物の顔や瞳をきっちりと追従するのはもちろん、撮影対象が後ろを向いても、高精度に認識し、追従を続けてくれます。どのようなシチュエーションで撮影するかわからない場合や、撮影チャンスを逃したくないドキュメンタリーなど、屋内外を問わず、機動力が求められる撮影において重宝しています。当社は「Z200」を3台導入したのですが、スタジオ収録の際には、色やフォーマット、画質などを統一でき、とても助かっています。
ーワイドコンバーターを必要としない十分な引きしろ

これまで使用していたカメラはレンズの引きしろが十分ではなく、ワイドコンバーターを装着して対応していましたが、『Z200』は、レンズのワイド端が35mm判換算24mmなので、ワイドコンバーターが必要なく、長時間撮影時の腕への負担が大きく軽減されました。グリップ位置をカメラの重心部分に移動することで重心バランスを改善するなど、微に入り細にわたって丁寧に設計されたことがよくわかります。
ー『Z200』1台でシネマライクな撮影も可能に
これまで抱えていたジレンマが解消されたことも、『Z200』導入の大きなメリットです。いわゆるシネマカメラで撮影したくても、被写体を追うような、撮り逃しを避けたい撮影、機動性を重視しなければならない撮影では、シネマカメラは選択肢から外していました。その点、1.0型CMOSイメージセンサーを搭載した「Z200」なら、テレ端・絞り開放で撮ればぼけ感のある映像を記録できるので、今までは諦めていた、被写界深度の浅い、シネマカメラライクな撮影が可能になります。それはすなわち、制作するコンテンツのクオリティーが向上するということ。カメラマンにとって、これほどうれしいことはありません。
ー杞憂だった、2連リングに対する不安
従来の3連リングから変更された2連リングについて、「扱いづらいのでは?」と、不安を抱いている方は多いかもしれませんが、実際に使ってみると、“杞憂”だったとすぐにわかるはずです。指先の位置さえ変えればまったく問題ありませんし、アップデート(Ver2.01)によって、フォーカス、ズーム、アイリスの中から任意の機能を2連リングに割り当てられるようになったので、特段、デメリットとは感じていません。
ーワンオペレーションでも安心して撮影に臨める
『Z200』の強みは、何と言っても、卓越したAF性能にあると思います。ディレクターが使用しても、人物の瞳にしっかりと食いつき、たとえ後ろ姿になっても、被写体の骨格や姿勢などの情報からその動きを高精度に認識し、追従してくれます。誰が撮影しても、そして、どんなシチュエーションでも、安心して撮影できるバランスの取れたカメラと言えますよね。近年はワンオペレーションでの撮影も増えていますが、撮り逃しのリスクを心配することなく、ストレスを感じずに撮影に臨むことができます。
ー新たな映像表現を生む『FX2』

『FX2』は、小型ながら、有効約2760万画素(動画時)の裏面照射型35mmフルサイズCMOSセンサーExmor Rを搭載し、15+ストップの広いダイナミックレンジで、ハイライトからシャドウまで豊かな階調表現が可能です。映画制作や高品質な映像表現に欠かせない「フィルムライクな画」を撮影できるほか、デュアルベースISO(800&4000)に対応しており、明るい屋外から暗い室内まで、ノイズを抑えて撮影できます。また、4K60p、フルHD120p、スローモーションなど、多彩なフレームレート撮影をサポートしているとともに、高精度AFや、チルト式電子ビューファインダーなど、最新鋭のスペックを備えています。フルサイズセンサーカメラとして申し分のない性能・機能を有しており、さまざまなシチュエーションで使用しています。具体的には、被写界深度を浅くし、ぼけを生かした撮影や、S-log3を使用し、ダイナミックレンジの広さを生かした明暗差のあるシーンの撮影、119.88pでのスーパースロー撮影などで重宝しています。たとえば、大学紹介や企業VP、伝統工芸などの撮影です。
『FX2』の運用においては、外部モニターとしてポータブルデータトランスミッター『PDT-FP1』を使用していて、ピント位置を正確に把握したい場面など、軽くて扱いやすく重宝しています。
ー『Z200』と『FX2』、それぞれの特性を生かすことで映像表現の幅が広がる

今後は、『Z200』と『FX2』それぞれの特性を生かしながら、混在運用を積極的に行っていきたいと考えています。S-Cinetoneや709toneを活用し、色やルックの統一を図りつつ、『Z200』にしか撮れない画、『FX2』でしか実現できない映像表現が同時に得られたら、自ずと撮影の幅が広がるはずですし、作品のクオリティーもさらに向上していくと考えています。
使用機材紹介

株式会社 毎日映画社
※本ページ内の記事・画像は2026年2月に行った取材を基に作成しています。
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