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YouTube Music Sessions at FUJI ROCK FESTIVAL’18 "ROOKIE A GO-GO"

1997年から続く国内最大級の野外ロック・フェスティバル「FUJI ROCK FESTIVAL」(以下、フジロック)。全3日間、国内外のアーティストがステージに立ち、約12万人(延べ人数)のファンが新潟県湯沢町苗場スキー場に集まります。
その中の新人アーティストの登竜門ステージ「ROOKIE A GO-GO」をYouTubeで配信するため、FS7 II、PXW-FS7(以下、FS7)、PXW-FS5(以下、FS5)で構成されたマルチカメラで収録されました。このステージは深夜0時前から朝5時までという夜間の長丁場。しかも本番当日、途中雨が降るという事態に見舞われながらも、撮影は無事に終了しました。
今回は、この撮影を進められたプロデューサーの三成和也様、監督を務められた藤井大輔様、撮影監督を務められた宮風呂享史様、撮影を担当された古屋則巻様にお話を伺いました。

  • ヌーベルメディア株式会社
    三成和也(-みなりかずや-) 様

  • 藤井大輔(-ふじいだいすけ-) 様

  • 株式会社ビーカー
    宮風呂享史(-みやぶろたかし-) 様

  • 合同会社アルケミスト フォーセス
    古屋則巻(-ふるやのりまき-) 様

台風の中の20周年企画

三成様:今回はフジロックが苗場開催となって20周年ということで、スペシャルゲストや特別企画、初のYouTubeライブ配信などがあり、非常に盛り上がりを感じました。新人アーティストが出演するROOKIE A GO-GOもYouTubeがこれからの活躍が期待されるアーティストのサポートを行うプログラムである「YouTube Music Sessions」とコラボしてパフォーマンス動画を製作しました。本ステージ終了後の深夜に始まるROOKIE A GO-GOは、朝方までのステージ。2日目は台風の影響で雨が降り、強風も吹く中撮影を行いましたが、出演者も参加者もそのような状況も楽しんでいて、機材の心配はありましたが、それもよい演出になったと思います。また、今回の撮影機材においては、参加する監督、撮影監督、カメラマンの意向もあり現場での使用経験が多く、様々な運用に対応できるソニー製FSシリーズに統一することにしました。

臨場感を伝えるカメラ構成

藤井様:撮影はFS7 II/3台、FS7/4台、FS5/2台、計9台のマルチカメラ構成です。FS7 II / FS7をメインカメラやステージカメラとして主に三脚で使用し1台はリモートカメラとしてクレーンに乗せて使いました。FS5は機動力が高いため、観客の中に入って臨場感を伝える画の撮影などをメインに手持ちや一脚で使用しました。レンズは全てソニーのGレンズで、後方のFS7 IIには100-400mmを装着。ステージ上は70-200mmなどを使用し、サイドは18-110mmも使っています。スチルレンズを使用したのは、独特の表現や取り回しの良さをいかした「リアル感や雰囲気のある映像」を作りたかったからで、ラージセンサーを持つFS7 IIを使ったのも、それを実現できるカメラだと思ったからです。もちろん、信頼できるカメラということもありますが、今回のようにカメラマンが大勢いる場合は、皆が使い慣れているカメラというのが重要な要素になり、このカテゴリーではデファクトとも言えるFSシリーズを選びました。

長時間のライブも メディア交換無しで収録

藤井様:記録フォーマットは、HD XAVC Long/50Mbps/23.98pで収録しています。本来は4Kで収録したいところですが、収録時間が長くメディア交換の時間が取れないことや、マルチカメラ編集などを考え、このコーデックを選択しました。またポストでのHD切り出しの活用を考慮して、引きのカメラだけは4Kで撮っています。
なお、今回はアーティストの演奏をまるごと収録しているので、スローは使っていませんが、一部59.94pで収録しています。59.94pで撮っておくと、後で2.5倍スローとして使うこともできるからです。撮影は、S-Log3を使用しています。編集時にPremiereでソニーが提供している3D LUTをあてた上で微調整するだけでS-Log3が持つ広いダイナミックレンジを活用できると同時に雰囲気のあるルックにできるため、とても便利です。RAWで撮るという方法もありますが、今回のように15グループのアーティストを9カメで収録し、早いタイミングで編集を上げないと新鮮味が薄れるといったような場合には、XAVC+S-Logの組み合わせが使いやすいですね。

フットワークの良いFS7 II

宮風呂様:会場がセッティングされるのが当日ということもあり、今回の撮影で頼りにしていたのはカメラマンの経験と感覚。もちろんライブ撮影やミュージックビデオを得意とするカメラマンに集まってもらったので、大きな不安はありませんでした。アーティストの演奏が事前の打ち合わせから変わることも多々ありましたが、カメラマンの経験則から柔軟に対応することができ、むしろそれが現場のリアル感につながり、良い方向に振れています。
今回は準備したカメラの台数が多かったこともあり、撮影監督の私もカメラを回しました。監督の話にもありましたが、今回の撮影で目指したのはリアル感や雰囲気のある映像。各アーティストの持ち味を最大限に引き出せるよう撮影に臨みました。最初はFS7 IIを三脚に乗せて比較的安定した映像を考えていたのですが、現場を見て、躍動感のある映像が撮れると思い、FS7 IIを手持ち撮影に切り替えました。この場合でもFS7 IIは柔軟に対応でき、ホールド感は非常に良く、ミドルポジションでも非常に持ちやすい。そして、液晶が見やすかったことも印象に残っています。特にさまざまなアングルで撮影するステージ上で、どのようなアングルでも見やすかったため助かりました。

古屋様:私は観客エリアのど真ん中でFS7 IIを手持ちで撮影しました。できるだけ動きがあり臨場感のある映像を撮りたかったため、観客のシルエット越しのアーティストを、観客席の熱量を伝えられるようなカメラワークを意識しました。
また、観客の中を動き回るとき、照明が遮られ暗い中で動き回ることが多いので、カメラには外部モニターなどは付けずにFS7 IIのモニターを使っています。大きさも明るさも、とてもちょうど良かったです。混雑の中で撮影する場合にリグを組むと、どうしても周りに気を使うことになりますので、リグなしでコンパクトに担げる点は大きなメリットになります。

藤井様:外部モニターや外部レコーディングも考えましたが、屋外で現場の状況が当日まで分からなかったことと、雨が降る可能性もあったので、できるだけミニマムな構成にすることにしました。雨が降ればレインカバーは被せますが、今回FS7 IIを選んだ理由の一つとして防塵・防滴性能が高いため、強い雨風の中で万一、多少の雨が侵入した場合でも不備なく利用できるだろうという信頼感もありました。

古屋様:実際に雨が降ってきた時もFS7 IIはきちんとしたアイカップが付いているので問題なく見ることができました。雨のほか、観客が巻き上げる土煙や、泥跳ねなどもありましたが、問題なく撮影でき、FS7 IIは信頼できるカメラだと実感しています。

クリエイティブな表現を可能にするS-Log収録

藤井様:暗いステージバックの中、被写体は非常に明るく、かつ動きが激しいという映像ですが、撮影素材の画質は全く問題なく、ブロックノイズもありませんし、暗部のノイズなども気にならないレベルで、実際ポストでもノイズ除去などは行っていません。
また、今回S-Logで収録していますが、例えば赤色スポットライトがアーティストに当たるシーンで、通常の収録だと全体的に赤色が混ざった平坦な映像になってしまいます。しかし、S-Log収録を行い、グレーディングの際に緑を上げることで、客席近くの白いライトが当たっているギターの白が映えて、リアル感のある映像になります。

古屋様:FS7 IIの画質は、シネマティックな映像でありながら、シネマ的な映像になりすぎないクリアな映像のため、ライブ撮影などにも向いていると思います。今回の映像をシネマテイストの強いカメラで撮ったら、狙いと違ったものになってしまったと思います。

現場の雰囲気を伝える画作り

藤井様:今回は、ロック・フェスティバルということもあり、編集では激しい動きを強調するため、あえてカメラワークをルーズにしている部分もあります。臨場感を出すため、アーティストの手元のクローズアップやフォーカスをずらしているカットも狙いました。そのような場合、被写界深度が浅いと雰囲気のある映像になります。

古屋様:観客を比較的近くで撮るときは、F値をほぼ開放にして被写界深度を浅くし、背景をぼかした画にすることを意識しました。このようなことができるのも、ラージセンサーを搭載するFSシリーズの特長の一つだと思います。

宮風呂様:私はステージと引きのカメラどちらも担当しましたが、どちらもF値をほぼ開放にした状態で撮影しています。また、撮影監督として、アーティストごとに「意味のある」ショットを各カメラマンさんにお願いしました。グループによっては6〜7人並ぶこともあり、そのような場合、どこを狙って、どんな雰囲気を出すかなど。多くのカメラがあり、すべてがFSシリーズであることでいろいろな演出ができたと感じています。

プロジェクトを振り返って

三成様:今回のプロジェクトは、深夜、しかも雨風の強い天候という決して良いとは言えない環境の中、監督、撮影監督、カメラマンの経験やセンスが基盤となり、FSシリーズの良い部分を十分に活用できたことが成功の大きな要因だと思います。FSシリーズのカメラで統一することで、スピーディな収録を実現し、かつ監督の描いていた「リアル感や雰囲気のある映像」を具現化できました。クリアな映像と現場の温度を伝えられる映像作品になっていると思います。FSシリーズへの信頼もより高まりましたので、ちょっと気は早いですが、次モデルにも期待しています。(笑)

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